
ヒト
2024.02.22
念願の「ルミネストゴールド」認定。最優秀販売員が考える接客とその先の未来。
今年もルミネでは、全国で働く約30,000人の販売員を対象にした「ルミネスト認定会」を開催。接客ロールプレイングを審査し、最も高い接客スキルとマインドを持つショップスタッフを「ルミネストゴールド」に認定しました。今回、ユナイテッドアローズ社(以下UA社)でゴールド認定を獲得した〈ロク〉 シンジュクの竹井 祐介さんと、〈ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング〉 ルミネ北千住店(以下GLR)の小野 将太さんに、「ルミネストゴールド」にかけた日々を振り返っていただき、日頃の心掛けていることや今後の展望などをインタビューしました。
Photo:Takehiro Sakashita
Text:Mikiko Ichitani
ユナイテッドアローズで誇りをもって働く先輩たちの背中を追いかけて。
竹井:わたしは新卒から別のアパレルの会社を2社ほど経験したのちに、一度違う業界に転職しました。「もうアパレルはいいかな」と考えて決めたことでしたが、やはりだんだんとアパレルの仕事が恋しくなって、25歳の時に骨を埋める気持ちでUA社に中途採用で入社しました。
ロク シンジュク 竹井 祐介さん
竹井:ちょうど10年経ったくらいです。最初は〈ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(以下BY)〉の立川店に1年半ほど配属され、その後〈モンキータイム〉の店舗で8年近く店長やセールスマスターを務めました。そして〈ロク〉 シンジュクに異動し、現在にいたります。
小野:わたしは18歳でアパレル業界に入って、アルバイトで何社か経験したのちに新卒就活でUA社とご縁があり、研修アルバイトから入社しました。入社の決め手となったのは、愛社精神を持っている人が多くいるということ。他の業種と比べて、アパレルの販売員というのは一生の仕事というイメージを持たれる方が多くないと思うのですが、UA社では40代、50代の先輩方が店頭でずっと活躍されていて、自分たちの会社に誇りを持って働いている姿がとても印象的だったことを覚えています。
— 入社されてからのキャリアも教えてください。
小野:研修アルバイトの時に〈GLR〉 ルミネ北千住店に配属され、今7年目です。入社3年目で店舗責任者、そしてセールスマスター(販売のスペシャリストとして授与される称号)に任命いただきました。
自分自身の成長実感がモチベーションへとつながる。
竹井:今回5度目の出場となるのですが、一番最初は当時の上司から推薦いただいて、背中を押していただいたことがきっかけでした。挑戦したことによって自分自身の感覚や意識も変わっていって、その後は自発的に4度挑戦して今回のゴールド認定につながりました。
ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ルミネ北千住店 小野 将太さん
— お二人とも過去の出場でブロンズ、シルバーの認定を受けていますが、さらに上のランクを目指すべく挑戦を重ねられたのはどのようなモチベーションなのでしょうか?
竹井:出場のたびに得られる成長実感がモチベーションにつながっていると思います。最初は所作で精一杯だったのに、2度目はきちんとお客さまの要望を引き出せるようになったりとか、次は自分の個性を出せるようになったりと回数を重ねるごとに自分自身の成長を感じることができ、接客のモチベーションも高く保つことができたということが大きいです。
小野:わたしは仕事もプライベートも何か目標がないと頑張れないタイプで、「ルミネスト」に関しても最終的な目標に向けての通過点として、一つひとつ課題や目標をクリアしていくということがゲーム感覚で楽しさになっていたように思います。
普段通りの接客をやり切ることで勝ち取った「ゴールド認定」。
竹井:最初の頃は、認定者の動画をみてとにかく研究していました。でも、詰め込んでいる分、想定外の課題が出されると混乱してしまってうまくいかないということもありました。直近の2回は、研究や練習というのはあえてせず、ファッションを楽しむ気持ちや目の前の服の魅力をどのように相手に伝えることができるのかなどをいつも考えるようにして、自分自身のファッションと商品に対しての熱量を高める作業を常にしていました。
ルミネスト認定会のロープレシーン(※ルミネ様提供)
— 今回お二人は最高峰となるゴールド認定を受けましたが、ご自身のなかで結果につながる手応えというのはどういうところで感じられましたか?
竹井:これまでと比べて一番リラックスして臨むことができました。接客の所作や手順にとらわれることなく、自分らしさや〈ロク〉のファッションが好きだという想いを自然に伝えることができ、そのうえで結果がついてきたというのはとても嬉しかったです。
ルミネスト認定会のロープレシーン(※ルミネ様提供)
お客さまのライフスタイルの変化に携わる、販売員という存在。
竹井:お客さまにもファッションの楽しさを伝えたいという気持ちを一番大事にしています。ブランドの今の気分や着こなしのポイントなども自分の言葉で伝えたいと思っていて、そういったコミュニケーションから共感していただけたり、盛り上がっていただけると「諦めなくて良かった」と思えます。
小野:わたしは自分の中で「一客一笑」という言葉を日々のキーワードにしていて、一人のお客さまを接客した時に、必ず一回は笑ってもらおうと心がけています。お客さまの印象に残ってもらえるのはどんな時だろうと考えた時に、やはり「喜怒哀楽」の感情が動く時だと思いました。だったら、一回でも笑ってもらえたら楽しい印象として〈GLR〉ルミネ北千住店を覚えていてもらえるのではないかと思い、お店のモットーとしてスタッフとも共有しています。
— 長年接客を行ってきたお二人にとって、印象に残るお客さまとのエピソードはありますか?
竹井:わたしの場合、〈モンキータイム〉と〈ロク〉というユナイテッドアローズのなかでも小さいブランドと縁があることが多く、そのなかでもレディースブランドのなかで男性販売員であったりといい意味で違和感を感じて興味を持ってくださるお客さまが多いような気がします。先日もわたしの誕生日に合わせて、わざわざ滋賀県から「ずっと来たかったんです」と来店してくださったお客さまがいらっしゃって、とても感動しました。
新たな発見や特別感を与える、仕事道具
— 確かに、そういった小物一つとっても自分自身や周りの人に対して特別感を与えることができますよね。もう一つ、腕時計にもエピソードがあると伺ったのですが…。
「ゴールド」は通過点。ここから新たなセールスの形を極めていきたい。
竹井:セールスは今後も極めていきたいですが、これからは対面販売だけでなくビジュアルや情報の出しかたも含めてより新しい方法を模索して、ファッションをしっかりと伝えられるようになりたいです。
— 発信の仕方も時代に合わせて、セールスの目線から研究して進化して極めていきたいということですね。小野さんはいかがですか?
小野: SNSを通して得られる知識や発見も多く、DXの観点でもその知見を生かしていけたらと思っています。スタッフスタイリングなどのコンテンツで他のスタッフが活躍できるようにサポートしていき、彼らが成果を出すということが自身のやりがいにつながっています。これからは対面販売だけでなく、誰も販売員としてやったことのない方法で最大の売り上げを作るというところを目指していきたいです。
PROFILE

竹井 祐介
2013年に入社し、ユナイテッドアローズ 立川店へ配属。その後モンキータイム 新宿店で店長なども経験し、セールスマスターにも就任。そしてルミネスト フロンズ、シルバーの認定を受け、その後、ロク シンジュクへ異動。今年もルミネストへ出場し、念願のゴールドを認定。
insta @yusuketakei

小野 将太
2016年に入社し、グリーンレーベル リラクシング ルミネ北千住店へ配属。その後、店舗責任者となり、ルミネスト ブロンズを獲得。社内でセールスマスターにも認定され、今年のルミネストでゴールドを認定し、現在に至る。