キルティングジャケット

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キルティングジャケット

Quilting Jacket

ミリタリーかトラッドか。
2つのルーツを持つ軽やかな定番。

手軽な秋冬のアウターとして知られるキルティングジャケット。そのオリジンは2つのスタンダードに遡る。一つはミリタリー。軍モノのジャケットやコートのキルティングライナーをアウターとして着用するものだ。デザインソースとして最もポピュラーなものは、米軍の名作ジャケットの一つM-65フィールドパーカ(通称モッズコート)のライナーだろう。1960年代後半にアメリカ陸軍に採用されたこのコートには、寒冷地にも対応できるよう、防寒機能をコントロールするための着脱式ライナーが装備された。薄く軽量で強度のあるリップストップナイロンに中綿を入れ、カーブを描く独特のキルトステッチが特徴。オリーブカラーのミリタリー感とノーカラーのミニマルな雰囲気も魅力である。
もう一つは英国の乗馬用ジャケットをルーツ持つキルティングジャケット。代名詞〈ラベンハム〉の「デンハム」だろう。1969年、ロンドン北東部サフォーク州のラベンハムにて創業し、最初に作られたのは、エリザベス女王の馬のために考案されたナイロンキルティングのホースブランケットだった。それがイギリスの富裕層を象徴するアイテムとなり、愛馬とお揃いの上着が欲しいという愛好家向けに1972年にジャケットが作られた。〈ラベンハム〉の特徴であるダイヤモンドキルトのジャケットは、現在でも変わらず英国の自社工場で生産を続けている。同じように、英国老舗〈マッキントッシュ〉の「ウェーヴァリー」という定番も広く知られている。

キルティングジャケットの魅力は、軽さと温かさ。ライナージャケットはミルスペックに端を発した機能性とデザイン、ライディングジャケットはスポーツウェアとしてのカジュアルさと同時に、英国の伝統を感じさせるクラシカルなムードと信頼性も併せ持つ。さらりと羽織ることができる手軽さ、ナイロン素材の扱いやすさ、ふんわりとした中綿の柔らかさなどは、現代のニーズにも沿うものだ。オリジンが持つ機能とクオリティがデザインの完成度にも繋がっていて、それはトレンドベースのものではなくオーセンティック。だから色褪せないし古くもならない。

2つのキルティングジャケットは現在では多くのブランドからリリースされ、デザインや仕様のアレンジもさまざま。ライナージャケットは、オリジナルのディテールを忠実に再現した本格派から、オーバーサイズやAラインのシルエットでモダナイズしたもの、ロングコートのデザインなども。ライディングジャケットは、クラシカルな趣を残しながら、ノーカラーやフード付きのデザイン、キルト柄のバリエーションによってアップデートされている。カジュアルにもシックにも着こなせるのも、スタンダードアイテムならではの魅力だろう。

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Photograph_ Reiko Toyama
Text_ Naoko Sasaki
Hair & make-up_ Katsuyoshi Kojima(TRON)
Model_ Tiara(West Management)、Simon(BE NATURAL)
Edit & Web_ Rhino inc.