連載コラム【音楽のある風景】 Vol.8

2012.12.14

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選盤されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。
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どうぞお楽しみください!

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12月の選曲は温かみと輝きあふれる歌にときめきを託して。
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クリスマスが近づいてきました。
選曲をなりわいのひとつとする僕も、USENやFM、ショップBGMなどのクリスマス・セレクションに、
年末進行も重なって、冬の訪れと共に、今年いちばん忙しない日々を送っています。


毎年さまざまなクリスマス・アルバムがリリースされますが、
今シーズン最も僕の心に響いた一枚を紹介しましょう。
それは、夫ベン・ワットとのエヴリシング・バット・ザ・ガールとしての活動でも知られる
英国の女性歌手、トレイシー・ソーンが発表した『Tinsel And Lights』。
もともと大好きな歌声の持ち主なのですが、その音源を一聴して感動してしまった僕はすぐに、
レコードとCD、ポストカードにラッピング・ペーパーも挿入されたスペシャル・ギフト・ボックスも、
本国イギリスから取り寄せました。
そのアンティークな色合いの箱入り『Tinsel And Lights』を開けたときの感激は、
久しぶりに大切な人からプレゼントをもらったような気持ちを思い出させ、
歳をとって残念ながら普段あまり使うことのなくなった感情の回路が震えるのを感じました。
毎日がクリスマスだったら、と願ったあの頃のように。

トレイシー・ソーンの歌は、カヴァー・レパートリーを含めすべての楽曲が素晴らしいのですが、
敢えて一曲選ぶなら、冒頭に置かれた、温かい光に満ちたオリジナル曲「Joy」。
僕はすぐさま、“胸躍り心安らぐラヴ・ソング集”というテーマで制作中だった最新コンピレイション
『Haven’t We Met?~Sparkle Love Songs』への収録許諾を申請して、
たった2週間でOKの返事をいただいたことにも、心から感謝しています。
そう、これはクリスマスでなくても深く胸に沁みいる、エヴァーグリーンなクリスマス・ソングなのです。
ささやかなクリスマス・ウィッシュがかなえられたお礼に、ライナーでも、ディケンズ「クリスマス・キャロル」が織り込まれた、
この「Joy」の歌詞の一節“Because of the dark, we see the beauty in the spark”という
印象的な言葉をモティーフとしました。
アルバム・スリーヴを飾るマルク・シャガールのような素敵なドローイングも、
まるでこの曲のもつ温もりを表現しているかのようです。


『Haven’t We Met?~Sparkle Love Songs』には他にも、
ケニー・ランキン/アイズレー・ブラザーズ/ジョニ・ミッチェル/バート・バカラック/スティーヴィー・ワンダー/
ヘンリー・マンシーニ/ビーチ・ボーイズ/シンディ・ローパーといったアーティストたちの好カヴァーを始め、
温かみと輝きを宿した“愛を語らう音楽”が満載なのですが、
もう少し、カフェ・アプレミディにちなんだクリスマス・ソングの話を続けましょう。

まずは昨年作った『Haven’t We Met?~Season’s Gift EP』。
これも、思わずプレゼントしたくなるような一枚、と信じたいですね。
待望のCD化だったオープニング曲、「今年のクリスマスには何が欲しい?」と歌いかける
ディーン・グレッチ「What Do You Want This Year For Christmas」は、12月のピースフルな華やぎが似合う、
本当にハートウォーム・グルーヴという形容が相応しい名作だと思います。
オランダのベニー・シングスとドイツのクララ・ヒルの男女デュオが、
クリスマスの雪の朝の幸福な光景を回想するケニー・ロギンスのカヴァーから、
ウルグアイの名ピアニスト、ウーゴ・ファットルーソが「戦場のメリー・クリスマス」の美しい旋律を奏でるラストまで、
とっておきの名演揃いですので、ちょっとしたウィンター・ギフトにどうぞ。


そしてもちろん、7年前にコンパイルした『Cafe Apres-midi Christmas』も、未聴の方がいらっしゃいましたら、ぜひ。
色とりどりに飾られたクリスマス・ツリーのような、きらめく12月の街のイルミネイションのような、
この上なくファンタスティックなコンピレイションです。“Evergreen Gift For You”というキャッチフレーズに偽りなし、
きっと誰もが永遠のものと思う、ウィンター・ワンダーランドの装いが似合う不滅の世界遺産が25曲連なります。
ときめくようなオープニングを彩るのは、“Simply having a wonderful Christmas time”と歌うポール・マッカートニー。
The mood is right (とてもいい雰囲気だ)
The spirit’s up (気分もいい)
We’re here tonight (気心の知れた仲間たちと一緒にいる)
And that’s enough (それだけでいい)
Simply having a wonderful Christmas time
そう、ただただ素敵なクリスマス・タイムをすごすだけ。


それでは皆さん、音楽の贈りもので、幸せなクリスマスを。
12/22~25は、カフェ・アプレミディでもクリスマス・メニューを用意して、お待ちしています!

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12月の選盤

ロマンティック&メロウなサロン・ジャズ・フィーリングに親密なボサの風合い、
華やいだグルーヴが“胸躍り心暖まるラヴ・ソング”をハートフルに輝かせる、
橋本徹さん選曲のコンピ『Haven’t We Met?~Sparkle Love Songs』
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橋本徹さん選曲による、心地よく冬を彩る最高に心安らぐ音楽が収められた、
大切な人へのシーズンズ・グリーティングスとしてプレゼントにも最適な
スペシャル・プライスEP『Haven’t We Met?~Season’s Gift EP』
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ポール・マッカートニーからチェット・ベイカーまで、古今東西/有名無名/ジャンルを問わず、
橋本徹さん選曲できらきらと輝く名クリスマス・ソングがパーティー気分で大集合した
至福のコンピレイション『Cafe Apres-midi Christmas』
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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷・公園通りの「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは230枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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