NIKE|TOTAL 90
“色で遊ぶ”を考えた革命的なフットボールスパイクを街履きに取り入れてみる。
自由な履きこなしを楽しめる
新しい時代のサッカーシューズ
FUG.
<NIKE>の「TOTAL 90」は、もともと2004年に登場したフットボールシューズ。今回ピックアップするのは、タウンユース向けにソールが更新されたモデルです。それまでフットボール用のスパイクといえば本革が当たり前でしたが、これは合皮を採用し、カラフルな色使いや軽い履き心地など、それまでの価値観を一新したシューズでした。当時のブランドでは、「FOAMPOSITE」などもリリースされていて、新しい素材というか、フォームを用いたデザインが多かった記憶があります。これはサイドに配されたシューレースが、「FOOTSCAPE」っぽい雰囲気だなと感じました。ボールに干渉しないよう考えられたディテールが、ストリートの記号と偶然重なる意外性が面白いなと。
FUG.
最近思うのは、90年代に70年代のビンテージシューズを街で履くなんて、当時の人は想像もしなかったということ。この「TOTAL 90」も同じで、これまでサッカーのギアを街で履くという時代はなかったわけで、正解のスタイリングがないのも当然。逆に答えがないからこそ、どうやって履きこなすか、自分なりの解釈やストーリーを見つけて楽しむことがファッションの醍醐味と言えるのではないでしょうか。これは赤が効いていてスポーティーですが、ブラウンのパンツやキャメル色のニットに合わせると品よくまとまる気がします。ウールのスラックスなど、きれいめなパンツの足元にさらっと合わせてもおしゃれだなと思います。
コーディネートにおすすめのアイテム
▶キャメル色のニット
▶ブラウンのパンツ
▶ウールを使ったストレートスラックス
小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。