ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2016.05.12 THU.

Hとウツワ「青山であることを意識する、大切なスタンダード」

多くのブティックやブランド店が立ち並ぶ青山に抱く一般的なイメージは、華美を好む街。しかし実際にエリアに足を踏み入れれば、不思議な味わいと、落ち着いた雰囲気が流れています。新しさを競う有名建築の中に住宅街が残り、それぞれが主張し合うわけでもなく、お互いの存在を、受け入れながら共存している。そんな南青山に出店した「H BEAUTY&YOUTH」には、語らずとも込められたメッセージが発信されています。

Photo:Keita Goto
Text:Masayuki Ozawa

モードとローカルが融合する、住宅街としての歴史。

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青山が、青山らしくいられる理由を突き詰めると、地理や歴史が大きく関係しています。徳川家が天下を統一した江戸時代、初代将軍である家康の重臣だった青山忠成が、この一帯に大きな下屋敷を所有したことが地名の由来。江戸の町外れだったゆえに、人の住む場所だった青山は、東京オリンピックをきっかけに近代化が急進しても、素朴さをずっと残していきました。大きな商業施設が作られることなく、単一で軒を構えるブランドショップの集合体は、住宅街の面影。それが今日の、洗練されたイメージを形成する基礎になっています。しかも一本裏通りに入れば、今でもローカルな雰囲気を感じることができるでしょう。

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まっすぐに伸びるいくつもの通りがショップを連鎖的に繋げており、みゆき通りにはコム・デ・ギャルソンやプラダをはじめとするメゾンの旗艦店が、並行する骨董通りには、気軽に立ち入れる(とはいっても行列は当たりまえの)インディペンデントな飲食店がここ10年以内で加速的に増えました。2本の通りに挟まれるエリア一帯にお互いの傾向が広がったことで、緩やかな調和が生まれ、新しい魅力をつくりあげています。話題の飲食店が重要な集客装置となり、幅広い層が訪れるようになったことで、新しい活気を生み出しています。

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買い物における居心地のよいエリアの条件とは。

通りと通りが交わり合う街のスクエアな構造は、ショッピングも一定の範囲内を散策する感覚で楽しめます。複合的なファッションビルを軸にして人気ショップを集積させる仕組みより、横に奥にと広がっていく街並みは、時間の流れもゆるやかで、行き交う人を避けながら歩くこともありません。外の空気を吸いながら感性に触れることができる「通り」のある街は、着飾るだけではない、自分なりのライフスタイルを模索し、楽しむ大人にとって、居心地のよい街でもあるのです。緑が多くて風が吹いていて、海の匂いのする場所の方が、生活するには居心地がいいかもしれません。しかし買い物においては、一番おしゃれな青山はもっとも居心地のよいことを、多くの人が潜在的に自覚しています。

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ビューティ&ユースは、前身であるブルーレーベルストア時代から「精神的な美、永続的な若さ」をコンセプトに掲げ、常に若者文化を象徴するエリアに出店し続けてきました。1998年にオープンしたのは、原宿のとんちゃん通り。当時は地理的条件を指す「裏」を前提に、マスを表舞台としたときの「裏」、つまり成熟していないユースカルチャーの震源地に活気がありました。華やかな明治通りや表参道ではない、裏通りで買い物を楽しむのが、時代のムードだったのです。しかし、ファンとともに年を重ねていくにつれて「卒業のないカジュアル」が世の中のベーシックになっています。いまやドレスとカジュアルに、年齢や社会的地位によるボーダーはなくなりました。つまり縦軸ではなく、それぞれの好きなテイストという美意識の横軸で繋がる時代になっています。そうしたとき、価値観の成熟した大人がいちばん心地よくリアルクローズを買える場所はどこ? と考えると、新しい「H BEAUTY&YOUTH」がそこにあるのは、とても自然なことなのです。


大切なのは、地域との調和とシェアスピリッツ。

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知的好奇心をステップアップできる刺激的なエリアであり、人が住む街でもあるバランスのよいエリアにおいて、個々のショップが大切にしているのは、調和です。けっして背比べをしない個々のビルやオフィスを俯瞰して見たとき、青山に派手さはありません。通りに面したファサードはフューチャリスティックでありながら、それぞれに気品と落ち着きがあり、個性とのバランスが保たれています。消費者が自分たちの感性でものを選び、のんびりと過ごしたい青山では、隣のお店や地域がコンペティターになるよりも、控えめなシェア精神が街にプラスの影響を与えることができます。「H BEAUTY&YOUTH」では、食べているその仕草すらも絵になる「PIZZA SLICE 2」を併設するアイデア、ジェンダーレスなディスプレイ、統一感のあるスタッフの着こなしすべてが、ほかのビューティ&ユースとの大きな違いを感じることでしょう。しかしそれが「青山にあること」を考えたとき、お客様目線を大切にしたトーン&マナーであり、最先端のスタンダードなのです。

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Hとヒト
「集英社日高麻子さんとビューティ&ユースブランドディレクターが語るエイチ ビューティ&ユースのチャレンジ。」

Hとモノ
「PIZZA SLICEのHOW TO ENJOY PIZZA」


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JP

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