ネクタイやシャツとは異なり、タートルネックをインナーに取り入れることで、ほどよく力の抜けたリラックス感のある着こなしができるのが大きな魅力。首元を覆うためあたたかく、秋冬のスーツスタイルにぴったりな着こなしです。
また、クルーネックニットをインナーにする場合と比べて、ジャケットの襟元が直接肌に触れにくく、汚れやダメージを抑えながら着られるのも優れたポイントです。

タイドアップスタイルに比べて、カジュアルな印象になりやすいのでTPOを踏まえて着こなしに取り入れるように注意が必要です。

近年はビジネススタイルのカジュアル化が進んでいますが、だからといって、どんな場面でもタートルネックをスーツに合わせてよいわけではありません。会社の式典や総会、初対面のクライアントとの商談、結婚式など、きちんとした装いが求められるシーンでは、タートルネックはどうしてもカジュアルな印象に映ります。
まずは職場のドレスコードを踏まえたうえで、デスクワーク中心の日やビジカジが許される場面で取り入れるのが効果的です。

スーツのインナーに最も取り入れやすいのが、細かな編み地で、薄手に編み上げられたハイゲージのウールタートルネックです。ジャケットの中に着ても着膨れしにくく、すっきりとしたシルエットを保てます。また、コットンニットに比べて見た目がよりドレッシーなので、きちんと仕立てられたテーラードスーツにも自然に馴染みます。

また、生地感以外で気をつけたいのがシルエットです。近年は全体的にゆったりとしたサイズ感がトレンドですが、スーツのインナーに着るなら、適度に身体に沿うフィット感のものが最適。ジャケットを羽織ったときに、袖周りや見ごろのところで生地がもたつかないかどうかを基準に選ぶと失敗しにくくなります。

スーツ×タートルネックの着こなしを、よりおしゃれに見せるなら「カラーニット」が効果的。ネイビー、ホワイト、グレー、ブラックなどのベーシックカラーのニットに比べて華やかな印象となり、カジュアルなパーティシーンにもぴったりな着こなしになります。

ビジネスシーンで取り入れるなら、まずは無地のタートルネックセーターが基本です。ただ、それだけだと周りとかぶってどこか物足りない……と感じることもあるのでは？そんなときは、編み地でさりげなく変化をつけるのがおすすめ。なかでも「ケーブル編み」のニットは上品さがあり、スーツスタイルの品格を損なわずに、ほんのりとした個性をプラスしてくれます。

休日のカジュアルなスーツスタイルなら、「ボーダー」で遊び心を添えるのも一つの手です。スーツのかっちりとした印象をほどよく和らげてくれるので、力の抜けた雰囲気が生まれ、オフの日らしい“かしこまりすぎない”着こなしを楽しめます。

タートルネックは、ネクタイとはひと味違う“抜け感”と、防寒性を両立できる心強いインナーです。とはいえ、どんな場面でもOKというわけではなく、式典や重要な商談などフォーマル度の高い場では、従来どおりシャツ＋タイが基本。職場のドレスコードやシーンを踏まえつつ、ビジカジや休日の装いから少しずつ取り入れるのがおすすめです。着こなしも簡単で、いつものスーツもぐっと今どきの表情に。冬の相棒として、タートルネック×スーツのレイヤードをぜひ試してみてください。