連載コラム【音楽のある風景】 Vol.103

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2020.11.30

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!

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11月の選曲は、ブラジル・ミナスから吹いてきた心地よい風のような詩情香る瑞々しさに魅せられて。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

世界中が経験したことのない苦難・困難に見舞われた2020年も、冬の訪れと共に残すところ、あとひと月となりました。
個人的には、コロナ禍によってアーティストもリスナーも音楽と向き合う時間が増えたからか、新譜のリリースを楽しむという点では、例年以上に充実していたことが救いでしたね。

先週末には、僕がプロデューサーのアプレミディ・レコーズの単体アーティスト新作として、2か月前の配信タイミングから絶賛の言葉がやまず、「ブラジル・ミナス音楽の2020年No.1アルバム」という呼び声も高い男性シンガー・ソングライター、マルコス・ルファート(Marcos Ruffato)のファースト・アルバムのフィジカル化となる日本盤CD『Vata』がリリースされました。
「音楽家は静寂のスタイリスト」と語る彼らしい(インド哲学にも造詣が深く、心理学者としての顔も持っています)、たおやかで叙情あふれる歌心、ナチュラルな響きが美しい彩り豊かなアンサンブル、多彩なハーモニーとリズムを瑞々しく昇華したメロディー/アレンジ/演奏/録音のすべてが素晴らしい、ミナスジェライスの新しい才能が生んだ現代ブラジル音楽の金字塔的名作です。

タイトルの"ヴァータ"はインドの伝統的医学の考え方「アーユル・ヴェーダ」における"風/空"を意味していて、その素晴らしさは、ゲスト参加しているあの名匠トニーニョ・オルタも、興奮気味に「『Vata』というアルバムを通じてマルコス・ルファートの音楽を聴いたとき、私は山と海が出会う場所にいるような感覚になりました。彼の豊かなメロディーは現実と夢の間を漂っています。(中略)船を支える木のように正確なギターに乗る君の声は、まるで森の中の小鳥のさえずりのようです」といった言葉で最大級の讃辞を寄せているほど。

まずはアルバムのオープニングを飾る名曲、瑞々しいとしか言いようのない詩情あふれる「O Azul」に耳を傾けてみてください。
21世紀版クルビ・ダ・エスキーナ(街角クラブ)と形容したくなる豊かな音像に、三姉妹ヴォーカル・トリオのアマラントのコーラスや、名手クリストヴァォン・バストスのピアノも美しくて、カルロス・アギーレを始めとするアルゼンチンのネオ・フォルクローレ勢にも通じるその心地よさに、身も心も奪われてしまうはずです。


トニーニョ・オルタも最大級の讃辞を寄せ、ミナスから登場した現代ブラジル音楽を代表する新しい才能と絶賛される男性シンガー・ソングライターの、たおやかで美しく瑞々しい詩情あふれるファースト・アルバムとなる、橋本徹さんプロデュースのアプレミディ・レコーズから日本盤CD化されたマルコス・ルファートの『Vata』

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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