
パリ発のシューズブランド
〈ソロヴィエール(SOLOVIÈRE)〉靴づくりに込めた思い
パリの左岸にアトリエを構える〈ソロヴィエール〉。デザイナーのアレクシア・オベールは〈クリスチアン ルブタン〉などで経験を積み、フットウェアのスペシャリストとして世界中で活躍。2014年、パリにて自身のシューズブランドを立ち上げました。そんな彼女のアトリエで、ブランドのことやユナイテッドアローズで展開している靴のことなどを、お話しいただきました。
Photo : Shunya Arai Text : Mami Okamoto

洗練されたモダンなカジュアルシューズ
メンズ、レディース、さらにはキッズ向けの商品も展開する〈ソロヴィエール〉。その魅力は、フランスらしい洗練されたデザインとイタリアの技術を組み合わせた高いクオリティ、ナチュラルで柔らかな質感の素材使いにあります。ユナイテッドアローズでは、彼女が手がける靴を取り扱っています。
まずは〈ソロヴィエール〉というブランドについて教えてください。
〈ソロヴィエール〉というブランド名は、私の祖父の名前です。私がデザインを考えるとき、その原点はメンズシューズなのです。ベーシックなメンズシューズを新しいシルエットにすること。それが〈ソロヴィエール〉の基本で、レディースをデザインするときにも色濃く反映されますね。洗練された上品なデザインというのは、ユニセックスなデザインにつながるような感じがします。男性女性問わず、トレンドを気にしないような、さりげないおしゃれを楽しめる人にさらっと履いてもらいたいと思っています。フィロソフィーはエレガントであること。長く履けるタイムレスな靴をデザインしています。
シューズデザイナーを目指したきっかけは?
子どもの頃からシューズデザイナーになるって決めていたんです。とにかく靴が好きだったんですね。だから、必然的に若い頃から靴のデザインを学ぶ選択をしました。そしてこうして自分のブランドを立ち上げたんです。夢が叶ったというより、予定どおりですよ(笑)。

パリの左岸に住む知的な男性をイメージ
2018AWコレクションのテーマを教えてください。
寒い冬、パリの小径を散歩している男性をイメージしたコレクションを展開しています。仕上がりは全体的にカジュアルでありながらシック。パリの長く寒い冬を少しでも楽しめるような、暖かくて丈夫な生地を多く採用しています。ツイードや、カーフスエードなど。リヴ・ゴーシュ(パリの左岸)に住んでいる知的で哲学的なパリジャンというか、裕福だけどひけらかさない、ちょっとアーティスティックな男性像です。そんな大人の男性が普段使いできる、カジュアルスタイルにもスーツにも合わせられるような靴がメインです。

今回ユナイテッドアローズで扱っているアイテムについて教えてください。
カーフスエードのブーツタイプは、まさに〈ソロヴィエール〉のモダンなクラシックを表現した感じ。ブリティッシュブルーと呼ばれる美しい色合いが特徴です。イタリアの技術を使ったハンドメイドでありながら、カジュアルなクリーパーズソールを採用しています。そのミックス感が特徴ですね。いわゆるマウンテンブーツとは違った柔らかい印象になっています。

スニーカーはユニセックスで展開しているものです。一枚革を使ったシームレスデザインと厚めのチャンキーソールが特徴で、クリーンかつミニマムな仕上がり。カラーリングと素材使いで大人に似合う上品な遊び心を感じさせ、昼はカジュアルに、夜はドレスアップスタイルにも合わせられるようなデザインにしています。


シンプルにさりげなく履いてほしい。
どんな風にコーディネートするのがおすすめでしょうか。
シンプルに合わせてほしいですね。お父さんから譲り受けた上質なトレンチコートやカシミヤのニットをさらりと着こなすパリジャンのように、きれいめなスタイルに合わせてほしい。もしくは細身のジーンズに白シャツなど。シンプルななかにも、そのひとの個性が出るスタイリングで合わせてもらいたいですね。合わせるソックスは、基本は白がいいと思います。スエード素材なら柄物で遊びを入れるのもいいでしょう。スニーカーの色や素材によって、ネイビーやブラウンなどちょっと野暮ったいウールのソックスもいいかもしれませんね。

フランスの洗練とイタリアの技術を融合させるという哲学。
今後、どんな靴を展開する予定ですか。
長く履けるタイムレスな靴をデザインしていますから、そんなに変わったことは考えていません。フランスらしいデザインとイタリアの技術、ハンドメイドで丁寧にものづくりを続けていくことですね。先ほど言ったように、靴を作ることは子どもの頃から決まっていたことで、私の使命なんです。