連載コラム【音楽のある風景】 Vol.66

2017.10.31 NEW

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!
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10月の選曲は、心震わせる音楽とレコードへの愛をこめて。
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天候に恵まれず、木枯らしも吹いて、今年は秋が短いなと感じる今日この頃。
食欲の秋〜スポーツの秋を満喫するには至っていませんが、芸術の秋はがんばっています。
3メートルの距離で堪能したエリカ・バドゥのライヴから、カフェ・アプレミディで写真展も始まった5周忌を迎えたテリー・キャリアーの追悼DJまで、音楽に関しては充実した日々が続いています。

そして来たる11/3は、文化の日であると共に、レコードの日。
アナログ・ブーム再燃が各メディアでも伝えられる昨今、僕の監修する7インチ・レコードも復刻ラッシュです。

僕がかつて編集・発行していたレコード・ガイド「Suburbia Suite」の25周年記念企画として登場するのは、1993年に「Suburbia Suite」のリイシュー監修により空前の大ヒットを記録し、"ソフト・ロックの最高峰""渋谷系の聖典"と崇められ愛され続けている、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズの何と10枚組となるスペシャル・7インチ・ボックス(しかも¥10,000のスペシャル・プライス!)。
ビートルズやバート・バカラックらと並び称される稀代の名ソングライター(カーペンターズの「愛のプレリュード」や「雨の日と月曜日は」などがその代表作と言っていいでしょうか)、ロジャー・ニコルスを中心とするグループが、60年代ウエスト・コースト・ポップスの名門レーベルA&Mに吹き込んだ8種のシングルすべてに加え、アルバムのみに収録だった4曲も新たに7インチ化し、ロジャー・ニコルス・トリオ期も含む彼らの音源をこだわりのモノ・ヴァージョンでコンプリートした、まさにときめくような奇跡のアナログ・ボックス・セットです。

封入されるブックレットも1992年の「Suburbia Suite」を模したデザインで、僕とパイドパイパーハウス長門芳郎さんの対談、ピチカート・ファイヴの小西康陽さんのライナーなど、若き日にポップ・ミュージックの魅力を教えてくださった両先輩とのコラボレイションが実現しています。
惜しくも今年亡くなられた名プロデューサーのトミー・リピューマ、編曲家に名匠ニック・デカロ/ボブ・トンプソン/マーティー・ペイチらが名を連ねる黄金の制作陣による、甘酸っぱい洗練と躍動、そして夢見るように美しいメロディーと瑞々しいハーモニーに彩られた永遠不滅のエヴァーグリーンを、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

11/3レコードの日には、さらにレア名作復刻シリーズ「EXTRAVAGANZA!」でも、3枚の7インチがリリースされます。
ちょうど5周忌&写真展開催のタイミングと重なった、大好きなという言葉では表現しきれないくらい愛してやまないテリー・キャリアー(先月のこのコラムで詳しく紹介させていただきました)は、彼のソウル/ジャズ/フォーク/ブルースの溶け合った心震わせる音楽の中でも、とりわけ人気の高い2曲をカップリング。
これを聴いていなかったらFree Soulムーヴメントは始まっていなかっただろう不朽の名曲で、Nujabesも本人を迎えカヴァーした切ない歌とメロディーに胸が熱くなる「Ordinary Joe」と、オリジナル・シングルはマニア垂涎の高額レア盤で、ノーザン・ソウル・シーン沸騰のグルーヴィー・キラー・チューン「Look At Me Now」という、最高の組み合わせです。

そしてスピリチュアル・ジャズ〜ジャズ・ファンクの雄として70年代を中心に活躍したサックス奏者ゲイリー・バーツと、アフリカ音楽の影響も感じさせるジョン・コルトレーンの志を継ぐフリー・ジャズ系サックス奏者アーチー・シェップも揃い踏み。
僕が愛するラリー&フォンス・マイゼル兄弟のスカイ・ハイ・プロダクションズ制作によるサンプリング人気曲同士という、これまたこれ以上ない顔合わせのゲイリー・バーツは、ジェントル&メディテイティヴな1975ジャジー・メロウ・グルーヴ「Gentle Smiles」と、シリータ歌う1977アーバン・メロウ・ソウル「Music Is My Sanctuary」のシングル・ヴァージョン(アルバム版よりDJユースに向いているのも嬉しさ倍増です)というナイス・カップリング。
ガリアーノによるリメイクでアシッド・ジャズ・シーンを震撼させたジャズ・ファンク・クラシックにして、血湧き肉踊るブラック・ビッグバンド・ファンク「Attica Blues」と、桃源郷で奏でられたような、少女ヴォーカルも魔法的なメロウ・スピリチュアル・ジャズ「Quiet Dawn」のアーチー・シェップも、硬軟自在で清濁併せ呑むパーフェクト・カップリングでしょう。

熱心な音楽ファンの方はもちろん、普段はスマートフォンやパソコンで気軽に、というカジュアルなリスニング・スタイルの方にも、レコードの日を機会にアナログ盤を聴く愉しみを感じていただき、僕の好きなアーティストたちに興味を抱いてもらえたら嬉しいな、と考えております。

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10月の選盤

"ソフト・ロックの最高峰""渋谷系の聖典"とも崇められ愛され続ける、60年代ポップスの名門レーベルA&Mの金字塔ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズの永遠に美しいメロディーと瑞々しいハーモニーを、7インチ・レコード10枚組として完全パッケージした、橋本徹さん監修によるレコード・ガイド「Suburbia Suite」25周年記念企画盤『Roger Nichols & The Small Circle Of Friends Special 7inch Box』


偉大なる黒人シンガー・ソングライターにしてシカゴ出身のソウルマンとしてカーティス・メイフィールドと並び称されるテリー・キャリアーの、胸を震わせる真摯な歌声に涙すること必至のFree Soulムーヴメントの象徴的な名作でありNujabesも本人を迎えカヴァーした「Ordinary Joe」と、オリジナル・シングルはマニア垂涎の高額レア盤で、ノーザン・ソウル・シーン沸騰のグルーヴィー・チューン「Look At Me Now」を収めた、橋本徹さん監修により正規リイシューされる強力カップリング7インチ


スカイ・ハイ・プロダクションズ制作によるゲイリー・バーツの二大人気曲、トライブ・コールド・クエストなどにサンプリングされたジェントル&メディテイティヴなジャジー・メロウ・グルーヴ「Gentle Smiles」と、ウォーレン・Gのサンプル・ソースとしても知られシリータの可憐なヴォーカルも印象的なアーバン・メロウ・ソウル「Music Is My Sanctuary」のシングル・ヴァージョンを収めた、橋本徹さん監修により正規リイシューされる強力カップリング7インチ


ジョン・コルトレーンの志を継いだアーチー・シェップの、ガリアーノによるリメイクでアシッド・ジャズ・シーンも震撼させた鬼気迫るジャズ・ファンク・クラシックであり、ゴスペリッシュな女性ヴォーカルが煽る血湧き肉躍るブラック・ビッグバンド・ファンク「Attica Blues」と、少女ヴォーカルも魔法的な桃源郷で奏でられたようなメロウ・スピリチュアル・ジャズ「Quiet Dawn」を収めた、橋本徹さん監修により正規リイシューされる強力カップリング7インチ

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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