ドレスとコート。
『UA流ドレスアップ。』から吐息は白く寒空へ。スーツやジャケットの上に何を着よう?ということでコート編をお届けします。今回7LOOKを紹介するのはPRの藤原和広。ユナイテッドアローズ社内からも「スタイリングのこだわりが深い!」と一目置かれているスタッフです。そんな藤原が紹介する2021年冬のドレスとコート“スタイル”。
Dress Winter by Kazuhiro Fujiwara
UNITED ARROWS Men’s PR

Dress Winter by Kazuhiro Fujiwara
UNITED ARROWS Men’s PR
「寒さが一層厳しくなりはじめる季節になりました。スーツやジャケットの上に、今年はどんなコートを着ようかと考えている方もいらっしゃると思います。ドレススタイルでは定番のチェスターフィールドコートやステンカラーコート。さらにアルスターコートや、ドレスダウンにおすすめしたいベルテッドコートまで、今年のムードを取り入れた着こなしを紹介したいと思います。ご自身のワードローブに合う色や、好きなテイストに合わせて選ぶもよし。このコートかっこいいで選ぶのもよし。お気に入りのコートが見つかれば冬の寒さも忘れてしまうほどに外へ出るのが楽しくなるはず。あなたらしい一着を。ぜひご参考ください」
ベーシックな中に、モダンさを詰め込んだ
ネイビーのチェスターフィールドコートスタイル

まずはドレススタイルに合わせる定番アウターのチェスターフィールドコートからはじめましょう。こちらのコートにはカシミヤを含んだ生地を使用しています。とても滑らかで高級感のある上品な見た目。さらにフロントは比翼仕立ての仕様で、前を締めるとボタンが隠れるのでミニマルな表情でドレッシーさが引き立ちます。一見ベーシックなデザインですが、“今”ならではのアップデートも随所に施しています。例えば肩先に丸みを持たせることでまさに肩肘を張らない、ナチュラルな雰囲気を。また狭すぎず、広すぎない中庸的なラペル幅ですが、きざみをやや浅くしていたりとモダンな印象を細かく計算して生みだしたデザインになっています。


「このコートを合わせたのは、ネイビーストライプの3つボタンのスーツです。3つボタンと聞くと“クラシック”な印象をもつかもしれませんが、細かな柄のストライプタイを選んだり、ネクタイのノットが小さくなるようにタブカラーのシャツを用いたりしながらモダンな印象を意識しました。

<ユナイテッドアローズ>のコート¥93,500、スーツ¥74,800、タイ¥13,200、シューズ¥35,200、<ソブリン>のシャツ¥19,800、<ジョシュア エリス>のマフラー¥62,700
カジュアルなディテールを取り入れた
チェスターフィールドコートスタイル

同じチェスターフィールドコートでも、LOOK1のものに比べると、ややドレスダウンさせたデザインのものがこちらになります。ネクタイをしないビジネススタイルも一般的になりつつありますので、もっとも着回しやすいコートのひとつと言えるかもしれません。
特徴は、胸ポケットをなくしたり、ラペルの端にもステッチを入れていなかったり、さらに腰ポケットも縦型にしたりと、各所のディテールをシンプルにすっきりとさせている点です。きちんと見えしつつも、重くなりすぎない軽快さを合わせもっています。


ブラックスーツにもこのコートの上品なグレーが非常に相性がよいと思います。グレートーンでまとめた時の潔さに対して、中に黒が入ることでギュッとしまりスマートな印象になります。シャツはマイクロチェック柄、ネクタイは微起毛の生地、そして、靴は紐靴ではなくローファーです。程よくカジュアルな要素を取り入れた、硬くなりすぎないスタイルがお好みの場合はこちらのコートはぴったりです。

<ユナイテッドアローズ>のコート¥51,700、スーツ¥90,200、シャツ¥15,400、<フラテッリ ルイージ>のネクタイ¥17,600、<ベグ アンド コー>のマフラー¥49,500、<フラテッリ ジャコメッティ>のシューズ¥107,800
リラックスとエレガントが共存する
シングルベルテッドコートスタイル

オーセンティックな柄をモダンに表現したコートです。まるでガウンのように優雅に着られるベルテッドコートに色気を感じるのは私だけでしょうか?このコートは襟越しを高くし、ラペルを大きめにしているので、エレガントさだけでなく男らしい迫力のある一着になっています。ベルトを縛ると、ウエストから裾に向かってきれいなドレープが生まれますし、縛らずに着れば、コートのたっぷりとしたボリュームに包まれ優雅に着こなすこともできます。


もっとカジュアルに着こなすならきれいな色のニットなどを合わせるのも様になりますが、今回はジャケットスタイルで合わせてみたので、色数はぐっと絞り、ブラックとグレーでシックにまとめてみました。ざっくりとした編み地のニットジャケットとモックネックセーターを合わせるような、リラックス感のある上品なドレスダウンスタイルには、こんなコートがおすすめです。

<ソブリン>のコート¥176,000(※11月中旬発売予定)、<ユナイテッドアローズ>のジャケット¥37,400、セーター¥16,500、トラウザーズ¥24,200、シューズ¥42,900、<ベグ アンド コー>のストール¥64,900
ベージュとブラウンの合わせが新鮮な
ステンカラーコートスタイル

寒い冬のなかにも映える、とてもキレイなベージュの色味が気分を上げてくれるステンカラーのコートです。素材はコットンとポリエステルを使用しており着心地も軽く、撥水性も備わっているので雨や雪の日でも心配なく着用いただける安心感もあります。コートの内側には取り外しができるライナーが付いているので、季節が変わればスプリングコートとしても活用いただけます。


イエローのシャツやブラウンチェックのネクタイなど全体を暖色系でまとめています。グレーやネイビーとはまた違った、温かみのあるドレススタイルはブラウンスーツならではで、コートも自ずと暖色系を合わせたくなります。少し明るめのベージュがスーツとの美しいコントラストを生み、軽快で新鮮なスタイルに。足元に黒を持ってくることで全体の印象を引き締め、あくまで都会的に仕上げたところがポイントです。

<ユナイテッドアローズ>のコート¥39,600、スーツ¥90,200、シューズ¥24,200、<エリコ フォルミコラ>のシャツ¥25,300、<ホリデー&ブラウン>のネクタイ¥17,600、<ジョシュア エリス>のマフラー¥37,400
アクティブなシーンで活躍する
軽快なコートスタイル

全体をグレーのトーンにまとめながら、マフラーには発色のいい色をアクセントに。わたしなりのブリティッシュモダンを表現した若々しさ溢れるスタイリングです。グレンチェック柄のショート丈のコートですが、実はリバーシブル仕様になっています。今表面にしているチェック柄の生地はスレに強い、タフな素材を使っているためアクティブな日でも安心して着ていただけます。また裏面は撥水性のあるキルティングになっていますので、突然雨が降ってきたら裏返して着てしまうということもできます。


着用しているセットアップは、グレーのジャージ素材のものです。きちんとした見た目であるものの、実はかなり楽チンなスタイルです。マフラーは遊びを利かすターコイズブルーか、上品にまとめるベージュで悩みましたが、ダークトーンになりがちな冬景色の中にすこし色を足して楽しんでいただきたいという気持ちを込めてターコイズブルーを選びました。

<ユナイテッドアローズ>のコート¥49,500、ジャケット¥46,200、セーター¥18,700、トラウザーズ¥18,700、<ジョンストンズ>のマフラー¥24,200、<クロケット&ジョーンズ>のブーツ¥93,500
ドレスダウンにおすすめな
ダブルブレステッドのコートスタイル

30年代のヴィンテージをベースにしたダブルブレステッドのコート。ダブルのコートと聞くとどこか硬い印象があると思いますが、このコートは肩先に丸みを持たせたナチュラルさや、襟の角度にもこだわりデザインされていて、程よく力の抜けた印象があります。また、ボタン位置をやや高めに設定して目線を上に持っていくことで、どこか色気さえも感じるコートになっています。このコートの楽しみかたは、ボタンの留め方にあります。上だけで留めたり、下だけで留めたり、また留めなかったりと、さまざまな異なった雰囲気で楽しんでいただけます。



コーディネートのポイントはスカーフ使いです。ジャケットパンツスタイルにニットを合わせたドレスダウンスタイルですが、カジュアルになりすぎないように首元のアクセントとしてスカーフを加えています。足元にもベルテッドのスリッポンを合わせてちょっと癖のあるスタイリングにしてみました。いかがでしょう。4Bダブルのコートを着てみたくなりませんか?

<ユナイテッドアローズ>のコート¥90,200、ジャケット¥51,700、セーター¥24,200、トラウザーズ¥18,700、<ディマリア クラバッテ>のスカーフ¥16,500、<グイド>のシューズ¥36,300
装いに貫禄を与えてくれる
アルスターコートスタイル

ロロピアーナの上質なカシミヤを使用しており、生地の表面に見られる特有の畝が奥行きのある表情をつくりだし、贅沢さを象徴します。着るだけで背筋が伸びるクラス感のあるアルスターコートです。ターンナップカフやバックベルトなどアルスターコートらしいディテールも健在。スーツスタイルに貫禄が生まれ、クラシックの良さが感じられる一着です。



こんなコートを羽織るときは、コーディネートもモノのよさが引き立つように、とにかく潔よくシンプルに。スーツやネクタイ、マフラーから手袋まで色数を絞ったブルーのワントーンコーディネートにしました。

<ソブリン>のコート¥440,000、スーツ¥220,000、シャツ¥33,000、<ユナイテッドアローズ>のネクタイ¥13,200、シューズ¥35,200、<マリオ ポルトラーノ>のグローブ¥27,500、<ベグ アンド コー>のマフラー¥49,500
Profile
藤原 和広
ユナイテッドアローズ メンズプレス。2005年に入社し、店舗ではドレスを担当。2018年に現職に就く。ユナイテッドアローズ社内からも「スタイリングのこだわりが深い!」と一目置かれているスタッフ。3児の父親でもある。