ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

新しい年を迎えるために。 初詣について知っておきたいこと。

ウツワ

2024.01.12

新しい年を迎えるために。 初詣について知っておきたいこと。

新しい年の始まりに欠かせない行事といえば、初詣。社寺の神さまに、旧年を無事に過ごせた感謝を捧げるとともに、新年がよい年になるように願掛けを行います。いつまでも大切にしたいお正月の風習だからこそ、その背景や意味についても知っておきたいところ。参拝のマナーや恥ずかしくない装いについても、覚えておきましょう。最後に、参拝後のお楽しみであるおみくじやお守りについてもご紹介します。これらを知ることで、清々しい気持ちで新しい年を迎えられますように。

Text:Shiori Fujii
Illustration:Hisayuki Hiranuma
Edit:Shoko Matsumoto

意外と知らない、初詣の基礎知識。

初詣(はつもうで)とはその字のとおり、年が明けてから初めて、神社仏閣へのお参りすること。もともとは平安時代から伝わる「年籠り(としごもり)」という風習が、明治時代頃から、大晦日にお参りする「除夜詣(じょやもうで)」と元旦にお参りする「元旦詣(がんたんもうで)」になったと言われています。昔は、住んでいる場所の恵方(年神さまが在位する方角で、毎年変わる)にある神社にお参りに行くと縁起がよいと言われていました。有名な神社やお寺に行くのも楽しみではありますが、まずは自分が住む地域の神社=氏神(うじがみ)さまや、先祖が祀られている菩提寺(ぼだいじ)へ。現在では元旦から三が日にかけて行う(または歳神様がいらっしゃる「松の内」の間に行く)ことが一般的ですが、長野県や新潟県などの一部地域では、大晦日の午前0時にまたがって参拝を行う「二年参り」という形式も親しまれています。改まって参拝したいときや、厄払いなど特別な祈願がある場合には、神社では社殿のなかで神職の方にお祓いをしていただく「昇殿参拝」もおすすめ。仏教寺院においても「修正会」と呼ばれる1月の法会や厄除けをお願いすることができます。

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参拝のときに気を付けることは?

お参りする際の作法は、神社や寺院の宗派、地域によって異なる場合があります。大切なのは敬意を表すことなので、参拝の前には帽子やサングラス、できればコートやマフラーなども脱いで身なりを正しましょう。一般的な礼拝作法としては、神社の場合は、入り口の鳥居をくぐる前に会釈をし、境内に入ります。手水で心身を清め、参道を通って神前へ。その際は神様への謙虚な気持ちを表し、参道の中央を避けて進むのがマナー。賽銭箱の前に立ったら会釈をし、お賽銭を入れ、「二拝二拍手一拝」を。「拝」は深いお辞儀のこと、「拍手」は手を打ち鳴らすこと。どちらも日本古来の敬礼作法です。二拝二拍手ののち、両手を合わせて心を込めて祈り、最後に一拝。会釈をしてから退きます。境内を出る際も社殿の方に向き直って一礼するとよいでしょう。寺院の場合、山門が鳥居にあたります。参拝の時には山門前で合掌をして一礼。手水所(ちょうずどころ)があれば清め、蝋燭や線香が用意されている場合は購入し、火をつけて燭台と香炉にそれぞれお供えします。本堂の正面に立ったらお辞儀をし、お賽銭を入れ、心静かに合掌します。大声で世間話をするなどして、読経やお祈りの妨げとなるようなことは避けましょう。忌中(故人が亡くなってから四十九日以内)は神社への参拝は控えるべきとされていますが、寺院への参拝は問題ありません。

脱帽のタイミングは?

神域への玄関とされる鳥居をくぐる前には、帽子やサングラス等の装飾品は取り、服装を正して一礼。また、参拝を終えて鳥居から出た後に一礼する際も取るとよいでしょう。訪問の際に、玄関先で身なりを正すのと、同じようなイメージです。また、拝殿前での参拝時は、帽子やサングラスに加え、マフラー、コートはできるだけ外しておくほうがベター。バッグなどを肩や手にかけている場合も、足元に下ろしてからお参りをするほうがよいとされています。ちなみに、社殿で厄払いなど祈願をする時には、社務所に入った段階で、アウターなどは脱ぐとよいでしょう。とはいえ、実際のところ、こうするべき!という原則な決まりはありません。寒い季節や場所、悪天候のときなどはそうもいかないので、天候に準じて構わないとされています。堅苦しく考えず、一般的な作法をマナーとして覚えておくとよいでしょう。

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初詣にはふさわしい装いを。

参拝は神様や仏様にご挨拶に行くということ。特に服装の制限はありませんが、なるべく礼節を重んじる気持ちを表し、服装を正すことを心がけましょう。目上の方や大切な人に会いに行くときと同じように、肌を露出するような服装やあまりにラフな格好、派手な色や奇抜なデザインの服装は控え、汚れやしわ、ほつれはないかなど、清潔感も意識してチェック。アニマル柄やファーなどは“殺生”を連想させるという意味合いから、控えるほうが良いという説もあります。「昇殿参拝」など社殿の中で参拝する際は、男性はスーツなどジャケットを着用、女性もスーツやワンピースなどのシックな色合いの服装がおすすめ。グランジ風でなければ、足もとはブーツでも問題ありません。和装にブーツという装いも、実は明治時代から見られるコーディネートなのです。和装の場合は付け下げや訪問着などの礼装である必要はなく、カジュアルな小紋や紬でOK。華やかにしたい場合は、洋服で言うときれいめカジュアルといった位置付けの小紋を、フォーマルに着たい場合は江戸小紋がおすすめです。男性も洒落着や普段着の着物でOKですが、ジャケットのような位置付けである羽織りを着物の上に着ることで、改まった印象になります。

画像 洋装の場合

画像 和装の場合


初詣で運気アップ!

新年の開運を願う人におすすめなのが、新しい下着や洋服を身につけて初詣に出かけること。江戸時代には、「着衣始(きそはじめ)」といって、お正月に新調した着物や下着などを身につけて縁起を担ぐ習慣がありました。同じような習慣が、世界中のあちらこちらにあると言われています。実際、清々しい気持ちになれるのもうれしいところ。

初詣のおまけのお楽しみといえば?

初詣に出かけたならば、お守りを手に入れたりおみくじを引いたりするのも楽しみの一つ。一年間お祀りしたおふだは年末に神社に納め、お焚き上げをしてもらってから新しいお神札を受けます。お守りも同様ですが、願いが叶うまで身につけていてもOK。お神札やお守りをたくさん持っていると「神さま同士がケンカしてしまうのでは?」と心配してしまうかもしれませんが、日本は八百万神の国。神様はそれぞれの御神徳をもって、協力して守ってくださるそう。運勢を占うおみくじは種類が多く、神社や寺院ごとの個性も豊かです。その内容には吉や凶、または大吉・中吉・小吉・末吉という吉凶判断のほか、生活の指針となる和歌などを載せているものもありますが、その後の自分自身の行動に照らし合わせていくことが重要。また境内の木の枝に結んで帰る習わしもありますが、持ち帰っても問題はありません。一方、なにかを祈願するときや、願いがかなったお礼として神社に奉納するのが絵馬。一年の始まりに、干支絵馬に願いを書いて祈ってみてはいかがでしょう。ほかにもデザインが可愛い開運グッズやお土産品など、縁起もののバラエティはさまざま。初詣をはしごするのも楽しそうです。

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迎える新年。いざ、初詣へ

毎年、ただなんとなく初詣に出かけていていたという人も多いのではないでしょうか。でも調べてみると、初詣は神さまや仏さまへの感謝の気持ちが込められた日本の大切な風習。未来に受け継いでいくためにも、初詣の意義やマナーを知っておきましょう。お正月ならではの楽しみを、これまで以上に満喫できるはず。

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