連載コラム【音楽のある風景】 Vol.72

2018.04.30

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!

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4月の選曲は、胸の高鳴りを瑞々しくメロウな一生の宝物で充たして。
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まだ4月というのに東京は夏日が続いていますが、皆さんいかがおすごしでしょうか?
僕は早くも夏待ち気分なので、大歓迎という感じなのですが。

ここ最近、胸が高鳴っているのには、もうひとつ理由があります。
大好きという言葉では表現しきれないくらい、僕が大好きなアーティスト、リロイ・ハトソンがまもなく初来日公演にやってくるのです。
僕はSpotifyで、彼の珠玉の名作を30曲集めた「Free Soul Leroy Hutson」と題したプレイリストを作ったりして、歓迎気分を高めています(この文章はそれを聴きながら、簡単なライナーノーツ代わりに読んでいただけたら嬉しいです)。

ソウル・ミュージックの偉大な歴史の中では、ダニー・ハサウェイの親友であり(共作した「The Ghetto」も広く知られています)、御大カーティス・メイフィールドの信頼を得て、彼の後釜としてインプレッションズのリード・ヴォーカルを務めたことでも名を残すリロイ・ハトソン。
そんな彼が1970年代に、カーティス主宰のカートム・レーベルにソロ名義で吹き込んだ名作群こそ、僕がFree Soulで最も光を当てたかった至上の音楽です。
1994年春に僕が制作したレコードガイド「Suburbia Suite」のFree Soul特集号トップで紹介した2枚が、彼の名盤『Hutson』と『Hutson II』でした。
また、大好きな彼の名曲をたっぷりフィーチャーして、やはり24年前に編んだコンピレイション『Free Soul Heaven』は、僕にとって一生の宝物です。

イギリスや日本で再評価されたのもうなずける、独特のアーバンでメロウなセンス。
カートムらしい乾いたドラムとループ状のベース・ラインが生みだす、タイトでしなやかなグルーヴ。
甘美なストリングスの音色も素晴らしい、緻密なアレンジの洗練されたオーケストラル・ソウル(インストゥルメンタル・パートが長いのも特徴です)。
そして、盟友ダニー・ハサウェイにも通じる、抑制されながら凛々しさと瑞々しく生き生きとした情感をたたえた歌声。
彼の魅力を語れば、本当に言葉は尽きません。

そして付け加えるなら、リロイ・ハトソンの手がけたナチュラル・フォーやヴォイセズ・オブ・イースト・ハーレムといったプロデュース・ワーク、ガリアーノ/スノウボーイ/エリカ・バドゥらによる彼のリメイク作も、長年Free Soulシーンを素敵に彩ってきてくれました。
リロイ・ハトソンこそFree Soulの心髄、そんな感謝の気持ちを募らせながら、来日コンサート(僕の友だちは全員行きます)を楽しみに待っている今日この頃です!

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4月の選盤


リロイ・ハトソンの代表的な名作「All Because Of You」「Luckey Fellow」「I Think I’m Falling In Love」に始まり涙の名曲「It’s Different」まで、彼がプロデュースしたナチュラル・フォーや在籍したインプレッションズの人気曲も含め、橋本徹さんが1994年にカーティス・メイフィールド主宰カートム・レーベルのベスト盤として選曲したコンピレイション『Free Soul Heaven』


乾いたリズム・セクションと瑞々しくしなやかなヴォイスが醸しだす都会的な雰囲気、包容力のある歌声に身を委ねたくなる香り高いメロウ・グルーヴ・クラシックが揃う、リロイ・ハトソンの甘美で流麗、アーバンでロマンティックな魅力の結晶と言える、1975年発表の永遠のマスターピース『Hutson』


上品な色合いのブルーのシンプルなジャケット、ストレートな印象そのものの澄みきった音が心地よい、透明で少し甘いソウル・ミュージックが並ぶ、リロイ・ハトソンの生き生きと躍動する爽やかで切ないサウンドと、クールの中に優しさを秘めた凛々しいスウィート・ヴォイスが昇華された、1976年発表の不朽のマスターピース『Hutson II』

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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