アディダス オリジナルス|ウォーター MOC エキップメント
アウトドアシューズだと思わず、薄底を都会的に履いてみたい。
最上位ラインから生まれた、
水陸両用の名作モックが復刻
エキップメント(EQT)は、<アディダス>が1991年に発表した、ランニングやテニス、アウトドアなどあらゆるスポーツカテゴリーにおける最上位のラインです。この「ウォーター MOC エキップメント」は、1997年に同シリーズからウォーターアクティビティ向けに発売されたもの。僕がこのモデルを知ったのは98年頃だったと思うのですが、地元や大学の友人が履いていて、流行っているんだなと実感した記憶があります。
FUG.

この時期、僕のチョイスは「アディマティック」や「ロースーツ」のようなスケート仕様の<アディダス>でしたが、当時を振り返ると、スニーカーの一大ブームが落ち着き、トレンドはアウトドアに向いていました。街中でもトレッキング系のスニーカーや水陸両用のモカシンなどを履く人を見かけることが増えた気もします。フェス文化なども急速に盛り上がったのもこの頃だったので、そんな世の中の流れを汲み、革新的なアウトドアシューズを作ろうという意図が、このモデルにはあったのではないかと。
FUG.

改めて見ると、ボリュームを抑えた薄底のシルエットは今っぽくも感じるし、レトロなテクノロジー感も現代にマッチしている気がします。以前は、アウトドアウェアや古着で固めた足元に合わせるくらいしか思いつきませんでしたが、今ならもう少しスタイリングの幅も広がりそう。夏場のアクティビティにはもちろん、ブラックジーンズに合わせて都会的なスタイリングを楽しむのもありだと思います。


小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。