スタイリスト飯島朋子さんに聞く、靴の話

INTERVIEW

スタイリスト飯島朋子さんに聞く、靴の話

ODETTE É ODILE設立初期に5年ほどカタログを手掛けていたご縁があり、
自身も無類のシューズ・ラバーの人気スタイリスト飯島朋子さんにインタビュー。
この秋のおすすめアイテムはもちろんのこと、女性の着こなしにおける
靴の役割や買い物の極意などを聞いた。

↓

まず、飯島さんは靴がものすごく好きですよね?

黒い靴ばかり、200足は持っています。家に6段のシュークローゼットが4つ。ヒールは1足だけで、後はすべてフラットシューズ。気がつけば、20代からずっと集めているかも。スタイリングを組むときも靴から始めるくらい、私にとってはとても重要なアイテムです。

なぜ、重要だと思いますか?

個人的な意見ですが、足元が重い着こなしのバランスが好きなんです。重ければ、重いほどいい。太いヒールや重厚な色を選ぶことが多いし、モデルに華奢なメリージェーンを履かせるときはモヘアのソックスを合わせて、なんとかボリュームを出そうとするかな。あとは、トラッドやプレッピーなど、靴の重要性がとても高いスタイリングを求められることも多いから、自ずとそうなったのかも知れません。歴史上の女性がテーマになった時は、例えば、エディット・ピアフなら絶対にヒールを履くだろうとか、すごく足が小さいからメリージェーンを選んでるとか、資料と自分の中のイメージを掛け合わせて解釈します。アメリア・イアハートなら宇宙飛行士という職業柄、必ずブーツにフライトパンツを合わせるとか。女性の仕事やそれに付随する動きによって、靴を考えることもありますね。

設立当初から、ODETTE É ODILEのカタログも作ってくださっていました。

これまではフェミニンなデザインが多く、会社勤めの方が履くイメージがありました。今回のリニューアルで、快適な履き心地やクラシックなムードは残しつつですが、随分と変わった印象を受けました。定番のローファーも木型が変わりましたね。私、いつも靴はまず、靴底を見るんですよ。どんなに可愛くても履いて痛かったら意味がないけれど、ODETTE É ODILEは日本人の足に合ったものばかりです。

スタイリスト飯島朋子さんに聞く、靴の話
  • (上から)Pumps (VAGABOND) ¥29,150 8月下旬入荷予定
  • Mules ¥25,300 >BUY
  • Pumps ¥22,000 >BUY

この秋のトレンドを意識して、今の気分にぴったりの3足を選ぶとしたら、どれがおすすめですか?

この3足です。メリージェーン2足とサンダル、どれもポインテッドトゥ。この秋は「ニュークラシック」がテーマです。ワイドパンツの裾やマキシ丈スカートの先からちょっとつま先が見えるのがいいかな。上から自分の足元を見た時も、ちょっと新鮮だと思う。ブーツやヒール靴も本当に増えましたね。久しぶりにヒールに戻したいという人にはボリュームヒールがおすすめ。定番のローファーは、スポーツソックスを合わせるのがいいですよ。

スタイリスト飯島朋子さんに聞く、靴の話
  • (左)Pumps (VAGABOND) ¥29,150 8月下旬入荷予定
  • (右)Mules ¥25,300 >BUY

靴のお買い物の極意をお聞かせください。

まずはやっぱり、自分の足に合っているかどうかを見る。履き心地はなにより大切です。後はもう、その時々の気分で好きな服を着て、好きな靴を選んでほしい。そういう時代にならないと。自分っぽくないから買わないのではなく、買ってみたらすごく履いちゃってる!くらいがいいのかなと。だから、意外と店員さんに勧められたものをそのまま買ってみるのもありです。靴って洋服と違って、欲しいものがいつもあるわけじゃない。サイズとデザインと木型。この3つが揃ったら、それは出合いだから。ここで買っとかないともう2度と出合えないかもしれないと思って、私は買います(笑)。