連載コラム【音楽のある風景】 Vol.105

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2021.01.31

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!

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1月の選曲は、"音楽のある場所へ"と思い募らせ「午後のコーヒー的なシアワセ」をあらためて。
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新しい年が始まりました。
2021年もよろしくお願いいたします。
とはいっても、コロナをめぐる状況はまだ一向に出口を見出せそうもなく、僕は今年もただ粛々と選曲に励んでいこう、という心構えでいます。

カフェ・アプレミディも国や都の要請に応じて休業および時短営業を余儀なくされて、最近は"場"があることの重要性やありがたさを痛感する日々でしたが、そんな折にマガジンハウスが発行する雑誌「BRUTUS」のタイムリーな特集企画「DRINK& MUSIC~音楽のある場所へ」で、インタヴュー取材を受けました。
詳しくは記事を読んでいただけたらと思いますが、そのときにカフェ・アプレミディのオープン当初(1999年)に店でよく流れていた音楽として、レコードを5枚選んでコメントしましたので、今月のこのコラムは、字数の関係で簡潔にまとめられた「BRUTUS」のそのキャプションの拡大版という感じでお届けしましょう(当時はDJのように1曲ずつかけるのではなく、アルバム片面通して丁寧にかけるのが、リスニング・スタイルとして新鮮に響きました)。


・Cartola『Verde Que Te Quero Rosa』
午後0時。淡い色合いのグリーン&ピンクのカップ&ソーサーでコーヒーを飲みながら、人生を音楽に捧げたサンビスタの大らかで滋味にあふれた歌声を聴くのが、"Man In Cafe"の「午後のコーヒー的なシアワセ」。

・Carole King『Music』
午後3時。"Music is playing inside my head, over and over and over again"と歌いだされる、柔らかな陽の光が射しこむ心地よく晴れた昼下がりのまどろみの音楽。どんなときも優しくマイルドに響き、安らぎと清々しさを感じさせてくれるチェット・ベイカーも、もちろん互換可。

・Kenny Rankin『Silver Morning』
午後6時。カフェのウィンドウ越しに通りを行き交う人々を眺めていると、夕暮れの街並みに溶けだす午後の心象風景。そんな気分に流れだす柔らかなリズムとメロディーは「Haven’t We Met?」。ジャケットでニューヨーク5番街にテーブルを出して、赤ワインを注ぎながら語らうフィフス・アヴェニュー・バンドも互換可。

・Georgie Fame『Rhythm And Blues At The Flamingo』
午後9時。グラスの音や笑い声、グルーヴィーな熱気とくつろいだ雰囲気、音楽のある場所(酒場)の理想。60年代リオのナイトクラブの洒落た光景が浮かぶボサ・ジャズの名作や、華やいだホーンやパーカッションに彩られたラテン・ジャズの名盤も、互換可。

・Caetano Veloso『Caetano Veloso』
午前0時。真夜中の空気を震わせる歌とギター、そして口笛に、夜が静かに更けていくカフェのアフター・アワーズも美しいサウダージに染まる。もちろんボサノヴァの神様、ジョアン・ジルベルトも互換可。お客様がたくさん残っているときは、カチア(Catia)の『Saudade de Paris』を。


僕自身も久しぶりにこの5枚に針を落として、冬休みに懐かしく聴きました。
そして、このかけがえのない空気感が、開店翌年(2000年)の夏にスタートして大ヒット&ロングセラーとなった、『Cafe Apres-midi』コンピレイション・シリーズに結実し、"カフェ・ミュージック"という言葉が一世を風靡するのです。
僕自身もその呪縛(?)から10年近く逃れられなかったほどの大人気・大ブームとなったのですが、その記念すべきコンピCDの第1弾となった『Cafe Apres-midi Fume』のジャケットは、この春夏シーズンにUNITED ARROWSとカフェ・アプレミディのコラボレイション・プロジェクトで登場するTシャツにプリントされますので、ぜひ楽しみにお待ちいただき、暖かくなったら身につけて「午後のコーヒー的なシアワセ」を感じていただけたら嬉しいです。


「午後のコーヒー的なシアワセ」を讃えるカフェ・ミュージックの決定版シリーズの幕開きとして2000年夏にリリースされ、3万枚以上のセールスを記録する大ヒットとなり、当時のカフェ・ブームの隆盛やその後のBGMカルチャーにも多大な影響を与えた、この春プリントTシャツにもなる橋本徹さん選曲の記念すべき珠玉のコンピレイション『Cafe Apres-midi Fume』


1999年カフェ・アプレミディ開店当初の店内BGMを彩った、カルトーラ/キャロル・キング/ケニー・ランキン/ジョージー・フェイム/カエターノ・ヴェローゾの名盤を左から、Cartola『Verde Que Te Quero Rosa』、Carole King『Music』、Kenny Rankin『Silver Morning』、Georgie Fame『Rhythm
And Blues At The Flamingo』、Caetano Veloso『Caetano Veloso』

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは340枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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