連載コラム【音楽のある風景】 Vol.117

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2022.01.31 

グリーンレーベル リラクシングのBGMを選曲されている、選曲家の橋本徹さんより、コラム【音楽のある風景】が届きました。




どうぞお楽しみください!


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1月の選曲は、胸に刻まれた忘れられない思い出と共に。
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2021年の暮れに向けて、日本ではようやくコロナ禍も落ちつきを見せ始めたかな、と感じていたのも束の間、一転して先行きの見えない時代であることを痛感させられるニュースがとびかう中で迎えた2022年。
感染予防や体調管理に気をつけて、皆さんくれぐれもご自愛ください、という言葉しか浮かばない世の中ですが、それでも希望の光をもって、冬の街並みやそこに生きる人々の心象風景を少しでもハートウォームに彩ることができたらという気持ちで、僕は日々の選曲に励んでいます。

今月のコラムは、green label relaxingのショップBGMにもとても重宝している、昨年末クリスマス・イヴにリリースされた「usen for Cafe Apres-midi」の20周年記念コンピCD『音楽のある風景~ソー・リマインディング・ミー紹介シリーズ、その第3回という感じでお届けしましょう。
コンピレイションの静かなクライマックスとなっている、今なお世界的に熱い支持とリスペクトを受け、温かい讃辞の声がやまないNujabesトリビュート作、haruka nakamura「Reflection Eternal」についてです。

早いものでNujabesは、来月2/26でいわゆる十三回忌(12年目)を迎えます。
僕はHMVウェブサイトに掲載された発売記念スペシャル企画の「特別鼎談」でも話しましたが、このコンピCDのマスタリングの際にスタジオで目を閉じてharuka nakamuraの「Reflection Eternal」を聴いているとき、Nujabesの魂とその志を継ぐ残された者の思いが心の深いところまで響いてくるようで、思わず感涙してしまいました。

この曲の初出となる、やはり昨年12月にCDリリースされたharuka nakamuraのアルバム『Nujabes PRAY Reflections』は、2/26(命日)にアナログ盤LPもリリースされる予定なのですが、僕はその特典ブックレットにも文章を寄せています(それが僕の2022年の仕事始めでした)。

そこには、2年前にこのコラムでもいきさつやその思いを書きました、「没後10年の日に渋谷のスクランブル交差点で息子の音楽を流して、たくさんの皆さんに聴いていただきたい」というNujabesのお母さんの願いをかなえるためクリエイティヴ・ディレクターを務めた、大型ヴィジョン6面を使って流した追悼映像「Pray for Nujabes」のエピソードも著しています。
言葉にならない感情がこみ上げたあの日、僕はharuka nakamuraと隣りに並んで、その映像を一緒に観ていました。
そして今回の彼からの原稿依頼のメッセージには、「このトリビュート・アルバムはあのスクランブル交差点の日から始まったように思います」という一文が添えられていたのです。

僕は彼やUyama Hirotoと、Nujabesの家でバーベキューをしたり、花火を観たり、音楽を奏でたり、夕暮れに近くの由比ヶ浜の海辺を歩いたりした情景がよみがえりました。
「Reflection Eternal」のケニー・ランキン"You are flower, You are river, You are rainbow"や、「After Hanabi」のダイナ・ワシントン"Listen to my plea, Listen willow weep"といった、懐かしくも甘美なヴォイス・サンプルが脳裏にこだまする、胸に刻まれた忘れられない思い出です。

haruka nakamuraの『Nujabes PRAY Reflections』は、そんな僕らの思い出を、残された者の日常と心の在りかを、淡く穏やかな光のように安らかに、新しい旅へと進めてくれます。
慈しむようなリリカルで美しいピアノ、メロウでスピリチュアルな音の流れ、時の移ろいや胸の震えを映す祈りにも似た調べに、身も心も浸してみてください。


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USENの音楽放送チャンネルの中でも指折りの人気を誇る「usen for Cafe Apres-midi」の20周年を記念して、橋本徹さんを始めとする17人の選曲家が、「街の音楽を美しくしたい」というそれぞれの思いが詰まった「この1曲」をセレクトし、現在進行形カフェ・アプレミディ・クラシックにして永遠の名作が贅沢に収録され2021年のクリスマス・イヴにリリースされた、haruka nakamuraによるNujabesトリビュート曲「Reflection Eternal」も含む橋本徹さん監修プロデュースの素敵なコンピレイション『音楽のある風景~ソー・リマインディング・ミー(music with a view ~ so reminding me)』

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生前のNujabesと親交が深く、名曲「Lamp」を始めコラボレイション作も人気の高い日本の音楽家haruka nakamuraが、かつてNujabesが主宰したHydeout Productionsに依頼され、「Nujabesが紡いだ旋律をたどり、祈りにも似たharuka nakamuraのピアノやギターが物語の続きを奏でる」というコンセプトで完成させた、両者の美しい音楽の結晶のようなトリビュート・アルバム『Nujabes PRAY Reflections』


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橋本徹 (SUBURBIA)

編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは350枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。

http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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