ナイキ|エア フォース 1
年齢とともに存在意義が変わるのが「エア フォース 1」のいいところ
ストリートの定番は
上品なスラックスに合わせる
「エア フォース 1」は<ナイキ>の代名詞だし、90年代からずっと履き続けてきた、相棒のような存在。若い頃はとにかくショーツとソックスで、ストリートな気分で履いていました。スラックスなどの品の良いアイテムと合わせるトレンドを感じるようになったのは、ここ7、8年ほど。メゾンブランドのディレクターがランウェイで履いていたり、<エイチ ビューティー&ユース>に行くと、スタッフもそうしたスタイリングをしていて、このモデルに対するイメージも大きく変わりました。それに伴うように着用頻度も上がりました。
FUG.

一時期のブームから、今は少し落ち着いているところもありますが、オーセンティックなデザインを、今のファッションでもう一度トライしてみたくなりました。僕は、昔から服の基本軸が大きく変わっていないので、白いチノパンやジーンズと合わせることが多かったのですが、気付いたのは「エア フォース 1」より白い服ってほんと無いんですよ。思いつくのは、ヘインズの無地Tシャツくらいでしょうか。そのくらい白さが際立つモデルなので、同じトーンのシャツと合わせて溶け込ませるスタイリングがいいなと思います。
FUG.

時代によって捉え方が違うスニーカーですが、それでも変わらないのは、新品のフレッシュさをキープしたいという精神。それは、ヒップホップが自分のルーツにずっとあるから。その根っこを忘れてしまうと、これをかっこよく履きこなすことはできないシューズだと思います。自分の癖のようなものを残しつつ、トレンドとどう馴染ませていくかを、考えながら履きたいですね。


小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。