 
          成人式で着るスーツの選び方とコーデのポイント|初挑戦のスーツはどう着るのが正解?
成人式で失敗しないスーツの着こなし方をご紹介します。成人式は、はじめて本格的なスーツを用意する人が多いタイミング。サイズや色柄の選び方、当日のマナー、小物の合わせ方など、何を基準に決めればいいか迷いますよね。成人式にふさわしい一着の選び方と、すぐ実践できるコーディネートのコツをやさしく解説します。スーツ入門の“最初の教科書”としてぜひ参考にしてみてください。
成人式でのスーツの装いのコツは?
 
        成人式は大人への第一歩を祝う“晴れの日”であると同時に、成人としての節度も求められます。基本は、きちんと感のある上品な装い。そのうえで、シャツ、ネクタイやチーフなどでさりげなく華やかさを取り入れる。このバランス感覚が大切です。
スーツの基本的な着こなし方
 
        スーツ姿で何より大切なのは、正しいサイズで着ること。どんなに仕立てのよい一着でも、極端にタイトだったり、逆にゆるすぎたりすると見栄えが台無しに。
肩は盛り上がりや突っ張りが出ないことをチェック。着丈はお尻が7〜8割隠れる長さを目安に。袖丈はシャツのカフが約1cmのぞくのが理想。ウエストはボタンを留めて指1〜2本入る程度の余裕が適切。裾は革靴にワンクッション弱、細身ならノークッションでもすっきり見えます。正面だけでなく、横や後ろ姿まで鏡でチェックすることをおすすめします。
【ネイビースーツ】のおすすめ成人式コーデ
 
        実際にスーツを選ぶ際に、最もベーシックな一着としておすすめできるのが「ネイビースーツ」。成人式の後でも、社会人になっても着用しやすいのも魅力のひとつです。そんなネイビースーツをおしゃれに着こなす簡単なコツは、シャツやネクタイも同系色で揃えること。写真のように、シャツはシンプルに無地、ネクタイでやや大粒のドット柄を取り入れると、華やかかつ上品な着こなしができます。
 
        ネクタイにゴールドやイエロー系の色味を差すのもおすすめです。強い柄に頼らなくてもVゾーンに明るさが生まれ、ぐっとエレガントな印象を演出できます。あわせて、スーツはやや明るめのネイビーを選べば、華やかさがいっそう際立ち、写真映えも期待できます。
【グレースーツ】のおすすめ成人式コーデ
 
        「グレースーツ」も「ネイビースーツ」と同じく、スーツの基本色のひとつです。シックで落ち着いた印象を与えられるので、大人っぽく見せたい方に最適です。汎用性が高く、合わせる色を選ばないのも魅力です。ピンクやエンジなどの暖色系シャツやネクタイを合わせれば、“晴れの日”らしい華やかさを上品にプラスできます。より華やかに装いたい場合は、ライトトーンのグレースーツを選ぶのもおすすめです。
 
        あえて白シャツに黒ネクタイを合わせるのも、グレースーツをおしゃれに見せる有効なテクニック。グレーが持つシックで大人な印象がいっそう際立ちます。その際は、胸元にアクセントが生まれるやや存在感のある柄のネクタイを選ぶのがおすすめ。スーツ自体も、控えめなグレンチェックや千鳥格子など、悪目立ちしない程度に表情のある一着を選ぶと、コーディネートにメリハリが生まれます。
【ブラウンスーツ】は個性の演出にぴったり
 
        せっかくの成人式だからこそ、ほかの人とかぶらない装いを楽しみたい。そんな方は「ブラウンスーツ」に挑戦してみてはいかがでしょう。ネイビーやグレーにはない洒落感が生まれ、グッと個性のある着こなしが実現します。特にブラウンはパープルとの相性が抜群。白シャツにパープルのネクタイを合わせるだけで、華やかさと大人っぽさを両立した垢抜けた印象に仕上がります。
 
        パープルのネクタイが派手に見えないか心配な方は、部分的にパープルを効かせた一本を選びましょう。写真のように、ストライプの一部にパープルが入ったデザインなら、悪目立ちせず華やかさだけを上手にプラスできます。また、サックスブルーのシャツを合わせると彩度がほどよく中和され、Vゾーンがやわらいだ印象に。落ち着きと華やかさのバランスが取りやすくなります。
【ダブルブレストスーツ】でワンランク上の装いに
 
        よりエレガントに、よりクラス感のある着こなしを狙いたい。そんなワンランク上の着こなしを求めるなら、「ダブルブレストスーツ」に挑戦を。柄はスーツかネクタイのどちらか一方に絞り、シャツはサックスブルーで爽やかさをプラスしましょう。若々しさをほどよく残しつつ、きちんと感のある大人のスタイリングに仕上がります。ボタンは基本的に上側を留め、下側は外すとバランスよく見えます。
「上品さ×おしゃれさ」そのバランスを楽しもう
成人式は、大人への第一歩を印象づける節目です。まずは正しいサイジングを押さえた基本の着方を学びつつ、晴れの日にふさわしいおしゃれも楽しみましょう。大切なのは「きちんと感」と「華やかさ」のバランスです。小物や色使いでさりげなく格上げすれば、成人式ならではの好印象なスーツスタイルが完成します。
 
          橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。