STEVEN ALAN

EVENT:THE CARDIGAN FOR Steven Alan by ARROW57.

EVENT

2019.02.13

2月19日(火) ~ 3月24日(日)の期間、スティーブン アラントーキョーにて別注のカシミヤカーディガンの受注会を開催いたします。

この別注先は、ブランド名を持たず卸売もしない、服好きの通の間だけで密かな話題となって広がってきた通称"田中さんのカシミヤセーター"。その魅力と、別注のカーディガンが生まれるまでのプロセスについて、ディレクターの伊東とバイヤーの福吉が、主宰の田中英樹さんにインタビューしました。

"田中さんのカシミヤセーター"が生まれた背景。』


伊東 今回の別注は、僕と田中さんが学生時代のクラスメイトだった、というところから始まっているんです。なぜこの関係性から話し始めるのかというと、彼が手がけるカシミヤニットに名前がないという成り立ちにも関わっていて。

田中英樹(以下、田中) 

今からちょうど6年前になりますが、もともとこれは自分と自分の友人のために作り始めたニットなんです。僕は、普段はファッション企業のコンサルタントの仕事をしていて、デザイナーではないんですが、当時、いわゆるイギリスの漁師がよく着ているようなシェットランドセーターを、ウールではなくカシミヤで編んだものってないだろうか、と探していたんです。その頃、他のニットもウールよりカシミヤを選ぶようになっていて、単に自分が着たいからという理由で探し回ったんだけど、見つからなかった。それで、たまたま知人でニットを作っている人がいたので、「シェットランドセーターをカシミヤで作ってみたいんだけど」と話してみたら、「作ってみましょう」と、話が進んでいきました。
 当然、工場相手で1着では作ってもらえなかったので、それなら友人たちにも声をかけて欲しい人を募ろうと。最悪少しくらいなら自分で在庫を持てばいいかな、という考えでした。
 はじめは、シェットランドの1型のみの2色展開、ユニセックスで着られるものにしたかったので、サイズはSMLの3サイズ。これでサンプルを作り、友人たちに見せてオーダーをとって、完成品を作りました。自分と自分の友人という狭い範囲ではじめたことなので、ブランド名もつける必要がなかった。それに、僕自身いつも服を買うとすぐにタグを取ってしまうから、ちょうどよかったんですよね。

伊東 ただ自分が欲しいもの。だから、作りも贅沢ですよね。

田中 そう、とにかく自分が理想とするカシミヤのセーターが欲しいだけなので、値段設定や卸についても一切考えてなかったんです。だから、値段を気にせず糸も贅沢にたっぷり使いました。それで、数年経ったあたりから、シェットランドだけでなく、もう少し早めの時期から着られるものがあるといいねと、薄手のものを作ったり、少しずつ型数が増えていきました。

福吉 今では7型あるんですよね。私と伊東が初めて見せてもらったときは、まだそこまで型数はありませんでした。

田中 そうですね、初めて見ていただいたのは3年目だったかな。その場で注文をいただいて。そこから、お二人が気に入って着てくれたことで、それを見て、ユナイテッドアローズ社内でも別の方が欲しいと言ってくれて、という連鎖が生まれて、年を追うごとにオーダーが増えていきました。

福吉 田中さんが言うように、こういうしっかりとした編み方のカシミヤのセーターって、欲しいけれどどこにも売っていないんですよね。だから、初めて田中さんのカシミヤを見たときは衝撃でした。強靭な質感だけれど、肉厚で柔らかさもある。見た瞬間、欲しい!と思って。

伊東 僕は、ものとしてはもちろんですけど、この広がり方もいいなと思ったんです。田中さんをはじめ、これを着る人たちはブランドではなく、ものとつながっている。だから、価値が薄れないんですよね。ファッション関係の人からライター・編集者、アートディレクターと、散々いろんなものを見てきた人たちの間で伝播していて。利益優先ではないぶん、大きくビジネスするには不向きかもしれないですが、在庫のない持続可能な、ある意味新しい売り方だと思う。スティーブン アランとしては、従来のブランドのあり方とは違う側面で、豊かな価値観が提供できるんじゃないかと思ったのも、今回別注をお願いしたもう一つの理由でもあります。だから、田中さんのいつものスタイルと同じように、スティーブン アランの店頭で1カ月間、お客様に向けたオーダー会を開くことにしたんです。

『別注カーディガンへのこだわり。』

福吉 今回のカーディガンの着想は、昨年の夏ごろだったんですよね。

田中 実は2年くらい前に、一度話しをしたことがあったのですが、そのときはいい着地にならなかったので、寝かしていたんですよね。それで、昨年の夏ごろに、伊東さんからうちのラインナップにある5ゲージ(ローゲージ)の弾力感たっぷりの編み地の風合いで、オーソドックスなボタン付きのカーディガンが作れないかと提案をもらったんです。うちのラインナップにも、これまでカーディガンはなかったし、それなら面白いからやってみましょう、ということになって。シェットランドの肩周りと、ラグランのサドルスリーブ、そして編み地の雰囲気を組み合わせてカーディガンを作ることになりました。

福吉 実際にこうして試着用のサンプルが完成すると、やっぱり田中さんのカシミヤセーターらしくシンプルなんですけれど、何とも言えないオーラのようなものがありますよね。

田中 今回特に気にしたのはシルエットの部分です。普通のボタンフライのカーディガンなのですが、ボタンを外して着る人もいると思います。カーディガンって、脇からウエストまでのラインが丸みを帯びてしまうものが大半なんです。なので、ボタンを外したときの脇のラインを、逆にシェイプさせて下に落とすことで、ボディが大きく見えないように工夫をしました。おじいちゃんが着ているようなクラシックで古めかしいムードは残しつつ、エイジレス、ジェンダーレスにいろんなスタイルが楽しめるような、モダンなラインが作れたかなと思います。

伊東 田中さんは、デザインしていないようで、実はさりげなく工夫している、というものづくりをポリシーとして持っているので、そこは安心していました。こちらとしてお願いしたのは、サイジングのスペックくらいでしたね。

福吉 あと、ポケットが付いているのがいいですよね。つけ方もクラシックで。カーディガンは、プルオーバーよりもアウターのような感覚で着る人も多いと思うので、ポケットがあるのは惹かれる要素の一つかなと思います。それと、起毛加工も、毛足がふわふわしすぎず、程よく仕上げられていたところも良かったです。

伊東 今は、既製品でもこのくらいの目付の(目の詰まった)カシミヤってほとんどないですよね。10〜20年前はあったような気がするけれど、あったとしてもかなり高額になってしまう。

田中 目を詰めて編むぶん、糸がたくさん必要になりますから、必然的に高くなるんですよね。でも、今回は僕のいつもの値段設定にも寄り添っていただいて、一般的な市場価格の60〜70%くらいの価格に抑えることができました。

福吉 今回はS〜XLまでの展開ですが、使用した糸の量に合わせてそれぞれ値段をつけようということになって。

田中 僕のイメージでは、ウールのセーターを着るように、カジュアルにカシミヤのセーターを着てもらいたいと思っているんです。頻度もケアの仕方も。だから値段を安く設定することも、ある意味、僕のこだわりの一つだと言えるかもしれません。

【Text:石田エリ】

≫開催期間
2月19日(火) ~ 3月24日(日)
※オーダーいただいたカーディガンの納期は、9月末ごろを予定しています。

◆3月17日(日)12:00~18:00、田中さんがスティーブン アラン トーキョーにご在店予定です。

≫開催店舗
スティーブン アラン トーキョー

≫サイズ・価格
S ¥43,200(tax in)
M ¥47,520(tax in)
L ¥50,760(tax in)
XL ¥54,000(tax in)
※全てユニセックス

≫カラー
WHITE STONE (LIGHT GRAY) / DARK BROWN / MIDNIGHT NAVY

≫素材
CASHMERE 100%

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