おじさん体型を自覚し始めると、<ニューバランス>の「992」が合わせやすくなります

ニューバランス|U992NY

全身ネイビーでも自然に馴染む
ブランドが誇る900番台の名作

<ニューバランス>の「992」は、ブランドの100周年を記念し、2006年に初めて登場しました。この頃、僕も雑誌でスニーカーの仕事が増えていて、ブランドについての理解が深まっていました。もともと900番台は人気でしたが、それまで「1300」や「1700」といったプレステージと呼ばれる1000番台を履くことが多かった僕にとって、900番台の持つクラス感を知るきっかけになったモデルでした。当時買ったオリジナルの「992」は、今でも大切に保管しています。もうソールがボロボロですが。

FUG.

僕が今、「992」に惹かれるのは、900番台の中でも特にアメリカらしいボリューム感があるところ。ゆったりしたナイロンパンツとも相性がいいし、アメリカのオーセンティックなスタイルにも合わせやすい。歳を重ね、少し肉付きの良い体になってくると、「992」のシルエットがいい感じに馴染んでくるなと思う人は少なくないはずです。良いことかどうか分かりませんが、20代の頃よりも体型と足元のバランスが取りやすくなったのではないかと思います。

FUG.

僕の世代にとってネイビーは、大人の階段を登る色のイメージがあるのですが、服も足元もネイビーに統一すると合わせにくさを感じて、白やグレーの靴を選ぶことが多かった。けれど、この「U992NY」のリリースをきっかけに、敬遠していた全身ネイビーのスタイリングを楽しめるようになりました。その理由は、同じ紺色でもレイヤーごとにトーンを変えていたり、グレーを差し色に使っていたりと、控えめに主張するネイビーに仕上がっているからではないでしょうか。

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小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。

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