<ジャーマントレーナー>
定期的に履きたくなる安心感
ストリート的解釈もできる
懐の深い薄底スニーカー
「ジャーマントレーナー」は、特別なクッショニングやフィット感があるわけではないけれど、癖になる履き心地で定期的に履いています。所有している70年代〜80年代のヴィンテージもシルエットは綺麗ですが、ヒールの角度が高かったり、レザーが硬かったりして、デイリーユースには難しい面もある。だから、手に取りやすいリプロダクションこそ、「ジャーマントレーナー」の人気をつくった理由だと思います。
FUG.

特に今は、フットボールシューズやトレーニングシューズにみる薄底スニーカーがトレンド。だから、上からかぶせるように穿く、ストンと縦に落ちるシルエットのボトムスにもはまりやすい。よく見ると、ブルーのトーンにムラ感があって、履き込むほどいい感じになるのではないかと。シュータンの厚みや、スエードの柔らかさが、僕は好きです。大人の雰囲気を持っていて、すごくいいなと思います。その一方で、素材感や配色にストリートのムードが出ていて、スケートシューズのような雰囲気も持ち合わせている。ブラックジーンズとか、ワイドなシルエットのパンツにも馴染むのではないでしょうか。
FUG.

よく、“この1足があれば”ということを言われるスニーカーがありますが、僕にとって「ジャーマントレーナー」はそういった存在。どうしても「ジャーマントレーナー」は、きれいめなボトムスと合わせるイメージですが、もう少しラフなファッションでも相性が良いのではないかと思います。大人ストリートの空気感でも楽しみたいですね。


小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。