自分らしいトラッドスタイル。

一言でスーツと言っても生地やディテール、仕立てによってそのキャラクターはさまざまだ。それを知ることでおしゃれは一層楽しくなる。ひとつのスーツでもいくつかの顔をつくることもできる。洋服のルーツを大切にしながら、大阪メンズストアの矢嶋が一着のシアサッカースーツを着まわします。

Trad Style by GOTA YAJIMA
UNITED ARROWS OSAKA MENS STORE

Trad Style by GOTA YAJIMA
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「着なきゃいけないスーツではなく、自分がかっこいいと思うから着たいという考え方で最近スーツ熱が再燃してきています」と話す大阪メンズストアの矢嶋。

春夏の定番生地で毎年着たくなるのがシアサッカーのスーツ。歴史も深いのでスタイリングのヒントも豊富。ペイズリータイやベルジャンシューズで少しひねりを入れてみました。

Tシャツやサンダルを合わせて夏のシアサッカースーツスタイルを。リゾート感がありながらも、時計やウォレットチェーン、ベルトやサンダルの選び方で都会的な着こなしに。

ジャケットだけを使ったアメリカントラッドスタイル。マドラスチェックやニットタイはシアサッカーに相性がいい。さらに軽快さを出すなら足元はローファーでもいいですね。

チルデンニットにベージュのチノ、そしてコンバース。ボタンダウンシャツが王道ですが、バンドカラーで。今っぽくチルデン着るなら、というお気に入りの合わせ方です。

ジーンズにスウェットシャツという“ザ・アメリカンカジュアル”な合わせ。シアサッカーのジャケットを着て、スニーカーではなく革靴を履くことで自分らしくアレンジ。

ヨーロピアンなシアサッカースタイルを意識しました。80’sのフレンチラコステやフレンチヴィンテージのスカーフ、足元はビットローファーを。リラックス感と色っぽさですね。

生成りのニットに大判のシルクスカーフでスーツを使ったオフスタイルを。スカーフを差し込むことで印象をガラッと変えるのは先輩たちから学んだ技です。

シアサッカーのパンツに、チルデンニットとナイロンブルゾン。アメリカの学生的なイメージで。色合わせを丁寧にこだわることで洗練された大人の雰囲気になると思います。

シアサッカーのパンツを使ったトリコロールスタイル。柔らかいニットのダブルジャケットをカーディガンのように羽織り、足元も抜け感がでるビットミュールで。

プリントタイやビットローファーは装飾性がありながら軽快さも出すことができます。シャンブレーやデニムのシャツをスーツに合わせるのは改めて新鮮に感じる合わせ。

「普段、たとえば着まわしといった複数のコーディネートをお客様にご提案する時は、もう少し狭い枠組みの中でご提案させていただいていますが、今回はできる限りテイストも異なるスタイルを10個作ってみるために選んだのがシアサッカーのスーツです。上下セットでオーセンティックな着こなしから、ジャケットだけを着てパンツにはデニムを穿いたり、パンツだけを履いてそれにスニーカーやミュールを合わせてみたりと、季節感感じるシアサッカーのスーツを目一杯楽しんでみました。

確かに5年前に比べるとスーツスタイルの幅は広がったように感じます。スーツ自体の素材や形などのバリエーションも豊かになりましたし、それにネクタイを締めないスーツの着方はもちろんのこと、それこそ好きなバンドのTシャツや美術館で購入したスーベニアTシャツを合わせるなど、スーツを着崩すスタイルもよく街中で見かけるように。『スーツは休みの日に着ない服』と考えるのではなく、色々なシーンに寄り添うのがスーツの持つ魅力だと私は思っているので……。カジュアルな格好をしたいときのスーツ、食事に行く時に適したスーツ。こうした振り幅に加え、男性が一番かっこよく見える洋服ですからね。

私がスーツを着る時に気をつけていることとすれば、『どこまで“外さず”に自分らしく装うことができるか』です。今回の10通りのスーツスタイルもトラッドであったり、クラシックだったりとか洋服のルーツをリスペクトしつつも、自分らしさや今年の気分を取り入れてアップデートをしています。どちらか一方だけになると、どこか“古臭さ”があったり、“なんでもあり”の装いになってしまい品がなくなってしまう。それはやっぱりかっこよくないと個人的に思っています。そのバランス感が分からない、という場合はぜひお近くのユナイテッドアローズの店舗へ足を運んでいただけたらと思います。私たちが最も得意とするところなので、自信を持ってご提案させていただきます」