連載コラム【音楽のある風景】 Vol.99

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2020.07.31

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!


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7月の選曲は、かけがえのない幸福の瞬間と数々の思い出を胸に。
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いつになく梅雨が長引き、コロナ感染拡大の第2波もやってきてしまった7月。
いつもとは違う夏になりそうですが、green label relaxingやEMMEL REFINESのショップBGMも今週末からサマー選曲に衣替えです。
陽光きらめく限られた季節の歓びを少しでも感じられるように、街の音楽もできるだけ美しく心地よく、と願いながらセレクトしました。

こんなご時世ですので(僕の経営するカフェ・アプレミディも8月は土・日のみの営業となってしまいます)、直近で制作を依頼されているコンピレイションはありませんが、歳下の友人たちや音楽仲間から最近、盛んに『Free Soul Wedding』コンピ作ってくださいよ、と発破をかけられています。
というのも、私事ですが、ついに7/7の七夕の日に、結婚したのです(54年間好き勝手に生きてまいりましたので、支えてくださった皆さんには本当に感謝しかありません)。

その日は暦注が先負だったこともあり(午前は凶、午後は吉)、昼までは大掃除をして、正午になるのを待って、我が家のリヴィングルームで二人きりで指環を交換、そのときには僕が2007年に出したコンピ『Neo-Acoustic Love』のオープニングを飾るスタイル・カウンシル(ティーンエイジャーの頃に敬愛していたポール・ウェラーが80年代に結成していたグループ)の「Headstart For Happiness」を部屋に流しました。
僕にとって青春の一曲でもあり、"We’ve got a headstart for happiness. For our part, guess we must be blessed"と歌われるので、幸福への門出にふさわしいと思ったからです(コンピCDの帯には"僕らは幸せに向かって旅立ったのさ/きっと神の恵みがあるだろう"と訳詞が綴られています)。

そして僕の最新コンピで、妻のお気に入り曲もたくさん入ったカフェ・アプレミディ20周年記念盤『Cafe Apres-midi Bleu』をかけながら、簡単な昼食をとり、婚姻届を出しに世田谷区役所へ。
夜は近所のフレンチ・レストランでささやかなウェディング・ディナー、親密な時間に、僕の脳裏には2002年に作ったコンピ『MPS for Apres-midi Grand Cru』のオープニングに入れた、ジョニー・トイぺン「ハープとオーケストラのための協奏曲」の典雅な音色が鳴り響いていました。

携帯電話やSNSにたくさんのお祝いのメッセージをいただき感激しながら家に戻り、プレゼントしていただいた花を飾り、安らかな気持ちでおやすみの一枚に選んだのは、僕が2011年の七夕にリリースしたコンピ『Moonlight Serenade For Star-Crossed Lovers』。
あのときは織姫と彦星のことを考えて選曲したんだな、と思いだしながら、胸を焦がす切なくも優美な音の流れに身を委ね、眠りにつきました。

さて、本当に『Free Soul Wedding』を作ることになったら、どんなセレクションになるのかな、と夢想しながら、こんな感じでこの日のことをときどき思い浮かべたりしている今日この頃。
かけがえのない「音楽のある風景」をこれからも、と早く(以前と同じではないにしても)穏やかな日常が戻ることを祈りつつ、今月は個人的な話で失礼しました!


スタイル・カウンシルの名曲を筆頭に、"ベスト・オブ・ネオアコ"というコンセプトで、フォーク〜ボサノヴァ〜ジャズ〜ソウル〜ラテンなどの影響を受けた80年代イギリスのアコースティック・ポップスを集大成した三部作の中の一枚、橋本徹さんが選曲したコンピCD『Neo-Acoustic Love ~ Headstart For Happiness』



数多くの人気コンピレイションを手がけてきた橋本徹さんのディスコグラフィーの中でも、"Free Soul"と並んで圧倒的なセールスを誇り、2000年代のカフェ・シーンの隆盛はもちろん現在もなお空間BGM〜リスニング・カルチャーに大きな影響を与え続けている、"午後のコーヒー的なシアワセ"を讃える"Cafe Apres-midi"シリーズ、その20周年記念盤にしてカフェ・ミュージックを再定義する最新作としてリリースされたコンピCD『Cafe Apres-midi Bleu』


ドイツの名門ジャズ・レーベルMPSの名作群から、優雅なリヴィング/ダイニングで美しく心地よく響く上質なサロン・ミュージック、という観点で橋本徹さんが選りすぐった、ハイセンスでソフィスティケイトされた絶品が連なるコンピCD『MPS for Apres-midi Grand Cru』


すべてのロマンティストに捧ぐ「星空で拾った音楽」というテーマで、月と星と夜空に思いを馳せる切ない恋人たちの心象風景を描いた珠玉の名作を、ジャズ・ヴォーカルの至宝を中心にセレクトした、橋本徹さん選曲のコンピCD『Moonlight Serenade For Star-Crossed Lovers』



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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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