スーツの柄の種類とそれぞれの着こなし方|スーツの印象を変えるストライプ柄&チェック柄の種類
スーツの代表的な柄についてご紹介します。デザインが大きく変わらないスーツだからこそ、生地の柄は印象を大きく変えられる“近道”。ただ、柄物に挑戦したい気持ちはあっても、「派手になりすぎない?」「仕事で浮かない?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。柄が与える印象の違いを整理しつつ、ストライプとチェックの代表柄を中心に、上手な着こなし方とおすすめの着用シーンを解説します。
スーツは柄でどう印象が変わる?
ダークスーツが多いビジネスシーンでは、装いがいつも似た雰囲気になりがちです。そんなとき、印象を変えたい人の頼りになるのが、生地の「柄」。
会議やプレゼンなど畏まった場でも、きちんと感を保ちながら少し印象に残したいなら、控えめなストライプ柄が取り入れやすいでしょう。会食のような日は、チェックなど少し遊びのある柄を選ぶと、ほどよくこなれた雰囲気にまとまります。
このように、柄は“どんな場で、どう見せたいか”で使い分けるのがポイントです。
「ストライプ柄」の種類と着こなし
ストライプ柄は縦のラインが強調されるぶん、端正でシャープな印象に見せやすいのが特徴です。きちんと感を保ちながら、装いにほどよい緊張感やスマートさを加えたいときにぴったり。ビジネスの場でも取り入れやすく、普段の無地スーツから少しだけ印象を変えたい方にもおすすめです。
ピンストライプ
「ピンストライプ」は細い線が等間隔に入る、最も取り入れやすいストライプ柄。ストライプ柄がくっきりしるぎないためビジネスでの使い勝手もよく、初対面の挨拶や商談など“きちんと見せたいけれど印象にも残りたい”そんな場面に向きます。
柄物スーツの入門であれば、シャツの合わせは白か淡いブルーの無地に。ネクタイも無地〜小紋柄程度でまとめると、ストライプの品のよさが活きます。
ペンシルストライプ
線が少し太くなるだけで、スーツの表情はぐっと分かりやすくなります。そんな“ほどよい存在感”を楽しめるのが「ペンシルストライプ」です。無地より印象を出したいけれど、派手には見せたくない方にちょうどいいバランス取り入れられる柄です。
社内の会議や会食など、きちんと感を保ちつつ、こなれた雰囲気も添えたい日におすすめ。スマートで、どこか切れ者な印象を与えてくれる柄です。シャツは端正な白や淡いブルーの無地と好相性。スーツ自体のストライプ柄がやや強く見えるため、ネクタイに柄を取り入れる場合は、ストライプ以外の小紋柄などを選ぶとVゾーンがうまくまとまります。
チョークストライプ
「チョークストライプ」は、粉で線を引いたような柔らかな見え方が特徴のストライプ柄です。クラシックな貫禄を感じさせる柄で、英国ではかつて銀行員に好まれたことから「バンカーストライプ」と呼ばれることもあります。存在感があるぶん、初対面の人と会うときというよりは、会食や少し改まった席などで“落ち着き”や“頼もしさ”を演出したいシーンにも最適です。
Vゾーンは引き算を意識し、白シャツ+無地のネクタイで合わせるとすっきりまとまります。また、ストライプの線に存在感がありながらも見え方は柔らかいので、インナーにニットを着たノータイスタイルとも実は好相性。ネクタイがないときの物足りなさを、チョークストライプ柄がほどよく補ってくれます。
「チェック柄」の種類と着こなし
チェック柄は、ストライプ柄がシャープな印象を与えるのに対して、マイルドで親しみやすい雰囲気を演出しやすいのが特徴です。また、柄の見え方がわかりやすいため、無地スーツとは違うおしゃれ感を出しやすいのも魅力。落ち着きを重視するなら細かなチェックを、華やかさを楽しみたいなら大きめのチェックを選ぶなど、柄の大きさによって与えたい印象が演出できます。
グレンチェック(プリンス・オブ・ウェールズ)
「グレンチェック」は、「グレンプレイド」とも呼ばれる歴史あるチェック柄。英国では、ウィンザー公が好んで取り入れたことから「プリンス・オブ・ウェールズ」とも呼ばれています。大・小のチェックが重なるように構成された柄で、大人らしい落ち着きと知的な印象を与えてくれるのが魅力。ストライプほどシャープになりすぎず、どこか親しみやすさも感じさせます。
ビジネスから会食まで守備範囲が広く、無地スーツから印象を変えたい方の“次の一着”にもおすすめです。合わせるなら、知的なムードを後押しする白や淡いブルーの無地シャツを基本に。ネクタイは無地か小紋柄でシンプルにまとめると、「グレンチェック」のクラシックな雰囲気がより引き立ちます。
千鳥格子(ハウンドトゥース)
「千鳥格子(ハウンドトゥース)」は、遠目には無地に近く見え、近づくと柄がわかる“さりげなさ”が魅力のチェック柄です。「ハウンド」は猟犬、「トゥース」は歯を意味し、その名の通り犬の牙が並んだような柄行が特徴。柄物をあまり着ない方でも取り入れやすい柄といえるでしょう。
細かな柄によって印象がやわらかくなるため、部下とのミーティングなど、親しみやすさを打ち出したい場にもおすすめです。遠目には無地に見えやすいぶん、ネクタイは大柄のものなど存在感のある一本を合わせても◎。端正さを保ちながら、Vゾーンで少し遊びを加えられます。
ウィンドウペーン
チェック柄で“華やかさ”を足したいときは、格子の大きさが鍵になります。窓枠のような大きめのラインが特徴の「ウィンドウペーン」は、存在感が出やすい柄。スーツにすると主張が強くなるため、まずはジャケットで覚挑戦するのもおすすめです。
社内中心の日や休日のきれいめカジュアル、会食などで洒落感を出したいときにも◎。合わせるアイテムは無地が基本。スーツとシャツ、ネクタイの色を同系色にすると「ウインドウペーン」の柄が着こなしの中で悪目立ちせずに、うまく馴染んだ印象で着られます。
シェパードチェック
スーツではあまり取り入れられませんが、ジャケットに多く採用される柄として覚えておきたいのが「シェパードチェック」です。細かな格子が連続する柄で、無地より表情がありながら、派手に見えにくいのが特徴。チェック柄のなかでも比較的落ち着いた印象で取り入れられます。
ノータイのビジカジにも、休日のカットソー合わせにも対応しやすく、肩の力が抜けた“きれいめ”スタイルを作れるのが魅力です。着こなしでは、シェパードチェックに使われている色をインナーや小物で拾うのがポイント。全体に統一感が生まれ、柄ジャケットでもまとまりのある装いに仕上がります。
ヘリンボーン
「ヘリンボーン」は、生地の織り方から生まれる柄の代表格です。V字が連なるような織り柄で、遠目には落ち着いて見え、近づくと立体感がわかるのが特徴。ビジネスでもカジュアルでも使いやすく、無地だと少し物足りないけれど、ストライプやチェックほど主張はいらないという方におすすめです。
柄物のシャツやネクタイとも合わせられますが、白シャツ+無地ネクタイのシンプルなコーディネートでも十分に雰囲気が出るのが魅力。生地自体にさりげない表情があるため、素材感のニュアンスがあるニットタイともマッチします。
柄の使い分けで自己演出を
ひとえにストライプ柄、チェック柄といっても、線の太さや格子の大きさによって種類はさまざまです。そして、それぞれの柄は、着用したときに与える印象も少しずつ異なります。端正に見せたいなら細いストライプを、親しみやすさを出したいなら控えめなチェックを、といったように、柄の特徴を知っておくとスーツ選びの幅はぐっと広がるはず。自分が演出したい印象に合わせて、柄を上手に使い分けてみてください。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。