NIKE | ACG LDV

ランニングとアウトドアを結びつけた、歴史的な一足を再解釈

K2に挑戦したアメリカ遠征隊が履いた
LDVがACGカテゴリの原点に

このシューズは、1978年に誕生したLDVというランニングシューズが(簡単に言えば)アウトドアのカテゴリにあるACGの視点でスペックアップされた2026年版の現代解釈シューズです。70年代らしいレトロなデザインにソールのグリップが強化されるなど耐久性を向上させています。トレイル感を高めながら、日常のフィールドに自然で、快適で履けるように仕上がっています。

FUG.

このシューズがなぜACGなのか。それはLDVの歴史が関係していました。まだ当時、アウトドアカテゴリが存在していなかったNIKEが、アメリカ遠征隊がK2に挑戦する際に、登山家たちにLDVを提供したそうです。その頃、登山靴といえば硬くて重いレザーとソールで構成されたブーツしかなかった。その頃にランニング由来で設計された軽量でクッション性のあるLDVが、ベースキャンプへの長いアプローチで活躍したそう。68日間、山で過酷に活動し、ボロボロになったLDVはNIKEに返却され、製品開発のフィードバックに貢献した。そうしてNIKEにハイキングシューズが誕生したんです。ちなみにACGが発足したのは1989年だから、そのもっと前の話ですね。

FUG.

僕は高校生の時、なけなしの小遣いでLDVをフリマで買いました。だからこのシューズへの思い入れは深く、今もヴィンテージを大切に保管しています。最近まで、この靴がランニングとアウトドアに境界すらなかった時代に双方を結びつけたことを僕は知りませんでした。それを今、こうして製品になったなんて、なんて美しいプロダクトストーリーなんでしょうね。LDVは復刻も何足か所有しているので、この背景を知ったからには、ちょっとアウトドアなスタイルに履いてみたいな、と思いました。

このシューズはグレーとネイビーの汎用性の高いカラーリング。上品で落ち着いたスタイルの足元にも合わせやすいですね。ミッドソールもreact Xを使用していて、クッション性にも優れています。とてもバランスの良い一足です。

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小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。