¥19,800(税込)
車いすを利用する方にとってパンツの着脱は、脚を通したり腰を浮かせたり、身体にストレスのかかりやすいアクションです。
そこで私たちは、車いすに座ったままでも快適に着用できるパンツを作りました。一見するときれいなスラックスのようなのパンツですが、サイドのシームが前方に位置し、そのシームに沿ってウエスト部分から2本のZIPがついています。ZIPを開けると脚を通す開口部が広くなり、座ったままでも楽に脚を通すことができます。その後、お尻の下に生地を滑らせてZIPを閉めればはくことができ、腰を浮かす手間を軽減することができました。
※動画はサンプルカラーです
開発の起点になった菊池亮さんは難治性てんかんによる四肢機能障害があり、やはりパンツの着脱には長年悩んでいました。それに加えてジャストフィットなサイズがないのもお悩みでした。お母さまは語ります。「彼は体型が細くて長いんですよ。そうすると、フィット感のあるパンツが見つからないんです」。そこで、今回のパンツにはさまざまなアイデアが盛り込まれました。通常のパンツだと、はいた時に後ろ側のベルトが下がり背中がのぞいてしまうことがありますが、このパンツは後ろの股上を深く設計しているので座った状態でも後ろ側のベルトが下がりにくくなっています。後ろ側のベルトの内側に滑り止めが付いているので、中に着たシャツなども出にくくなっています。また、座った状態で前側の裾が短くならないように裾の前後の長さを変えています。
シームのもも部分には隠しポケットがついており、車いすに座っていてもポケットに入れている小物を快適に取り出すことができます。「自走式車いすの人が鍵などを入れやすくするポケットが前についていて、これも便利なんです。車いすの方はウエストポーチをする方が多いんですけど、色々取り出すのが大変なこともある。このポケットがあるだけですーっと出せて便利だと思います。ファスナーも前にあるので着せるのもすごく楽。インナーを中に入れるのも、楽ですね」。
「うちの娘の旦那さんもはいたら『これ楽でいいな』『欲しいな』と。どなたも、カジュアルでもビジネスシーンではきたくなる一枚ですね」。と言うお母さまの言葉通り、誰でも、きれいめなファッションを楽しむことができ、ファッションをあらゆる人に解放するボトムスです。
難治性てんかんによる四肢機能障害を抱える菊池亮さんのニーズで誕生したこのパンツには、なんと後ろ中心の縫い目がありません。
「寝たきりの方にとっては、衣服の縫い目さえ床ずれの一因になってしまいます。また、おむつ着用時を考えると、ヒップ部分には一定のボリュームも必要です。それらのポイントをクリアしつつも、健常者がはいてもきれいなシルエットを作るには、パターンメーキングにかなり工夫が必要でした」(企画担当者)。
車いすでの生活スタイルに合わせて、座った姿勢でのシルエットや利便性も追求しています。座位のときに最もきれいなシルエットが出るよう、裾をやや前下がりにしているほか、ポケットも座ったときに使いやすい脇ポケットを採用しています。
(引用:ヒトとモノとウツワ)
http://taisetsu.united-arrows.co.jp/5302/