『 だからファッションはたいせつ 』

栗野 宏文 MEN WOMEN

2016.01.04

あたらしい年となりました、本年も宜しくお願い申し上げます。

今年はどのような1年となるのでしょう? 多くの人々が幸せに暮らせる、そして世界中が平和である2016年となるように、という思いを強くしています。


■ファッション産業は人を幸せにし、社会の役に立つ

1978年、僕は以前勤めていた小売店で店長に任命されました。お店とスタッフと商品を任せて頂き、商品調達の為に国内出張にも行きました。その頃、毎シーズンとてもお世話になっていた大阪の紳士服メーカーRの創業社長であったFさんの言葉が忘れられません。

F社長は「ファッションは平和産業です」とおっしゃっていました。太平洋戦争の当事国であった日本には徴兵制があり、兵役に就いたF社長は高射砲部隊にいらしたそうです。
「戦争はいけません。何の罪も無い国民がたくさん亡くなり、国土も荒れます」と悔恨をこめ振り返っていらしたFさんは、戦後、何もない状態からR社を創業されましたが、そこで強く意識されたのが「ファッション産業は人を幸せにし、社会の役に立つ」ということだったそうです。僕も全く同じ考えを持っています。
ファッションは着る人を輝かせ、自信をつけさせてくれたり、時には自己を振り返り、見つめ直させてくれたりもします。つまり、ファッションはひとを成長させます。そしてファッションはコミュニケーションやメッセージでもあります。

そして勿論ビジネスでもあり、国を支え/代表する産業にだってなれます。ファッション・ビジネスを通して様々な国との交流や親交も生まれます。ファッションは多様性の尊重と異文化への尊敬を生みます。音楽と同様にファッションはユニヴァーサル・ランゲージなのです。


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■今はファッションの転換期

ところで昨年(2015年)から今年(2016年)にかけて、ファッションの"転換期"いわゆる"ターニング・ポイント"である、という思いを強くしています。それも広範囲での転換期なのではないだろうか? と。

ファッションの発信地=パリは今でも世界のファッションの中心地なのか?
デザイナー=有名ブランドのデザイナーが自由にクリエイションできなくなっている?
ジェンダー=装いや価値観において従来的な男女の性差がどんどん消滅傾向にある?
季節=気候の温暖化や異常気象は従来のシーズン感覚を変えざるを得ない程に影響?
流行=いわゆる"トレンド"は洋服を買う理由では無くなっている?
美意識=格好良いことはダサく、ダサいことが格好良い?

上記の様に、今、ファッションを巡る諸要素に大きな変化が起きています。
そのことが意味するのは、例えばビジネス視点でのファッションは大きく変化せざるを得ない、ということです。過去の成功例や常識が通用しない、ということも言えるでしょう。


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■ファッション業界に求められているものとは?

そして、だからこそ、今、ファッションの本当の面白さや意味、チカラが求められている、と僕は感じています。

モノが簡単に売れない時代のファッション、流行やブランドがモノを買う大きな理由では無い時代のファッション、従来的な男らしさ/女らしさを超えた魅力が求められる時代のファッション......。それが容易くは無い故に僕はもっと面白くなるだろう/なるべきだ、と考えます。もっと魅力的でそれを身につけることに意味/意義を感じて頂ける服や靴やバッグをお客様に提案していきたい、と強く思うのです。
ファッションというものを通して人や世界をより良くハッピーにできるはずだ、と。


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トラディショナルで品質が良く品があって美しいものと、五感を刺激してくれる面白いものと、モノづくりに愛情が感じられクラフツマンシップの結晶であるものetc......、それらを日本及び世界中から探し求め、或いはじぶんたちでつくりこみ、楽しく組み合わせて提供する......、そういうことが今ファッション小売業に求められているのだと思います。


そして僕やスタッフたちは、その"求められているもの"に全力でお応えし、時には楽しく驚いていただき、厳しいお言葉も頂戴しながら、かつ共鳴して頂けるよう、今年も走り続けます。

本年もユナイテッドアローズを宜しくお願い申しあげます。

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