CONVERSE|ALL STAR AGED WAXEDLEATHER HI
黒よりも黒い、ミッドナイトネイビーのレザーが上品。
細部までヴィンテージなのに
ラグジュアリーな雰囲気
学生時代に「オールスター」といえばキャンバス生地のアッパーで育った僕ですが、大人になるにつれてレザーを選ぶことが増えました。やっぱりキャンバスは若さの象徴。自分らしく色落ちしたジーンズにはよく似合うけど、歳を重ねるとシューズやジーンズの色褪せが、自分の肌や髪質の枯れ感と相まってしまい、身だしなみを上品に見せることが難しくなる現実を知って悲しくなりました。スラックスやジャケットなど、大人の服が日常着になると、足元はレザーがしっくりきます。残念ながら(笑)
FUG.
とはいえ「オールスター」がもつ良い意味の「青さ」は忘れたくない。そんな気分にこの「ALL STAR AGED」です。シリーズ自体は前からあったのに、このワックスレザーが登場するまではノーマークでした。オイルを含んだヌメリのあるレザーと、生成りのフォクシングテープ、6mm幅のコットン100%のシューレースの相性がすごく良い。ずっと好きだったアメカジとしての魅力と、ラグジュアリーな質感がうまくミックスされています。
FUG.
さらにつま先のフォルムはとても大事なポイントです。90年代以降の「オールスター」は先端がかなりそり上がっているんですが、それ以前のヴィンテージは、ピタッと地面につきそうなくらいアウトソールがフラットというか、先端が低く下がり気味です。今回のモデルはそのトゥを意識的に再現されていて、細くスマートに見えます。そしてこれ、黒に見えますよね?でも正式には「ミッドナイトネイビー」という色名。スーツの世界だと“黒よりも黒に見える色”とも言われており、とてもフォーマルな扱いを受けています。このシューズも、なるほど黒よりも深くてクラシック。そんな上品な一足です。
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▶グレーのウールスラックス
小澤 匡行
1978年生まれ、千葉県出身。大学在学中に1年間のアメリカ留学を経たのちに編集、ライター業をスタート。著作に「東京スニーカー史」(立東舎)、「1995年のエア マックス」(中央公論新社)など。