ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2017.12.22 FRI.

中古マンションの魅力を発信し続けるグローバルベイスとつくる、あたらしい住まい。

この冬、株式会社ユナイテッドアローズ(UA社)は住空間の高品質なリノベーションを手掛けるグローバルベイスと協業し、中古マンションのフルリノベーションサービス「RE : Apartment UNITED ARROWS LTD.」をスタートさせます。この取り組みでは、内装デザインから家具製作に至るまでをUA社が全面プロデュース。そしてこの度、第一弾となるモデルルームが完成しました。今回は、2つの力が合わさることで生み出される新たなリノベーションの可能性を、グローバルベイスの常務取締役野田清隆さんに伺いました。

Photo:Kengo Shimizu
Text:Satoru Kanai

最高の立地や眺望に対して最高のリノベーションを施せば、妥協することなくお客様に理想の住まいを提供できると考えています。

―まず、グローバルベイスの事業内容から教えてください。

弊社は中古マンションを買い取り、フルリノベーションして再販しています。古い仕様や間取り、配管などの設備に至るすべてを入れ替える――いわば、マンションの一室を建て替えるようなイメージです。

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―たとえ今の時代に合った仕様に変えたとしても、日本ではいまだ中古物件は新築に劣るという風潮が根強く残っているようにも思います。

たしかに、中古物件を購入する方が劣っているという考え方は残っています。では、中古の購入メリットはなにかといえば、新築では難しい利便性の高い都心エリアにより面積が広い家を持てるところです。同業他社が低価格帯で勝負するなか、われわれは4000万や5000万、はたまた1億以上という新築も選択肢に入るような高額物件も扱っています。最高の立地や眺望に対して最高のリノベーションを施せば、妥協することなくお客様に理想の住まいを提供できると考えているからです。

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―なるほど、今回のモデルルームのように井の頭公園が一望できるこの眺望は、中古物件だからこそ手に入れることができるんですね。ベッドルームにはガラス張りの見えるウォークインクローゼットがあったり、リビングの一角に書斎スペースが設けられていたりと、店舗内装空間にも通ずるような設計です。実際、どのような方・ご家族を想定されてリノベーションされたのでしょうか。

洋服がお好きで、このモデルルームに関しては書斎スペースがあるということもありクリエイティブなお仕事をされているような方・ご家族を想定ということになるでしょうか。今回の取り組みでは趣向の異なる3つの内装プランをご用意する予定です。それらをブラッシュアップしながら展開をしていきます。


あくまで空間づくりから進めていって、その場所に合う家具や必要な設備という視点でモノづくりに入っていく。

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―近年、さまざまな企業が住宅ビジネスに進出しています。不動産や住空間を手がけてきたグルーバルベイスとして、住宅ビジネスの裾野が広がっていく現状をどう捉えられていますか。

家具メーカーと不動産会社が手を組む事例などは、過去にも多く見られました。われわれも、そうしたお誘いを受けることがあります。ですが、そこで置かれる家具は家を購入せずとも店頭で買えるわけです。今回の取り組みで制作されたオリジナルのテーブルなどは、このプラン専用に作られたものであり、UA社の売場に行ったからといって買えるわけではありません。その点が従来の取り組みと大きく違うと考えています。あくまで空間づくりから進めていって、その場所に合う家具や必要な設備という視点でモノづくりに入っていく――。こうしたアプローチは周りを見渡しても初めてのことであり、今までにない新しいサービスだと思います。

―実際にマンションの一室をリノベーションしてモデルルームにしていますが、この部屋自体も販売されるのでしょうか。

モデルルームは莫大な施工費をかけながらも、一定の期間を過ぎれば必要のない空間になってしまう。この物件も通常の商品と捉えればかかった分のコストを売却によって回収できるので、一定期間が過ぎたら販売します。そうすることで、デザイン面でも思い切ったことができるのです。

―この物件は幾らで販売される予定ですか?

家具無しプランで8,580万円(税込)、家具がすべてついているプランで8,780万円(税込)で販売する予定です。

―この眺望とクオリティ、設備までがパッケージであることを考えれば、決して高額ではありませんね。しかしなぜ、その価格帯が実現できるのでしょう。

弊社では月平均で30戸ほどの中古マンションを仕入れ、そのすべてをリノベーションした後に再販しています。常に安定した数の工事と設備を発注できるので、工務店様や住宅機器・設備メーカー様のコストを下げることが可能なんです。また、数多くの工事を請け負うことで提携する工務店様自体の能力を向上させることもできます。技術面でも安定した商品を提供することで、ほかにはないコスト感を実現できています。


空間づくりに長けたUA社によるデザインはベースに最適ではないでしょうか。

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―今回の取り組みでは、UA社が空間ディレクションを行なっています。店舗設計で培った常識に囚われないアイデアは、住宅づくりにおいては現実的なコスト面との開きに繋がることもあるのではないでしょうか。

このモデルルームに関しては、使用されている建材や設備も金額的に高く設定されていますが、デザインのトーンを維持しながら、建材や設備を変更することでコストダウンも対応可能です。そうした個々のお客様に合わせたカスタマイズができるのも、リノベーションの魅力ですからね。

―御社がリノベーションに注力してきたことで、中古マンションに対するイメージは変わりましたか?

だいぶ風向きも変わってきました。まず、一般の方が「リノベーション」という言葉を認知してくれるようになりました。さらにアベノミクスの影響で新築物件が高騰したことにより、昨年度は首都圏において中古マンションが新築マンションの販売戸数を初めて上回ったんです。弊社がこの事業に取り組んで16年になりますが、こんな状況は初めてのことです。

―世間的にもやっと中古市場が認められつつある、と。あらためて、中古マンションをリノベーションする魅力を教えてください。

我々も、今まではリノベーションすることで中古物件を新築に近づけるような空間づくりを行なってきました。ですが、UA社との取り組みで新たな発想を手に入れることもできました。例えば、リビングに設置した天カセ(天井カセット型エアコン)ですね。新築マンションを購入しても最初から天カセが入っているのは高級マンションくらいですが、この空間に壁掛けエアコンが付いていたらちょっとがっかりしますよね。これまでも技術としてはできたけどやってこなかったようなことの重要性に気がつけたのは大きな収穫です。

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―書斎スペースには、住宅ではあまり見かけない壁に埋め込むタイプのエアコンを設置しています。

これもリノベーションだからできることです。新築マンションでやろうと思ったら、相当なコストがかかってしまいます。照明計画も新築マンションであっても、部屋の真ん中に引っ掛けシーリングがついているくらいで、ダウンライトを付けようと思ったら大ごとです。ダウンライト自体は高いものではないので、最初から付けてしまえばコストはかからないんです。

―新築であればすべてが最新設備で揃うように思いがちですが、リノベーションだからこそ、最新設備を使いながら、より自由度を持って住環境を整えることができるんですね。

ファッションでいえば、古着もあれば、セレクトショップのオリジナルもありますよね。それらを選んで、どうコーディネートするかが楽しみでもあります。家も新築マンションだけではなく、中古マンションもある。どんな部屋に住みたいかイメージが共有できてさえいれば、中古マンションのリノベーションには幅広い自由度があります。イチから自分で考えることに敷居の高さを感じるのであれば、リノベーションを熟知した弊社と空間づくりに長けたUA社によるデザインはベースに最適ではないでしょうか。そうして、自分らしい“暮らしのウツワ”を手に入れてもらえたらうれしいですね。

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JP

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