大学の卒業式に相応しい男子のスーツの着こなしとは?社会に出る晴れ舞台でのおしゃれな装いのポイント
大学の卒業式で失敗しないメンズスーツの着こなし方をご紹介。これから社会人としての第一歩を踏み出す節目である卒業式は、ハレの舞台でありながら、一人の大人としての良識も求められるシーン。華やかさと品格のバランスを意識しつつ、成人式や就職活動での装いとの違いも踏まえながら、卒業式にふさわしいスーツの選び方と着こなしのコツを解説します。
卒業式は正統派スーツのドレスアップを楽しもう
これから社会人としての第一歩を踏み出す節目である大学の卒業式。だからこそ、ただ華やかさを盛るのではなく、大人にふさわしい節度あるスーツスタイルが求められます。その意味でも、ビジネスシーンでも活用できる正統派のテーラードスーツを軸にするのがおすすめ。きちんと感のある一着をベースに、シャツやネクタイ、小物使いでさりげなくドレスアップすることで、品格を保ちつつハレの場にふさわしい装いを楽しみましょう。
成人式や就職活動でのスーツスタイルとの違いは?
▲成人式での華やかなスーツスタイル
▲就職活動でのリクルートスーツスタイル
学生時代にスーツを着る機会といえば、成人式と就職活動が代表的。初めてスーツを着た成人式では、とにかく華やかさを狙ったという方も多いのではないでしょうか。一方で、社会人への入り口となる就職活動では、無難なリクルートスーツ一択だったという人も少なくないはずです。
大学の卒業式で目指したいのは、そのどちらとも違うバランス。落ち着きと華やかさのちょうど良いところを押さえた、節度あるドレスアップスタイルがポイントになります。
「ネイビー無地スーツ」をドレスアップ
社会人になってからも出番の多いネイビーの無地スーツは、王道ゆえに、そのまま着るとどうしても無難な印象になりがちに。かといって、シャツやネクタイで柄を盛り込みすぎると、ちぐはぐなコーディネートになってしまうことも。
そこで覚えておきたいのが、“同色系ブルーコーデ”でまとめるテクニックです。シャツやネクタイ、チーフをネイビースーツと相性の良いブルー系で統一すると、柄を取り入れても全体に一体感が生まれ、卒業式らしい華やかさと上品さを両立した着こなしに仕上がります。
「グレー無地スーツ」をドレスアップ
どんな色のアイテムとも上品に馴染みやすい「グレー無地スーツ」は、思いきって鮮やかな色のネクタイで華やかさを強く打ち出すのもおすすめです。
写真のように、お祝いの日にぴったりなシャンパンゴールドのネクタイを合わせても、グレースーツなら浮かずにすっきりと収まります。その際は、シャツをあくまでシンプルな白にして、ネクタイを主役に引き立てることがポイント。メリハリの効いたVゾーンで、卒業式らしい特別感のある装いに仕上がります。
「柄物スーツ」は正統派のストライプかチェックを
① 仕事でも着やすい「ペンシルストライプ」
柄物のスーツにチャレンジするなら、卒業式のあとも社会人として着続けられる一着を選ぶのがおすすめです。
柄の印象が強すぎない「ペンシルストライプ」のスーツなら、若手社員でも取り入れやすく、ビジネスシーンにもなじみやすい一着に。合わせるネクタイは、あえてストライプ以外のペイズリー柄や幾何学柄を選ぶことで、スーツのストライプとの間にメリハリが生まれ、こなれたVゾーンを演出できます。
② 大人らしい印象を狙える「グレンチェック」
大人らしい着こなしで周囲と差をつけるなら、「グレンチェック」のスーツを取り入れるのも効果的です。ネクタイにはパープルやバーガンディといった色気のある色を選ぶことで、より大人のムードが漂う着こなしを実践できます。
シャツやチーフによる簡単なドレスアップ術
①「タブカラーシャツ」でタイドアップを格上げ
ネクタイを締めたタイドアップスタイルを、手軽に格上げしたいときにおすすめなのが「タブカラーシャツ」です。第一ボタンの前に付いた小さなタブでネクタイの結び目をぐっと持ち上げることで、Vゾーンに立体感が生まれてよりエレガントで大人っぽい印象に。
卒業式のようなハレの日はもちろん、社会人になってからの勝負シーンにも活躍してくれるアイテムです。
②「クラッシュ」でチーフを刺して華やかさをUP
スーツスタイルにおいて、意外とおざなりにされがちなのがチーフの活用です。じつは、胸ポケットに一枚挿すだけで、装いをぐっとおしゃれに見せてくれる頼れるアイテム。ぜひ卒業式をきっかけに挑戦してみましょう。
なかでも華やかな日におすすめなのが、チーフの端を無造作に立ち上げる「クラッシュ」の挿し方。ネクタイなどVゾーンを主役に見せたいときは白のチーフで控えめに、全体をより華やかに見せたいときは、色柄物のチーフを「クラッシュ」で挿して、装いにアクセントを加えてみてください。
社会人への節目こそ、品格と華やぎのバランスを
社会人への節目となる卒業式では、落ち着いた品格と、門出にふさわしい華やかさのバランスが何より大切です。ベースはネイビーやグレーの正統派スーツでTPOを押さえつつ、シャツやネクタイ、チーフでほんの少しだけ彩りを添えることで、大人らしいドレスアップスタイルが完成します。派手さだけでなく、きちんと感もある装いを意識して、今日の一着が卒業式だけでなく、これからのビジネスシーンでも自信をくれる相棒になるように、大人らしいスーツのドレスアップをぜひ楽しんでください。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。