『 2018年を振り返る ~ 年末のご挨拶に代えて 』

鴨志田 康人 MEN WOMEN

2018.12.28

■ 「ユナイテッドアローズらしい」ということ

今年もいくつかのインスタレーションや展示を見に行きました。
なかでも秋頃から東京国立近代美術館工芸館で開催された「インゲヤード・ローマン展」(※ 12月9日に終了しています)では、とても感銘を受けました。スウェーデンの代表的なデザイナー インゲヤード・ローマンさんの生み出す作品は、シンプルでミニマルでオーソドックスではありますが、個性が感じられるものばかりでした。


インゲヤード・ローマンの作品の一部。
(左)「ティー・サービス・セット」 2016年 2016株式会社 (右)「THE SET」 2017年 木村硝子店
 photo: Anna Danielsson/Nationalmuseum Stockholm
 ※ いずれもユナイテッドアローズでの取り扱いはありません


また、東京ミッドタウンでの「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」(http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/4274/)でも、同様に「個性のあり方」を考えさせられました。日本民藝館館長を務める深澤直人さんによる解説は、民藝の本質を捉えた初心者にもわかりやすく、さらに作品からは民藝の持つ機能美や素朴さなど、にじみ出てくる力強さを感じることができたのです。

いずれの展示でも、シンプルであればあるほどクリエイションは難しいのにもかかわらず、オリジナリティがあることはすばらしいと感じました。
ファッションにももちろん通じるところがあります。そういったアイテムは、飽きないし裏切らない。そして愛着が湧くものになります。トラッドマインドを大事にする「ユナイテッドアローズらしい」という商品は、まさにこういったものでないといけないと、改めて気付かされました。



シンプルだがオリジナリティを感じるアイテム。
(左)<CLARKS for UNITED ARROWS>のワラビーモンク (右)<宮脇賣扇庵>に別注した扇子


ブランドの進むべき方向を再確認したうえで、今年一年を振り返ってみようと思います。


■「英国的」が意味すること

2018年はメンズ・ウィメンズ問わず、タータンチェックであったりツイードやホームスパンやキルティングであったり、ブリティッシュテイストのアイテムが多く目に止まりました。
ここで言う「ブリティッシュ」は、多くが「カントリーライク」に近い意味合いで、その代表として英国が引き合いに出されているのでしょう。現代のアウトドア志向であったり、都会を抜けて自然と触れ合ったりする風潮が、自然とファッションにも現れたのかと思います。いわゆる"田舎生活"へのリスペクトでしょうか。

さらに「ブリティッシュ」というのは、誤解を恐れずに言えば「野暮ったい」という要素があるのだと思っています。これ見よがしにかっこいいとか色っぽいとか、そういったテイストは最近はもてはやされなくなりました。野太いかっこよさや、そういったところに親しみを感じるのが今の気分ではないでしょうか。

とはいえ、その田舎臭さや野暮ったさをそのまま表現するのは、現代においてかっこいいとは言えません。たとえば「グランピング」のように、アウトドアやキャンプの良さを消さずに今のライフスタイルにフィットさせて楽しむ、そんなアレンジがクールに感じます。

今年はアレンジする素材として適切だったのが「英国的」なアイテムであり、それをリアリティのあるスタイルに落とし込んだのが、「英国的」ファッションだったのだと思います。



(左)カントリーウェアの代表ブランド<Barbour>のオイルドジャケット (右)伝統的なタータンチェックが人気の<Johnstons>のマフラー


■売り場はプレゼンテーション力を試される

オンラインストアの需要も年々伸びてきている一方で、リアルな店舗がショールーム化していくことは、ある程度避けられないと思っています。
しかし店舗がなくなるとは思っていません。どこで買うかは、結局は使い分けになるのでしょう。実際に触りたい・サイズを試したいという人はお店が、時間がないとか同じものが欲しいという人はオンラインストアのほうが便利です。

しかしオンラインストアでもサイズ問題が解決され、買い物の情報が充足されるのも近いかもしれません。そうなると売り場はショールームとしてのプレゼンテーション力を強め、モノの魅力を引き出すような環境を整えていく必要があるでしょう。販売員の接客はもちろんですが、店作りも今まで以上に大切になります。

今年は新宿店と神戸三宮店で大規模なリニューアルがありました。それぞれの地域のお客様に向けて、「来店する」ということに価値があり、そして今までより買い物が楽しくなる空間づくりを目指しました。
オンラインストアとは全く別の楽しみがある売り場です。お近くのかたはぜひご来店ください。



(左)2018年9月7日にリニューアルオープンした新宿店 (右)神戸三宮店は2018年10月4日にリニューアルを果たした


■「服」というカテゴリーを飛び出して

「ファッション」という言葉が、服装以外で使われるシーンが多くなったのも、今年は特に気になりました。「インスタ映え」(2017年の流行語ではありますが)という言葉が象徴するように、衣・食・住・遊・知・健康などの現代の生活をするうえで不可欠な要素すべてにおいて「ファッショナブルな○○」ということが生活を豊かにしていくうえで必要になったといえるのかもしれません。

ユナイテッドアローズ社は創業当時から「日本の生活文化の向上」を一つのテーマとして掲げており、洋服だけではなく、さまざまなフィールドで生活を豊かにするものごとに携わっていきたいと考えています。その一つとして2018年1月よりマンションのフルオーダーリノベーションサービス「RE : Apartment UNITED ARROWS LTD.」の提供を始めました。(→詳しくはこちら



「RE : Apartment UNITED ARROWS LTD.」が手がけたモデルルーム


2019年も多くのお客様に、「ユナイテッドアローズらしい」という商品やサービスの提供をしていきたいと考えています。ぜひご期待ください。

みなさまにおかれましても、よいお年を迎えられますことを、お祈り申し上げます。
年末年始もユナイテッドアローズ各店舗でのお買い物をお楽しみください。

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