スーツにトレンチコートをあわせるときの着こなしのポイント|選び方のコツとベルトの扱い方
メンズスーツにトレンチコートを羽織るときの着こなし方をご紹介します。アウターの代表格であるトレンチコートは、男らしい佇まいが魅力ですが、ビジネスシーンなどでスーツの上に羽織ってよいのか迷ったことがある方もいるのではないでしょうか。ただ羽織ればよいということではなく、トレンチコートとスーツの相性を考え、それぞれを的確に選んで着こなすためのポイントを解説します。
「トレンチコート」とは?
「トレンチコート」は、第一次世界大戦でイギリス陸軍が塹壕(トレンチ)戦の装備として着用していたコートに由来するといわれています。ウエストベルトや肩のエポレット(肩章)など、ミリタリー由来のディテールが特徴で、羽織るだけで装いがキリッと引き締まるのも魅力。
近年は写真のようにエポレットを省いたモデルや、シングルブレストでシンプルに着られるタイプも登場し、肩肘張らずに適度なカジュアル感で取り入れやすくなっています。
スーツにトレンチコートを合わせるときのポイント
「サイズ感」に注意
トレンチコートをスーツの上にきれいに羽織るなら、まず意識したいのがサイズ感です。肩幅が大きすぎて落ちて見えたり、身幅がゆるすぎて膨らんだりすると、途端にだらしない印象に。
反対にタイトすぎるとジャケットのシルエットを潰してしまいます。目安は、スーツの上から羽織っても肩まわりが突っ張らず、身頃が程よくすっきり見えるバランスが◎。
「ロングトレンチ」はタイドアップと好相性
トレンチコートは着丈の違いで「ロング」と「ショート」に分かれますが、どちらを選べばいいか迷う方も多いのでは? 選びのポイントは、スーツの着こなし方。膝が隠れるほど着丈が長い「ロングトレンチコート」は、ドレッシーな雰囲気と好相性。ネクタイを締めたタイドアップのきっちりしたビジネススーツスタイルに、端正にマッチします。
「ショートトレンチ」はノータイのビジカジに◎
一方、軽快さが魅力の「ショートトレンチコート」は、ノータイ中心のビジカジスタイルと好相性です。スーツのカジュアルなムードに合わせて、コートも短丈で軽やかにまとめることで、全体のバランスが取りやすくなります。
ベルトはどうするのが正解?
軽く前で結ぶのが一般的
トレンチコートの着こなしで最も悩むのがベルトの結び方。一般的なのは、ベルトを軽く前で結ぶ留め方。堅苦しくなりすぎず、程よい抜け感を保ちながら着ることができます。
きちんと感を出すなら前で留める
きちんと感を演出したいドレッシーな着こなしのときは、ベルトを前でバックルに通して留めるのがおすすめです。ウエストが引き締まり、トレンチ特有の端正さが際立って、スーツスタイルもより品よくまとまります。
前を開けて着るならベルトはポケットに収納を
ノータイのビジカジスタイルなど、フロントを開けてカジュアルにトレンチコートを着る場合は、ベルトはポケットに収納するのがおすすめです。レディースの着こなしでは後ろでベルトを結ぶスタイルもありますが、メンズでは後ろで結ぶと男性らしい印象が損なわれる場合も。すっきり端正に見せたいなら、ベルトは結ばずポケットに収めて軽快に着こなしましょう。
トレンチは「スプリングコート」としても活躍
トレンチコートは、実は「スプリングコート」として選びやすいアイテムでもあります。コットンやナイロンなどの軽やかな素材で仕立てられたモデルが多く、冬の重たいコートほど防寒に寄りすぎず、春先の気温差にちょうどいいのが魅力。ナイロンの生地であれば雨の日の心強い相棒にもなってくれます。
トレンチコートは羽織るだけでスーツを格上げ
ミリタリー由来のトレンチコートは、男らしい佇まいが魅力で、スーツの上に羽織るだけで装いが様になります。ロングならタイドアップのドレッシーなスーツに、ショートならノータイのビジカジにと、着丈で印象をコントロールできるのも便利なところ。サイズ感を押さえ、ベルトの扱いをシーンに合わせて整えれば、ビジネスからカジュアルまで自然に馴染みます。春先の“スプリングコート”としても活躍する一着なので、季節の変わり目の相棒としてぜひ取り入れてみてください。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。