<アシックス>の機能的なソールはファッションのことを考えている。

アシックス|GEL-QUANTUM KINETIC

個性的だけどつい履きたくなる
日常に寄り添うテクノロジー

<アシックス>は、本当によく街中で見かけるようになりました。最初はY2K的なデザインが支持されているからだと思っていましたが、この頃はそれだけでもないように感じます。今回ピックアップした<GEL-QUANTUM KINETIC>を見ると、ソールの形が独特ですが、靴だけが浮く感じもなく体のフォルムに馴染んでいて、機能と見た目のバランスがいいなと。

FUG.

印象的なソールの正体は、スキュートイドゲルと呼ばれるテクノロジー。これは、アルゴリズムに基づくコンピュータシミュレーションによって設計されたもの。履き心地を追求していますが、パフォーマンスシューズではなく、あくまでライフスタイル向け。ブランドも、通勤や長時間の立ち仕事など、日常使いを想定したモデルだとアナウンスしています。ランニングシューズを街履きするトレンドとは違い、今の<アシックス>は日々の暮らしに合うシューズをランニングシューズっぽく提案している。そうした時代の捉え方が、トレンドを長く牽引している理由かもしれません。

FUG.

硬いグミのような質感のソールは、履き込むほどクセになるクッション性があります。僕の周りでも、<アシックス>から離れられないという人は、機能面で虜になっていることが多い。快適で手放せなくなる靴は、シンプルなデザインが多いけれど、個性的でも履き続けたいと思えるシューズに出会えたら、ファッションはもっと楽しくなるはず。「履きやすい=ベーシック」という固定観念に縛られたくない人にぜひ履いてほしい。これからの季節なら、柄が入ったニットにカジュアルなナイロンパンツなど、ヨーロッパっぽいスタイリングに合わせたいです。

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コーディネートにおすすめのアイテム


▶総柄のニット
▶日常使いに合うナイロンパンツ

小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。

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