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Masanao Hirayama
Artist
スタンスミス

Text Takuhito Kawashima
Photographs Reiko Toyama


Published April 30, 2021

Text Takuhito Kawashima
Photographs Reiko Toyama

Published April 30, 2021

時に画用紙にボールペンやマーカーで。またある時にiPadで。特に難しい画材や素材を用いるわけではなく、身近なモノで身近なコトを作品にしていくアーティストの平山昌尚さん。これまでに東京や上海などで個展を開催するほか、スイスの出版社Nivesからは多数のアートブックを出版したり、またスペイン発のインテリア雑誌APARTAMENTOなどでも度々彼の作品がフィーチャーされ、多くの人の心を掴み、愛されている。なぜか? それは誰もが描けそうで描けない感じにあるのだろう。ユーモア溢れる視線で、ヒト・コト・モノを切り取り、シンプルな手法で記号化していく平山さんの作品は時代を超越する力がある。

Q&A with MASANAO HIRAYAMA

Q: 平山さんは昔から絵描きになりたかったんですか?

A: 幼稚園の文集には「将来画家になる」と書いていました。でも幼稚園だからあまり覚えていませんね。

Q: でも、そう書くということは、やっぱり絵を先生に褒められていたってことですよね?

A: 描くのは好きでした。だけども小学生になると夢がうどん屋になりました(笑)。

Q: うどんが好きだったんですね(笑)。

A: で、結局いまの職業になるんですよ。

Q: 現在のスタイルを確立前は上手に描いていたとか?

A: 美大に入るのに受験があるのでデッサンは勉強していました。だからその頃は描けていたんだと思います。でも、歳を重ねるにつれて、下手くそになってますよ。

Q: “上手”と“個性”というのはまた違う話ですよね?

A: どちらも大事ですよね。

Q: あえて下手に……。

A: “あえて”というよりは、自分はそんなに大した絵を描けないんだっていうことに早めに気付いてしまったんですよね。であればその逆じゃないですけど、みんなが描ける絵を描いちゃえばいいと気持ちが変わったんだと思います。

Q: 平山さんの友人であるアーティストの加賀美さんの言葉を借りると「ハチャメチャなのにクリーンであることが平山ワールド」と。

A: ありがとうございます。モダニズムを代表するドイツ建築家のミース・ファン・デル・ローエの言葉、「LESS IS MORE」(より少ないは、より豊かなこと)好きなんですけど、アメリカの建築家のロバート・ヴェンチューリの「LESS IS BORE」(より少ないは、より退屈なこと)も好きで。両方大事なんです。あ、建築の話になりましたが、二級建築士の免許持っています。目指していた時期があって。一度も建てたこと無いですが、もし興味ある人いらっしゃいましたらご連絡ください。

Q: とある海外誌で平山さんと一緒にお仕事をしたときに向こうのエディターから平山さんにセルフポートレートを描いて欲しいというリクエストがありました。そのリクエストに対する平山さんの答えが棒人間だったのが自分の中では、「まじか・・・」と。

A: いや色々考えはしたんですが、世の中に僕みたいな人がいてもいいなって思ったんです。他に上手い人はたくさんいますし。そんなに多くなくても、こういう絵にも少しは需要があるかなと。

Q: シンプルが故の時代にとらわれない作風。あのセルフポートレートはおそらくいつみても時代を感じないはずです。どこかスタンスミスと似ていますね。

A: 嬉しいですね。そういった意味では近いですかね。僕も好きですよ。

Q: 先ほど平山さんのクローゼットを拝見させていただきましたが、かなりモノを絞られていますよね。パーカーはチャンピオン、ポケットTシャツはキャンバーのヘビーウェイト。しかも両方とも霜降りのグレー。モノを絞れるきっかけになったのはどんなことでしたか?

A: あまり考えたことはなかったのですが、東京に出てきてからかもしれません。服を増やし過ぎてしまうと、部屋の使えるスペースが当然なくなってしまいます。なので今はこの衣装ケースに入るだけということにしています。今引っ越しを考えているのですが、部屋が大きくなれば服の量も変わってくるかもしれませんね。

Q: 物理的な部分もですが、おそらく平山さんの性格的な部分も関係してそうです。

A: 収まりが悪いと落ち着かないというか。引っ越してきたのは6年前ですが、今もその頃からほとんど変わっていません。段ボールに封をすれば、いますぐにでも出られます。

Q: キャンバーのタグに購入した月と年が書いてあるのも驚きでした。

A: 同じものばかりを購入するので、いつ購入したのかを分かるようにするために日付を入れはじめたのです。田舎に帰るとテレビの裏や置物の下に日付が入ってたりしますよね。なんかこれを書くだけで自然と愛着が湧くんです。おじいちゃん、おばあちゃんの知恵袋的な?

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