オニツカタイガー|タイガー アリー
アメリカンクラシックとオニツカのランニングシューズは相性がいいんです。
運動靴としてのイメージが変わったのは
アメリカでの再評価がきっかけ
<アシックス>や<オニツカタイガー>は、学校の運動靴というイメージがあって、正直、学生時代におしゃれなブランドとして認識していた人は多くなかったと思います。そんな中、海外では見方がかなり違うと気づかされたのは、10年以上前。<J.クルー>でこの「タイガー アリー」が発売された時でした。僕と同世代の人なら分かると思うんですが、この頃は、<J.クルー>がアメリカのトラッドを再解釈したスタイルが世界的にブームで、その足元に<ニューバランス>の「1400」や、このスニーカーが提案されていたのがとても新鮮に見えたんです。
FUG.

「タイガー アリー」は、80年代に登場した「アライアンス」というランニングシューズが元になっていて、まさに僕が小中の頃に、通学や体育で履いていたようなデザイン。そんなスニーカーが、アメリカのブランドにピックアップされたことで、<オニツカタイガー>をファッションの選択肢として見直すきっかけになりました。その時にアメリカから通販したのも、同じグレーのスウェードでした。
FUG.

改めて見ると、80年代のジョギングシューズらしい、シンプルなデザインと程よいボリューム感が、ボトムスのシルエットを選ばず合わせやすいなと。こうしたクラシックなモデルに再び注目が集まっている流れもあるので、当時のブームを知っている30〜40代の人はもちろん、これまで通ってこなかった人も、新しい足元のチョイスとして取り入れてみてはいかがでしょうか。


小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。