連載コラム【音楽のある風景】 Vol.75

2018.07.31

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。



どうぞお楽しみください!

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7月の選曲は、夏の"まぼろし"と夕陽と海に思いを馳せて。
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史上最高に熱い夏、7月の東京は猛暑日が続いていましたが、皆さん夏バテなどされていませんか?
それでも僕は、先週日曜も由比ヶ浜に面したパノラマ・オーシャン・ヴューのイタリアン・レストランOcean Harvest Cocomo(開放的なルーフトップも気持ちよく、料理もとても美味しいです)で、「Free Soul meets Good Mellows」と題したシーサイド・パーティーを開くなど、平成最後の夏を満喫しています。

今月はそんな「アイスクリームとろけるような暑い暑い夏に」(©︎曽我部恵一「サマー・シンフォニー」)、ぼんやりと何気なくすごす時間に流していたくなる新名盤を紹介しましょう。
それはカリフォルニアを拠点とする若き男性シンガー・ソングライター/トラック・メイカー/マルチ・プレイヤー、マイケル・セイヤーが今春に配信&カセットで発表した傑作アルバムのアプレミディ・レコーズからの待望の日本盤CD化となる『Bad Bonez』です。

甘美に揺れるエレピのメロウネス、とろけるような極上のベッドルーム・ソウル〜チルアウト・AORが溶けだすほのかにトロピカルなスウィート・サイケデリア。
「21世紀版シュギー・オーティス×マイケル・フランクスのような絶妙のセンス」「マック・デマルコやホームシェイクのような脱力感が気持ちいいメロウなローファイ・ポップ」「中毒性の高いシロップ・ポップ」といった讃辞の声と共に、すでにメディアやSNSで高感度の音楽好きに熱狂的に支持されていますが、その魅力の本質をひと言で表すなら、白日夢のように幽体離脱的な浮遊感をまとった"まぼろしのような音楽"、ということになるでしょうか。
フランク・オーシャンやモーゼス・サムニー、ベニー・シングスやモッキー、トミー・ゲレロから坂本慎太郎のファンにまで、幅広く大推薦したい一枚です。

先月紹介したモーゼス・タイワ・モレレクワの『Genes And Spirits』も、アフリカとカリブ海とブラジルがたおやかに溶け合う素晴らしいジャズで、夏に最高だなと感じながら相変わらず愛聴していますが、もうひとつ特筆したいのが、僕が毎年オーガナイズしてきた江の島・シーキャンドルサンセットテラスで開かれる「夕陽と海の音楽会」で、今年はFreedomSunsetの15周年記念ゲストDJとして8/11に共演するホセ・パディーヤの心地よさ。
地中海イビサ島の有名なサンセット・スポット「Cafe Del Mar」のオリジネイターで、同名の人気コンピレイションの選曲も手がけていたホセ・パディーヤは、言わずと知れたバレアリック・チルアウトのリヴィング・レジェンドで、僕は海辺のメロウ・チルアウトをテーマにした"Good Mellows"コンピ・シリーズで彼の作品をこれまでに3曲セレクトしていますが、とりわけ『Good Mellows For Sunset Feeling』に選んだ「Adios Ayer」は、"Thinking Of Tomorrow With The Sunset In Your Eyes"と歌われるサンセット・チルアウトの極めつけとして誉れ高い名曲です。
僕は海に囲まれた江の島の頂にあるシーキャンドルサンセットテラスで、富士山に沈みゆく美しい夕陽を眺めながら8/11にこの曲をかけるのが、今から楽しみでなりません。

そしてもう一曲、ホセ・パディーヤと言えば僕が20年前からヘヴィー・プレイしてきたのが、バート・バカラック作でカーペンターズが大ヒットさせた「Close To You」の絶品カヴァー。
こちらは『音楽のある風景〜夏から秋へ』というコンピにも収録しましたが、印象的なスパニッシュ・ギターに郷愁を誘われずにいられない夕暮れメロウなこの名ヴァージョンを聴きながら、「あの頃はホセ・パディーヤと一緒に(しかも気持ちのよい野外のトワイライト・タイムに)DJするときが来るとは想像もしなかったなあ」と感慨にふけっている今日この頃です。
皆さんもぜひ、8/11は大人の夏の夕涼みに「夕陽と海の音楽会」にいらしてください!

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7月の選盤


カリフォルニアを拠点とする若き男性シンガー・ソングライター/トラック・メイカー/マルチ・プレイヤーによるとろけるようなローファイ・ベッドルーム・ソウル〜チルアウト・AORの新名盤、揺らぐエレピのメロウネス、白日夢のように溶けだすスウィート・サイケデリアが心地よい、橋本徹さん監修のアプレミディ・レコーズから日本盤CD化されたマイケル・セイヤーの2018年作『Bad Bonez』


2001年に27歳で夭逝した南アフリカ・ジャズ・ピアノの伝説的存在による歴史的大名作、ジャズ/アフロ/カリビアン/ブロークンビーツ〜ドラムンベース/ソウル〜レゲエなどが溶け合い、アフリカならではの包容力と生命力と真摯なスピリチュアリティーに満ちた、橋本徹さん監修のアプレミディ・レコーズからリイシューされたモーゼス・タイワ・モレレクワの1998年作『Genes And Spirits』


ホセ・パディーヤによるバレアリック・チルアウトの金字塔的名作「Adios Ayer」をハイライトに、夕暮れどき特有のメロウな気分と心地よい叙情を、美しいマジック・アワーの光景のようにシネマティックな音像で描きだす、橋本徹さんセレクトによる珠玉のコンピレイション『Good Mellows For Sunset Feeling』


ホセ・パディーヤによるバート・バカラック作の名曲「Close To You」のスパニッシュ・ギターが印象的な絶品カヴァーをクライマックスに、心地よくグルーヴィー、切なくもメロウな名作群が、移りゆく季節を美しく演出する、橋本徹さんセレクトによる至福のコンピレイション『音楽のある風景〜夏から秋へ』

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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