連載コラム【音楽のある風景】 Vol.73

2018.05.31

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。



どうぞお楽しみください!

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5月の選曲は、夏を心待ちに「なんか、いい風」を感じて。
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「気分は5月の風のように」──この季節になると毎年つい口にしてしまう古い歌のタイトルですが、今年の僕は夏(というかナツマチ気分)の始まりを早くしたくて、GWからもう7回も湘南方面に出かけ、潮風を感じています。
すでにうっすらと陽やけしているほどで、先週末は由比ヶ浜に面したGood MellowsのルーフトップでバーベキューDJパーティーを開き、とても心地よい風に吹かれながら、素晴らしい音楽と共に友人たちと幸せな夕暮れをすごすことができました。

2016年春にリリースされ、ロングセラーを続けている3枚組のコンピCD『Ultimate Free Soul 90s』から、選りすぐりの人気曲をダブルAサイドにカップリングした7インチ・レコード4枚が発売されたことも、僕の気持ちを高めてくれています。
いずれもポップ・ミュージック〜クラブ・ミュージックの黄金期90年代を彩った、正真正銘の大名作ばかり。

まずは20年以上にわたり現在進行形ブラック・ミュージックに最も大きな影響力を持つキング&クイーンにして、R&B/ヒップホップのアイコニックなカリスマであり続けるディアンジェロとエリカ・バドゥのデビュー曲、ジャジー&メロウなニュー・クラシック・ソウルの象徴「Brown Sugar」と「On & On」。
続いて70年代ソウルへの愛情と憧憬あふれるメロウなグルーヴと絶品のファルセット・ヴォイスで迫る、レニー・クラヴィッツによる永遠不滅のラヴ・ソング「It Ain’t Over ’Til It’s Over」と、"クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル"ことメアリー・J. ブライジによる、溌剌とした歌声と快活なビートがラヴリーに胸を疼かせる「Real Love」。
さらにキュートなヴォーカルと切なくも胸を焦がすメロディーでグルーヴする青春のきらめきを宿したカーディガンズのとびきりのポップ・チューンであり、トーレ・ヨハンソンのプロデュースによるスウェディッシュ・ポップの金字塔("渋谷系"洋楽ポップスの金字塔と言ってもいいかもしれません)「Carnival」と、"ハウス・ミュージックの父"フランキー・ナックルズの歴史的フロア・クラシックでありながら、クラブ・フィールドを越えて広く愛され続ける至福の口笛を奏でるエヴァーグリーン・ビューティフル・ハウス「The Whistle Song」。
そしてジャイルス・ピーターソン主宰の名門レーベルTalkin’ Loudに生み落とされた今なお愛されてやまないUKソウル〜メロウ・グルーヴの至宝として、心洗われるハートウォームで流麗なスムースネスに魅せられるインコグニートの「Still A Friend Of Mine」と、甘美でソウルフルなサビの名唱に感極まるアーバン・スピーシーズの「Spiritual Love」。
本当に僕自身にとっても、リアルタイムで聴いて一生の思い出となり、人生レヴェルで大切な音楽となっている、かけがえのない名曲ばかりです。

先々週の日曜日には、緑の多いとても快適な本屋でありCDショップでもある二子玉川の蔦屋家電で、リリースを記念したトークショウ〜DJパーティーも開かれ、たくさんの方に集まっていただき、美味しいオーガニック・ビールを飲みながら楽しい時間をすごしました(蔦屋家電のこれまでのビール売り上げ記録を3倍以上も更新したそう)。
そして、いい感じにほろ酔い気分になってしまった僕が、イヴェントの最後にふと友だちのレコードを借りてプレイしたのは、皆さん大好きなスチャダラパーの「サマージャム ’95」(ボビー・ハッチャーソンの「Montara」という曲を絶妙にサンプル・ループしたこの曲は、僕にとってFree Soul 90s最高峰のひとつなのです)。
確かにその日は、「なんか、いい風」が吹いていました。

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5月の選盤

大ヒットを記録した『Ultimate Free Soul Collection』のスペシャル・エディションとして待ち望まれていた、ポップ・ミュージック〜クラブ・ミュージックの黄金期1990年代のグルーヴィー&メロウな極めつけの傑作群を、橋本徹さんが3枚組4時間以上にわたりナイス・プライスで集大成した2016年制作のコンピレイション『Ultimate Free Soul 90s』


コンピ『Ultimate Free Soul 90s』から両A面で7インチ・シングル・カットされた、生演奏を多用したプロダクションとヒップホップ以降のビート感覚が後のソウルクエリアンズへ発展していく、ジャジー&メロウなニュー・クラシック・ソウルの象徴にして新時代の幕開きを告げた互いのデビュー曲、ディアンジェロ「Brown Sugar」とエリカ・バドゥ「On & On」


コンピ『Ultimate Free Soul 90s』から両A面で7インチ・シングル・カットされた、70年代ソウル愛に満ちたヴィンテージ・サウンドによる血の通ったグルーヴとメロウなファルセットに魅了されるレニー・クラヴィッツの永遠不滅のラヴ・ソング「It Ain’t Over ’Til It’s Over」と、溌剌とした歌声が快活なビートに映え胸を疼かせるメアリー・J. ブライジによるヒップホップ・ソウル誕生の歴史的記念碑「Real Love」


コンピ『Ultimate Free Soul 90s』から両A面で7インチ・シングル・カットされた、青春のきらめきを宿した切なくも胸を焦がすカーディガンズの"渋谷系"リスナーにも愛されたスウェディッシュ・ポップの金字塔「Carnival」と、どこまでも心地よい口笛と永遠に身を委ねていたくなるグルーヴがエヴァーグリーンの輝きを放つフランキー・ナックルズの至福のビューティフル・ハウス「The Whistle Song」


コンピ『Ultimate Free Soul 90s』から両A面で7インチ・シングル・カットされた、ジャイルス・ピーターソン主宰Talkin’ Loudレーベルが生んだ、ハートウォームな歌声と心洗われる流麗なメロウ・グルーヴが今なお愛されてやまないUKソウル珠玉の輝かしい両輪、インコグニート「Still A Friend Of Mine」とアーバン・スピーシーズ「Spiritual Love」

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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