 
          スーツを着るときのカバンの選び方|カバンの種類別で見るスーツとの組み合わせのコツ
スーツ着用時のカバン選びのコツを解説します。スーツに合わせるカバンというと、ひと昔前まではレザーのブリーフケース一択が“正解”とされていたことも。しかし、装いのカジュアル化が進んだ今はその選択肢もかなり広がりました。だからこそ迷いやすい、スーツスタイルに相応しいカバンの選び方を、カバンの種類別にご紹介します。
カバンはスーツの着こなしとの相性を考えよう
 
        スーツに合わせるカバンは、装いのフォーマル度に合わせて選ぶのが基本です。ビジネスの場では、きちんと感を損なわないフォーマルなバッグを選びましょう。一方、今どきのビジカジの装いでは、適度なカジュアル感がある素材・デザインのバッグを合わせると、着こなし全体にまとまりが生まれます。
「ブリーフバッグ」はビジネスでのきちんとした装いに
 
        ダークカラーのスーツにしっかりとネクタイを締めたフォーマルなビジネススタイルには、端正なレザーの「ブリーフバッグ」を持つのが基本。入社試験から商談まで幅広い場面で活躍し、装いの信頼感を損ないません。肩パッドや裏地を備えたウールのテーラードスーツと相性がよく、自立する形・必要書類がきれいに収まるマチ幅のものを選ぶと、機能面でも重宝します。
「トートバッグ」はビジカジのリラックスした装いに
 
        ほどよい“きちんと感”とカジュアルさを併せ持つ「トートバッグ」は、ビジネスのカジュアル化が進む今の装いと相性抜群です。化繊混の軽やかなイージースーツをノータイで着こなし、足元をスニーカーにしたリラックス感のあるビジカジスタイルによく馴染みます。なかでもレザーのトートを選べば、ビジネスにふさわしい上品さも保てます。
「リュック」と「ショルダー」はフォーマルの装いには注意を
 
           
          近年ビジネスシーンでも高い人気を誇る「リュック(バックパック)」ですが、スーツに合わせる際はバランスに注意が必要です。元々カジュアルアイテムである「リュック」は、テーラードスーツをタイドアップしたフォーマルな着こなしにはややミスマッチになることも。ノータイの着こなしや、イージースーツを用いたビジカジに合わせるのがおすすめです。
 
        「ショルダーバッグ」も「リュック」と同じく、フォーマルなスーツスタイルにはミスマッチになることも。ショルダーストラップの掛け方によっては、肩パッドの入ったテーラードスーツのシルエットや、ネクタイをきちんと締めたVゾーンを崩してしまうことがあります。程よいカジュアル感のあるビジカジのスーツスタイルに合わせる方が無難です。
「クラッチバッグ」は結婚式でも重宝
 
        結婚式のような手荷物の少ないパーティーシーンで活躍するのが「クラッチバッグ」。ドレスアップしたハレの場のスーツスタイルに、大きなカバンは野暮というもの。必要最小限(スマホ・財布・名刺入れ)が収まる薄マチの「クラッチバッグ」を小脇に抱えるだけで、スーツ姿をスマートに演出することができます。
形/色/素材の組み合わせも考慮しよう
 
        ここまで解説したような、“カバンの種類 × スーツの装い”はあくまでカバン選びの基本。さらに、そのカバン自体の「形」、「色」、「素材」によっても、合わせられるスーツの着こなしの幅が変わることも考慮すると良いでしょう。例えば「ブリーフバッグ」でも、写真のようなナイロン素材になることで、どこか軽快な印象に。フォーマルな装いだけでなくビジカジのような着こなしにも対応可能になるのです。
 
        「レザートート」もベージュのカラーリングであれば、ビジカジだけでなく休日のカジュアルなスーツスタイルにも対応可能に。オフの日らしいリラックスした雰囲気で着こなしを楽しむことができます。
 
        フォーマルな着こなしに「リュック(バックパック)」を合わせるなら、「スクエア型」を選ぶのが正解です。直線的で自立感のあるフォルムは“きちんと見え”し、ネクタイを締めたスーツスタイルにもよく馴染みます。さらに、スクエア型でレザー素材のものなら、よりドレッシーな装いにも違和感なく合わせられます。
カバン選びは“装いのフォーマル度”を基準に
スーツに合うカバン選びは、“装いのフォーマル度”を基準にするのが基本です。正装にはブリーフケース、ビジカジにはトートやスクエア型のリュックが好相性。さらに「形」「色」「素材」次第でもカバンの印象は大きく変わります。自分のスーツスタイルに沿った一つを選び、フォーマルな場では過度にスポーティなものは避けて、TPOに合う相棒を見つけましょう。
 
          橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用。