連載コラム【音楽のある風景】 Vol.70

2018.02.28

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!

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2月の選曲は、芽吹きの季節に心動かされずにいられないエヴァーグリーンな音楽を。
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気がつけば2月も終わり、時がすぎるのが早すぎる、と感じるのは歳をとってしまった僕だけでしょうか。
三寒四温、インフルエンザも流行っていたようですが、皆さん風邪などひかれていませんか?

僕にとって2月は、1974年2月7日に生まれ2010年2月26日に亡くなったNujabesの季節です。
今なお世界的に熱い支持とリスペクトを受け、温かい讃辞の声がやまない日本を代表する名サウンド・クリエイターであり、僕にとっては最も信頼する音楽仲間のひとりでもあった大切な友人でしたが、今年は彼が主宰していたHydeout Productionsの作品がSpotifyに入ったこともあり、その全音源を使ったプレイリスト「Free Soul Nujabes」「Cafe Apres-midi Nujabes」を制作したので、例年になくそのかけがえのない音楽に親しんでいました。
CD版『Free Soul Nujabes』2タイトルのFJDによる素晴らしいデザインをアイコン・モティーフに集められた、音楽への深い愛情に貫かれ、心の深い部分に響いて優しく琴線を震わせる、永遠に生き続ける珠玉の名曲の数々。
先週末には8周忌を前に毎年恒例の追悼クラブ・イヴェントも開かれ、彼の愛したレコードや僕らの思い出の曲をプレイしてきました。
"Reflection Eternal"という思いをこめて。

その「A Tribute to Nujabes」と題されたイヴェントでのDJでかけたら、大歓声に包まれたシンク・トゥワイス&デヴィッド・リシュパン「The Robe」を収録しているのが、Nujabesがこの世を去った2010年に僕が編んだコンピ『Brother Where Are You』。
なぜそんなに盛り上がるのかと言えば、この曲はNujabesの人気曲「Feather」を下敷きにしているからです。
ちなみに、夭逝した偉人たちへのトリビュート・セレクションというコンセプトのこのコンピレイションのオープニングは、Nujabesと同じ1974年2月7日生まれだった今は亡きJ・ディラに捧げられた、カルロス・ニーニョ&ミゲル・アトウッド・ファーガソンによるトライブ・コールド・クエストのカヴァー「Find A Way」。
そしてエンディングはサン・ラの隠れ名作「Springtime Again」、タイトル通りこの季節に相応しいささやかな光(希望)が見える曲なので、ぜひ聴いてみてください。

最後に、先月のこのコラムでかなりの熱意をこめて大推薦した、ルエジ・ルナの『Um Corpo No Mundo』も遂にリリースされました。
豊潤なギターとパーカッションの柔らかなアンサンブルに彩られた、しなやかでナチュラルなサウダージ香る歌声のアフロ・ブラジリアン・ビューティーにして、まさしくエヴァーグリーンな"サンパウロの宝石"。
春はもうすぐそこ、そんな芽吹きの季節にやはり心動かされずにいられない、本当にいま最も素敵な音楽だと思います。

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2月の選盤


今なお温かい讃辞の声がやまない、日本が世界に誇れる名サウンド・クリエイター、Nujabesの胸を打つ甘美な傑作の数々が、深い愛情と追悼の思いをこめて集められた、橋本徹さん選曲のコンピレイション『Free Soul Nujabes ~ First Collection』と『Free Soul Nujabes ~ Second Collection』


テリー・キャリアー「Ordinary Joe」の感動的なライヴから、J・ディラ追悼曲やアーサー・ラッセル発掘音源まで、"亡き友へのレクイエム"をコンセプトに綴られた、橋本徹さん選曲による、Nujabesを始めとする夭逝した偉大な音楽家たちへのトリビュート・セレクション『Brother Where Are You』


近年注目を集めるアフロ・ブラジレイロMPBの新潮流、知性と野性がしなやかに溶け合い、まろやかで伸びやかな歌声と豊かでこまやかな躍動のアンサンブルに深い叙情性が宿る、"サンパウロの宝石"と絶賛を受ける女性シンガー・ソングライターのファースト・アルバムで、橋本徹さんが監修するアプレミディ・レコーズから日本盤リリースされたルエジ・ルナの『Um Corpo No Mundo』


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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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