スーツでカーディガンを着るのはアリ?基本マナーと選び方・着こなし方のコツ【メンズ】
スーツのときにカーディガンを合わせるのがOKなシーンの見極め方、失敗しない選び方、そしておすすめの着こなし術を紹介します。寒さ対策にも、Vゾーンに奥行きをつくるうえでも心強いカーディガン。ただし、スーツのインナーとして取り入れるにはちょっとしたコツが要ります。相性の悪いデザインを選ぶと、全体がどこかチグハグに見えてしまうことも。
スーツ×カーディガンの装いが許されるシーンは?
スーツのインナーにカーディガンを取り入れた着こなしは、デスクワークの日を中心に、ビジネスシーンでも多くの場合で許容されます。
ただし、入社式・表彰式などの式典、採用面接、取引先への初回訪問、プレゼン、重要な商談、役員会、などきちんとした印象で臨みたいシーンは避けるように心がけましょう。
カーディガンを取り入れるメリットとデメリット
カーディガンは、Vゾーンからネクタイがのぞくため、スーツのインナーに入れても3ピースのベストのように端正に見えるのが持ち味。それでいてベストより保温性に優れ、肌寒い日には重宝します。さらに、ジャケットを脱いでもシャツの露出が抑えられて身だしなみ良く見えるので、ノージャケットで過ごす時間が長い内勤の日にも重宝します。
一方で、ニット特有のリラックス感が出るため、フォーマル度の高い場にはやや不向きとなります。
スーツに合うカーディガンの選び方
スーツに合わせるカーディガンを選ぶ際に、最も注意しなければいけないのはその生地感。ジャケットのインナーにしても着心地を損なわない、ハイゲージ(薄手の生地)のカーディガンがおすすめです。また、よりドレッシーに着たいなら、毛羽立ちの少ないウールのものを。ダークカラーの無地のデザインなら、ビジネススタイルにもより馴染みます。
スーツのときに避けた方がよいカーディガン
ショールカラーの襟や厚手の生地のカーディガンは、ラペルと干渉して肩まわりがもたつき、Vゾーンの見え方も崩れがち。インナーにすると全体が膨らみ、シルエットが野暮ったく見えてしまいます。これらはスーツの下ではなく、カーディガンを主役にしたアウター使いで活かしましょう。
スーツ×カーディガンをおしゃれに着こなすコツ
スーツ×カーディガンを手軽におしゃれ見えさせるなら、同色のタートルネックを取り入れるのがおすすめです。たとえば黒のカーディガンの下に、同じく黒のタートルネックを重ねてインナーをワンカラーコーデに。いつものグレースーツに合わせるだけで、ぐっとモダンな雰囲気を演出できます。その際は、カーディガンとタートルネックの生地感を同じ、もしくはできるだけ近づけることを心がけましょう。
タートルネックではまだ少し暑い、そんな日にはクルーネックセーターにスカーフを首元からのぞかせる着こなしがおすすめです。スカーフが肌の露出をほどよく抑え、スーツにふさわしいドレッシーさをキープ。ほどよい華やぎも加わるので、カジュアルなパーティーや会食シーンでも活躍します。
ノータイのジャケットコーデにも重宝
カーディガンは、スーツの装いはもちろん、ノータイのジャケットスタイルにも重宝します。ネクタイがない物足りなさを補い、ノータイで陥りがちな冴えない印象となることを防いでくれます。ジャケットと同系色を選べば、全体に統一感が生まれ、グッと洗練された着こなしとなります。
カーディガンで秋冬のスーツスタイルをブラッシュアップ
スーツ×カーディガンの組み合わせは、インナーに一枚足すだけで暖かく、近年のノータイやビジカジの装いとも好相性。上手に活用すれば、いつものスーツをワンランク上の印象へ引き上げてくれます。秋冬スーツの“名脇役”であるカーディガン、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。