連載コラム【音楽のある風景】 Vol.31

2014.11.30

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。
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どうぞお楽しみください!

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11月の選曲は、それぞれの幸せに思いを馳せながら。
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11月、紅葉や秋の装いをゆっくりと楽しむ間もなく、僕はひたすら選曲&ライナー執筆に追われているうちに日々が過ぎ去り、
年末に向けて走り出してしまったという感じですが、皆さんはいかがおすごしでしたか?
今月も僕が制作したコンピレイションCDを3タイトル、紹介させていただきます。

一年で最も街も華やぎ、イルミネイションも色とりどりに輝く季節に向けてコンパイルしたのが、
僕にとって『Cafe Apres-midi Christmas』以来9年ぶりとなるクリスマス・アルバム『Free Soul Christmas』。
今こそ、そのメッセージにも耳を傾けたいジョン・レノン「Happy Xmas」に始まり、
ポール・マッカートニー「Wonderful Christmas Time」/ダニー・ハサウェイ「This Christmas」/ワム「Last Christmas」といった
誰もが口ずさんでしまう人気曲の絶品ヴァージョン、
スティーヴィー・ワンダーにジャクソン・ファイヴなどのモータウン・クリスマス、バカラックにスヌーピー、
知る人ぞ知るオリジナル名曲まで、オール・ジャンルから選び抜いた聖なる夜を彩るグルーヴィー&メロウなクリスマス・ソングが満載です。
何よりも、クリスマスならではの大切な人のことを思う気持ちと、
世界中のさまざまな場所や人々のそれぞれの幸せに思いを馳せながら、セレクトしました。
ライナーにも掲載した、トレイシー・ソーンの「Joy」という曲の一節、
“Because of the dark, we see the beauty in the spark”という言葉に、そんな心持ちを託しています。
そしてこのCD、何と言ってもジャケットが素晴らしいと思います。
ただ単純に女性が「かわいい!」と言ってしまうような写真、ということだけでなくて、
子供がプレゼントを大事そうに開けるときの気持ちほど尊いものはない、と思うからです。
大人になっても、そういう心情を大切に生きていきたいですね。
何となくこのCDが部屋にあるだけで、心が和やかになってきます。
ぜひクリスマス・ギフトにもどうぞ。

そしてジャズ史上に燦然と輝く栄光のレーベルとして、最もその名を知られているだろうブルーノートの、
究極のベスト・オブ・ベスト・コンピ『Ultimate Free Soul Blue Note』も完成しました。
記念すべきブルーノート75周年を祝う3枚組のスペシャル・プライス企画で、
その伝統と革新の歴史、粋と洗練が4時間以上にわたって詰まっています。
「ジャズを聴いてみたいんだけど、何から聴いたらいいんだろう?」という方にも、お薦めしたいですね。
モダン・ジャズの名門としての顔を代表する、1950〜60年代黄金期のジョン・コルトレーンなどの至上の名作群はもちろん、
クラブ・ミュージックの隆盛と共に著しく再評価された1970年代のマイゼル・ブラザーズ制作曲やブラジリアン・フレイヴァー、
新たな黄金期を迎え活況を呈する現代へと連なるカサンドラ・ウィルソン〜ノラ・ジョーンズといったオーガニックな女性ジャズ・ヴォーカルの潮流、
21世紀にソウルやヒップホップとの親近性を示しジャズ史を更新するロバート・グラスパー周辺まで、
名高い至宝がグルーヴィー&メロウなFree Soul的感性で紡がれています。
まさに入門編にして決定版、ぜひお聴きいただけたらと思います。

最後にもう一枚、推薦したいのが、僕の“2014 サザン・ソウル・ルネッサンス”自信作『Free Soul. the treasure of Malaco』。
スタックスやハイと並んで誉れ高いサザン・ソウルの名門レーベル、
マラコ黄金期の宝庫からグルーヴィー&メロウな珠玉を選りすぐりました。
グランドマスター・フラッシュからスチャダラパーまで数多くの名リメイクを生んだパーティー・チューンの最高峰、
フリーダムの「Get Up And Dance」は、皆さんもきっと耳にされたことがあるでしょう。
イントロから誰もが笑顔でステップを踏んでしまう、無条件に心躍るダンス・ナンバーですが、
曲が終わる頃には少し切なさが滲むところが僕は好きです。
グルーヴィー・サイドを代表するのが「Get Up And Dance」なら、
メロウ・サイドを代表するのはドロシー・ムーアの「Girl Overboard」。
柔らかな高揚とたおやかな安らぎに、優しく気分が溶けてしまうような、
アメリカ南部の名ソングライター、フレデリック・ナイトとサム・ディーズのペンによる、
心洗われる至福のメロウ・グルーヴです。
僕は1990年代初頭、英国のアシッド・ジャズ・レーベルから発表された、
爽やかで艶やかなスノウボーイによるカヴァー・ヴァージョンで、この曲の虜になり、
すぐにオリジナルのドロシー・ムーアも探して聴いてみたら、こちらも絶品だった、というのがマラコとの出会いでした。
さらに、Free Soulマニア垂涎のシングル・オンリーの秘宝3 曲や、知る人ぞ知る80sアーバン・ミディアムの逸品、
ヤング・ラスカルズ/シルヴィア/ブレッドなどの好カヴァーも、お聴き逃しなく。
先日、イギリスから来日して、とても楽しいライヴで魅了してくれたストーン・ファウンデイションにも、
このCDをプレゼントすると、ひどく喜んでくれました。
最初に歓喜の表情で反応を示した曲は、Z.Z. ヒルの「When Can We Do This Again」。
ソリッドなビート感もたまらない、マーヴィン・ゲイ〜バリー・ホワイトも彷彿させる、
引きこまれるような、こみ上げるような、完璧な哀愁ミッド・グルーヴ。
このCDにも3作を収録した、我が愛するフィリップ・ミッチェルの書いた、
漆黒のマイ・フェイヴァリット・チューンでもあります。


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11月の選盤

大ヒットを記録した『Cafe Apres-midi Christmas』の兄弟作となる、
とても素敵なジャケットに包まれ、プレゼントにも最適な、
聖なる夜を彩るグルーヴィー&メロウなクリスマス・ソングが全23曲・83分23秒にわたって連なる、
橋本徹さん選曲によるクリスマス・アルバム『Free Soul Christmas』
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栄光のジャズ名門レーベル、ブルーノートの伝統と革新、粋と洗練が詰まった究極のベスト・オブ・ベスト、
Free Soulならではのグルーヴィー&メロウな感性で名高い至宝が
3枚組・4時間以上におよびスペシャル・プライスで集められた、
橋本徹さん選曲のコンピレイション『Ultimate Free Soul Blue Note』
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名サザン・ソウルの宝庫としてスタックスやハイと並び称されるマラコ黄金期の傑作群から、
パーティー・チューンの最高峰や至福のメロウ・グルーヴなど、
マニア垂涎の珠玉を全22曲・82分56秒にわたり選りすぐった、
橋本徹さん選曲のコンピレイション『Free Soul. the treasure of Malaco』
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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは260枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

 

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