スーツの上にダウンを着るのはあり?スーツ×ダウンの選び方・着こなし方と注意点
迷いがちなスーツ×ダウンの着こなし術をご紹介します。冬の通勤や外回りで「スーツの上にダウンはアリ?」と迷う方は多いはず。その結論は“アリ”。ただし、場面の見極めとアイテム選び、着方にコツが必要です。スーツの着こなし方ごとの好相性なダウン選びのポイントや、コーデのテクニックを整理して解説します。
スーツに合わせるダウンの選び方
近年は街でも、スーツやジャケットの上にダウンを合わせる人が増えています。とはいえダウンはあくまでカジュアルアウター。選び方や着用シーンを誤ると、TPOにそぐわない“ちぐはぐ”な装いに見えることもあります。会社の式典や重要な商談に出向く際は着用を避け、まずはTPOに沿った着こなし方を押さえましょう。
ビジネスで違和感なく合わせられるダウンを見極める鍵は「着丈」「素材」「装飾性」の三つ。ジャケットと相性のよい着丈、上品でマットな素材、控えめなディテールのものを選べば、ビジネスシーンでも自然に羽織れます。軽くて暖かいダウンの快適さを、通勤や外回りのスーツスタイルにもぜひ取り入れてみてください。
ジャケットが隠れる「長めの着丈」を選ぶ
スーツにダウンを合わせるときは、まず着丈に注意しましょう。ジャケットの裾がきちんと隠れる長さを選べば、ちぐはぐな印象を避けられます。着丈が長いほど見え方はドレッシーになるため、初めて取り入れる方は“長め丈”のダウンから挑戦するのがおすすめです。
ビジネスライクになる「マットな質感」の一着を選ぶ
また、シェルの生地感もスーツに合うダウンを選ぶ際の重要なポイント。ナイロンやポリエステルでも光沢を抑えたマットな質感なら、落ち着いた印象で取り入れることができます。
また、カラーはネイビーやグレーなどのダークトーンのベーシックカラーが◎。強いテカりや派手な色はカジュアルな印象になるので避けるのが無難です。
装飾の少ない「ミニマルなデザイン」を選ぶ
よりドレッシーに落ち着いて見せるなら、装飾の少ないデザインの一着を。大ぶりのロゴや過度なドローコードが目立つものはカジュアルな雰囲気になるので注意が必要です。ダウンパックの節がないデザインのものや、ポケットが斜めの切れ込みのようになったスラント仕様のものは、コート感覚で着られるのできちんとしたスーツスタイルにも取り入れやすいと言えるでしょう。
タイドアップには「襟付きダウン」が好相性
スーツの着こなし方によっても、相性の良いダウンアウターの種類は変わります。
例えばきちっとタイドアップしたフォーマルなスーツスタイルには、襟付きのダウンアウターが好相性。ネクタイを締めてドレスアップした胸元の雰囲気を損なわずに、コートのようにスーツの上に羽織ることができます。
タートルネックには「スタンドカラーダウン」で襟元に統一感を
タートルネックを取り入れたノータイのスーツスタイルは、スタンドカラーのダウンアウターがおすすめ。首元を覆うタートルとダウンのスタンドカラーの高さが揃うことで、レイヤードに統一感が生まれます。
クルーネックには「フーディーダウン」を
クルーネックのセーターをインナーにしたカジュアルなスーツスタイルには、フード付きダウンを合わせて肩の力の抜けた装いに。アウター自体がカジュアルなデザインのため、ドレスダウンしたスーツの着こなしにマッチします。
ダウンは“選び方次第”でスーツ映えする
カジュアルアウターの代表格であるダウンも、選び方を押さえればスーツに難なく馴染み、通勤や外回りでも重宝します。ビジネスの装いがカジュアル化した近年は特に、ダウンアウターが取り入れやすい時代に。今までスーツにはコートを羽織っていたという方も、ぜひダウンの快適さをスーツでも味わってみてください。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。