CITEN JOURNAL

#01
2021 AUTUMN
CITENの「始点」。藤原裕さんと考えた“古くて新しい”オリジナルデニム。
“FUTURE ESSENTIALS.”のコンセプトの下、これからの時代にフィットする”Well”なモノ作りを掲げ、この秋冬からデビューする新ブランド<CITEN(シテン)>。CITEN JOURNALでは、コアとなるアイテムにまつわるストーリーを様々な視点から紹介していきます。第一回は人気ヴィンテージショップ<BERBERJIN(ベルベルジン)>ディレクターの藤原裕さんをアドバイザーに迎えた<CITEN>のオリジナルデニム。ファッション業界から広くリスペクトされる藤原さんと手がけたデニムの魅力をスタイルサンプルと共にお伝えします。
- Photo: Mai Kise
- Styling: Tetsuro Nagase
- Hair & Make-up: Rumi Hirose
- Model: AME, NAO
- Edit: Naoko Sasaki
シンプルな着こなしが映える、
CITENデニムの
スタイルサンプル。
ラインナップは全4型。ウィメンズならではの魅力を放つスリムとハイウエストジーンズ。メンズはユニセックスで着こなせるGジャンとスリムストレートジーンズ。それぞれにワンウォッシュとヴィンテージ加工が揃う。セットアップでも、手持ちのアイテムと合わせても、着回しは自由自在。こだわりの詰まったデニムだからこそ、長く愛用して、自分だけの一着に育てていきたい。

お店の地下にあるヴィンテージデニムの部屋。
藤原さんのセレクトによる味わい深いデニムがずらりと並ぶ。
中には貴重なお宝アイテムも。
ヴィンテージデニムの
魅力を詰め込んで、
着る人に伝えたい。
原宿のとんちゃん通りにあるヴィンテージショップ<ベルベルジン>。ドキドキしながらお店に入ると、満面の笑顔で迎えてくれた藤原裕さん。まずは今回作ったデニムのデザインについてお話を伺った。「僕が20年以上見てきたヴィンテージの中で、今の時代に、自分に求められているものを客観的に考えました。ワードローブの基本になるベーシックな形にヴィンテージの要素を落とし込む。メンズのジーンズはド定番のストレートではなくあえてスリムストレートを提案しています。もちろん女性がオーバーサイズで履いても可愛いですよ。ウィメンズはCITENディレクターの秋川由梨子さんと話し合いながら作りました。女性用のデニムが登場したのは1934年頃。その膨大なアーカイブからベースに選んだのは、ラインの綺麗なスリムと、股上の深いテーパードシルエットの2型。シルエットとディテールは今日的なものにアップデートしています。ヴィンテージの魅力が感じられて、気軽に毎日でも履ける、そんなラインナップを目指しました」。

魅力的なヴィンテージアイテムが所狭しと並ぶ<ベルベルジン>。
CITENのデニムとも相性抜群。ぜひ足を運んでみたい!
時代が求めているもの=
古き良き伝統と
未来を
見据えたモノ作り。
今回はジーンズとセットアップで着られるGジャンも目玉の一つ。「ヴィンテージ市場でもGジャンがまた注目されているんです。今のオーバーサイズの気分も考えて、ユニセックスで着てもらえる一着を提案しました。特徴は「Tバック」と呼ばれる背中のハギで、46インチ以上という大きなサイズにのみ見られるレアなディテール。インスピレーションは私物の貴重なヴィンテージから。だからこそ説得力の出るデザインかなと自負しています」。羽織ってみると一味違う後ろ姿がとても印象的。通なディテールというのも嬉しいところ。「ボディは真四角なボックススタイル、ポイントは小襟。立ててもいいし、ボタンを一番上まで留めてカチッと着てもかっこいい。ネックレスを上からしてもいい感じに収まる。実は1920年頃の古いディテールなんです」。また、未来へ向けての取り組みとして素材にもこだわった。「復刻やレプリカではなく、今の時代感とサステナビリティを取り入れたくて、生地はオーガニックコットンを用いた国産デニムを使いました。こだわりの物作りを続けている工場さん、生地職人さんのご協力を得て、まさにジャパンメイドを誇れるデニムになったと思っています」。
藤原 裕 / ふじはら ゆたか
1977年高知県生まれ。原宿のヴィンテージショップ<ベルベルジン>ディレクター、ヴィンテージデニムアドバイザー。現在YouTubeで、ヴィンテージを紹介するチャンネル「ヴィンテージデニムアドバイザー 藤原裕CH」を更新中。@yuttan1977