
結婚式のシーン別スタイル
[結婚式 スーツ] そんなキーワードで検索したこと、1度はありませんか。
結婚式や披露宴には、出席するときに理解しておきたい服装のルールやマナーがあります。ここでは結婚式のスタイルや主役との関係性別に考えたスーツコーディネートをご紹介します。さらに、着こなしの際に役立つ結婚式スーツのヒントを「TIPS]と題してお届けします。
スタイリングを担当してくれたのは、UNITED ARROWSドレスバイヤーの豊永譲司。買い付けからオリジナル商品の企画などを手がける豊永に、「親族編」「友人編」「2 次会・パーティー編」とシチュエーション別にスタイルを提案してもらいました。
フォーマルウェアの心得
さて、コーディネートを紹介する前に、“ 結婚式に呼ばれたなら”必ず抑えておきたい大切なスタンスについてお話しします。
「当たり前のことですが、結婚式は招待されてはじめて行くことができる場所です。つまり、親族側であればゲストを迎え入れるホストですし、参列するゲストは主役ではなく、新郎新婦を立てる立場にあります。当然、主役以上に目立ってもいけませんし、自分が出過ぎしまう服装は結婚式には相応しくないですよね。相手に対する儀礼を尽くすこと、新郎新婦との関係性や、会のあり方に合わせて、フォーマルウェアをまとうことが参列者に欠かせない心得なのです。ですからルールやマナーの範囲内で、着こなしを楽しむことが何より大切なことだと思います」
親族編
親族編:
礼装の基本からは外れないこと
結婚式の参列者は、大きく2 つのグループに分けることができます。それはホスト= 主催者側・迎える側・親族と、ゲスト= 招待客・迎えられる側・友人です。親族とはつまり、ホスト側となるので、新郎新婦ともに招待客を迎える側となるのです。
「時代とともにフォーマルもアップデートしています。正礼装と呼ばれる参加者をもてなす側で最も格式が高いモーニングコートや燕尾服などを見かける機会は年々少なくはなってきました。ただし親族となるとそうした礼装の方と並ぶ可能性があることを考慮して着こなしを考えることも大切なスタンスだと思います」
親族STYLE 01
正統派のフォーマルスタイル
「今回紹介する中で、最もフォーマル度の高いスーツスタイルです。結婚式のスーツの基本は黒ですが、こちらのスーツは、なかでもスーパーブラックという、より深く濃い黒です。3 つボタンのシングルで、ベスト着用。白シャツも結婚式のスーツに合わせる基本中の基本ですが、なかでもシワになりづらく、光沢のあるブロード生地のものに。ネクタイはシルバーのストライプ、チーフは白のリネン素材、足元はストレートチップとお手本のような、どんな式でも間違いないベーシックなスタイルです」



親族STYLE 02
ドレッシーな要素を少し加えて
「ブラックスーツに、白のブロードシャツですが、少しドレスアップの要素を加えて、ネクタイを立体的に見せ、華やかな印象を演出するタブカラーを選びました。また、ネクタイは白と黒の色づかいは意識しながらも、クラシカルなグレンチェック柄に。男性の昼の正礼装であるモーニングコートでしめる白黒のモーニングタイのカラーと色味を合わせることで正装の印象をキープしています。またチーフは白ですが、ドレッシーな雰囲気が出るように光沢感のあるシルク素材にしました」



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結婚式スーツTIPS | ネクタイ編
フォーマルを象徴する「シルバー」
グローバルな共通認識として、結婚式におけるフォーマルカラーは「シルバー」だと言われています。ゲストを迎える親族や主賓などの方は、この「シルバー」を選ぶのが良いでしょう。また、ゲストとなると、ドット柄もおすすめです。ちなみに、小粒になればなるほどフォーマル度が高いとされています。

友人編
友人編:
シチュエーションにあわせた略礼装
続いて、友人編。まず知っておきたいのは結婚式にゲストとして招待された際の最も格式高い礼装は、準礼装と言われるディレクターズスーツやタキシードです。主賓クラスや乾杯の発声、スピーチなどを任されるゲストが着用するものですが、こうしたフォーマルの基本を理解した上で、どう現代的に、または自分らしく参列に最適な着こなしができるかがポイントになります。
友人STYLE 01
格式が高いネイビースーツ
「日本でのセオリーでは結婚式=黒ですが、欧米諸国ではネイビーは格式の高い色として認識されています。そのことを踏まえて、中でも黒に近いとされるミッドナイトブルーのスーツを選びました。そこに白シャツを合わせて、ネクタイはスーツと色を合わせて小ぶりなドット柄。チーフは白ですが少し動きを加えた挿し方で華やかな印象に。シューズは正統派にストレートチップです」



友人STYLE 02
シックな中に遊び心をプラス
「ネイビーのスーツに、ベスト、シャツは薄いブルーのクレリックシャツです。クレリックシャツとは、襟と袖口が白で、それ以外の部分は柄や色付きのシャツのこと。このシャツは、実はフォーマル度の高いものとされていて、かつて英国のチャールズ皇太子が自身の結婚式で着用したこともあります。そこに遊び心溢れるドット柄のボウタイを合わせました。足元は正統派のストレートチップです」



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結婚式スーツTIPS | シャツ編
ダークスーツを引き立てる「白」
結婚式におけるシャツの基本は「白」「無地」です。襟はレギュラーカラー(写真左)が最も一般的ですが、式典からビジネスシーンまで汎用性が高いセミワイドカラー(写真中)、そして、華やかさを演出できるタブカラー(写真右)となります。なお、このタブカラーとは左右の襟をつなぐ紐(タブ)が施されているので、ネクタイを締めた後に下から紐をかけることでネクタイを立体的に見せることができます。

結婚式スーツTIPS | チーフ編
ポケットには必ず入れておくべき
「白いチーフ」
結婚式におけるポケットチーフの基本は「白」ですが、そもそも、結婚式や祝いの席でのポケットチーフはユナイテッドアローズとしてマストアイテムだと考えます。挿し方はさまざまですが、難易度が高そうと億劫にならず、必ず入れるもの、というスタートラインにぜひ立ってみてください。写真は、リネン(写真左)とシルク(写真右)です。


2次会パーティー編
2次会・パーティー編:
自由度の高さを、節度を持って楽しむ
最後は、結婚式、披露宴が終わった後のパーティーを想定した、スーツのコーディネートです。許容範囲が広いシチュエーションであることを念頭に、それぞれのスタイルを見ていきましょう。
2次会パーティーSTYLE 01
ダークブラウンのコンフォートスタイル
「結婚式のスーツカラーを考えると、黒>ダークネイビー>ダークブラウンと格式でいうとダークブラウンは3 番手だと思っています。このスーツでタイドアップをしないとなると、モックネックのニットがおすすめ。クルーネックに比べて襟元の高いデザインで、カジュアル感が出すぎず、上品に映ります。また、チーフはスーツと色をリンクさせつつ、艶やかな素材感で華やかさを演出するシルクに。
足元はダブルモンクストラップシューズで、スタイリッシュでフォーマルな印象に仕上がります」


2次会パーティーSTYLE 02
引き算と足し算のバランスが決め手
「普段使いもできる黒のセットアップに、バンドカラーというカジュアルなスタイルです。だからこそ、首元にアクセントを。伝統的なフォーマルスタイルにウィングカラーシャツにスカーフのようなアスコットタイを巻くというものがありますが、それを現代的に置き換え、スカーフを合わせました。さらに、足元はセオリーではタキシードに合わせるベルベットのスリッポンを選んでいます」



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結婚式スーツTIPS | シューズ編
この一足さえあれば、
間違いなしな「キャップトゥ」
今回紹介したほとんどのスタイルで提案しているストレートチップ(写真右)。別名キャップトゥと呼ばれ、つま先部分を横一文字に切り替えたタイプの、最もフォーマルでドレッシーなデザインです。結婚式や披露宴はこれ一択と考えますが、2 次会やカジュアルなパーティーとなれば、プレーントゥ(写真中)、モンクストラップ(写真左)もおすすめです。
