スーツのポケットのフタは出す?出さない?ポケットのマナーとスーツの印象を変えるポケットの種類
スーツのポケットの扱い方をご紹介します。腰ポケットのフタ(フラップ)は出すべきか、しまうべきか。財布やスマートフォンをポケットに入れていいのか迷う方も多いのではないでしょうか。ポケットは、スーツ姿の印象を左右する大切な部分。ポケットのフタの正しい扱い方と、入れてよいもの、避けたいものなど、マナーや注意点を解説します。
腰ポケットの“フタ”は出す? しまう?
「フタ」を出した着こなし
「フタ」をしまった着こなし
腰ポケットについている“フタ”は、正式には「フラップ」と呼ばれます。本来は、雨やほこりがポケットの中に入るのを防ぐためのもの。そのため、昔ながらの考え方では、屋外では出し、屋内ではしまうとされています。
ただし、現代のビジネスシーンでは、そこまで厳密に気にしなくても問題ない場合がほとんど。大切なのは、左右をそろえることです。片方だけ出ていたり、折れ曲がっていたりしないように注意しましょう。
財布やスマホは「腰ポケット」ではなく「内ポケット」に
腰ポケット
内ポケット
財布やスマートフォンを持ち歩く場合は、「腰ポケット」ではなく「内ポケット」を使うのが基本。「内ポケット」なら外側に形が出にくく、見た目もすっきり保てます。
ただし、「内ポケット」にも詰め込みすぎは禁物。長財布や大きめのスマートフォンなど、厚みのあるものを入れると胸まわりがふくらみ、スーツの形が崩れて見えることがあります。必要最低限のものだけを入れ、厚みのある小物は鞄に移すと、スーツ姿がよりスマートに見えます。
「パンツポケット」への物の入れすぎも注意
ジャケットだけでなく、パンツポケットへの物の入れすぎにも注意が必要です。前ポケットにスマートフォンや鍵を入れると、腰まわりがふくらんで見えやすくなります。後ろポケットに財布を入れると、座ったときに生地へ負担がかかり、型崩れの原因になることも。
パンツのラインが崩れると、せっかくのスーツも野暮ったい印象に見えてしまいます。小物はポケットに詰め込まず、鞄や内ポケットに分けて持つようにしましょう。
スーツの印象を変えるポケットの種類
スーツのポケットにはいくつか種類があり、形によって印象も変わります。フタ付きのもの、斜めに付いたもの、小さなポケットを重ねたものなど、それぞれに由来や見え方の違いがあります。細かな部分ではありますが、ポケットの種類を知っておくと、スーツ選びや着こなしの見え方にも少し差がつきます。
フラップポケット
「フラップポケット」は、腰ポケットにフタが付いた、スーツの基本的な仕様です。ビジネススーツにも多く見られ、オーソドックスな仕様で多くのスーツジャケットに採用されます。
玉縁ポケット
「玉縁ポケット」は、フタを付けず、ポケット口を細く縁取ったシンプルな仕様。腰まわりがすっきり見え、フォーマルな装いのジャケットに使われることが多くあります。余計な装飾を抑えた、端正な印象のポケットです。
チェンジポケット
「チェンジポケット」は、腰ポケットの上に付いた小さなポケットです。もとは小銭などを入れるための仕様とされ、スーツにクラシックな雰囲気を加えてくれます。英国調のムードを楽しみたいときにも選ばれるディテールです。
パッチポケット
「パッチポケット」は、生地を外側から貼り付けたようなポケットです。フラップポケットに比べてカジュアルな印象があり、軽やかなスーツやジャケットに向いています。休日のカジュアルなスーツスタイルや、近年人気のイージースーツなどに多く採用されます。
スラントポケット
「スラントポケット」は、ポケット口を斜めに配したデザインです。水平のポケットに比べて腰まわりがすっきり見えやすく、スーツにシャープな印象を添えてくれます。クラシックな雰囲気とスマートな見え方を両立できる仕様です。
ポケットをきれいに使うことが、スーツ姿を美しく見せる
スーツのポケットは、便利な収納場所というより、装いの印象を左右する大切なディテールです。フタの出し入れは左右をそろえ、腰ポケットやパンツポケットには物を入れすぎない。財布やスマートフォンは内ポケットや鞄に分けて、外から形が響かないようにする。こうした小さな意識だけで、スーツ姿はすっきり美しく見えます。
ポケットの扱い方まで気を配ることができれば、スーツの着こなしはより洗練された印象へと変わります。
橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。