タイオン|コスパ最強のインナーダウンは、冬の名脇役にして主役もお任せ|知っておくべきブランド

タイオン|コスパ最強のインナーダウンは、冬の名脇役にして主役もお任せ|知っておくべきブランド

いくら直幸


コートやジャケットに投入する中間着として今や完全に市民権を得たインナーダウン。アウトドアメーカーからファストブランド、ラグジュアリーメゾンまでが乱立する現在にあって、確固たるポジションにあるのが<タイオン(TAION)>です。あらゆるジャンルのライバルと比較検討され、あらゆるファッション層に選ばれる、その理由に迫ります。

高いクオリティと高いコスパを両立

2016年、名古屋のアパレル生産会社によってインナーダウン専業ブランドとしてデビューした<タイオン>。その名はもちろん「体温」に由来しています。ファーストコレクションはわずか2型のベストのみだったものの、いきなり4万枚を売り上げて一躍注目の的に。翌年には長袖やキッズサイズが追加され、セレクトショップや百貨店での取り扱いが続々とスタート。3年目には早くも海外へ進出し、今では国内以上の知名度を獲得するまでに急成長を遂げています。また名だたるブランド&ショップから別注のオファーが殺到しており、現在ではインナーダウンと言って真っ先に思い浮かぶ代名詞になりました。

ここまで一気に人気が爆発した理由は、専業ゆえのノウハウで実現されるクオリティと、それに対する圧倒的なパフォーマンスにあります。まず肝心のダウンには、一般的に600~700FP(※1)前後で良質とされるところ、同社は800FPの高品質ホワイトダックダウンを基本とし、なかには900FPのシリーズも。

※1:FP=フィルパワー。数値が大きいほど空気を多く含んで保温性に優れることから、暖かさを判断するひとつの基準に。またFPが高いほど復元力に富み、少ないダウン量でボリュームが出るため、より軽量に仕上がる。

それを包み込む生地には、薄手&超軽量で柔らかく、かつ耐久性も兼ね備える高密度ナイロンをはじめ、アイテムに応じて最適なファブリックを選定。ボディの表面には多少の雨や雪を弾く撥水&防汚加工、裏側には羽毛抜けを軽減させるコーティングも。さらにキルティングにはダウン専用の糸を使い、薄い生地をしっかりと縫い付けるとともに、羽根抜けを最小限に抑えることに成功しています。
<TAION> シティ クルーネック ダウンジャケット

「シティライン」の定番モデルは、超軽量で柔らかくカラダに吸い付くような着心地。付属の収納ポーチに入れてコンパクトに持ち歩けるうえ、家庭で洗えるのも嬉しい。

また生産性とコストを優先するなら、ダウンは縫製後に詰めるのが効率的。ただその場合、隈なくダウンが行きわたらず部位によって羽毛量のムラが発生しやすいため、<タイオン>では先に充填することでステッチの周囲にまで封入。これにより微細な針穴からも冷気が侵入せず、内部の暖かい空気が逃げにくい構造となっています。

さらに、付属のスタッフバッグに収納して日々の外出や旅先にもコンパクトに携行できるパッカブル仕様や、家庭で洗えるユースフルなアイテムも豊富に展開。モデルによっては1型でXXS~4XLまで9サイズ、20色を超えるカラーバリエーションを用意する大充実ぶりです。

と、変哲なくも見えるシンプルなデザインには、マテリアルやパーツ、工程のすべてにこだわりが凝縮されており、日本ブランドらしい細やかで丁寧な作り込みが息づいています。それでいてプライスは非常に手頃。たとえば設立以来のロングセラーであるベーシックなダウンベストは¥4,950円と、価格面でライバルとなる大手ファストブランドのそれよりもリーズナブル。もはや非の打ちどころがありません。

あらゆるスタイルや好み、用途に対応

現在では、汎用性が高く飽きのこない「ベーシックライン」を中心に、ビジネスシーンやキレイめな装いにも取り入れやすい「シティライン」、ゴルフなどでの着用を想定した「スポーツライン」、フリースとのリバーシブル仕様など一段と機能的な「マウンテンライン」、軍モノをモチーフにした「ミリタリーライン」、タフなコーデュラ生地を使った無骨なデザインの「ワークライン」、オーセンティックなアスチレチックウェアを基とする「SC(スポーツクラシック)」、アウターの中に着脱可能なインナーダウンが標準装備される「CR(クロージング・リレーションシップ)」シリーズ、果てはダウン不使用の「ノンダウン」などなど、コーディネートや好み、用途に合わせてチョイスできる多種多様なラインナップが取り揃えられています。
<TAION> ミリタリー フード ダウンコート

メンズ向けながら、女性がゆったり羽織るのもOKな「ミリタリーライン」のフード付きコート。腰のポケットには横から手を入れられるハンドウォーマーポケットを併設。

ほかにも、ハイエンドに位置づけられる派生ブランド「タイオン エクストラ」では、より上質なグースダウンを採用し、よりデザイン性や遊び心に富んだモードテイストのコレクションを発表。モバイルバッテリーで発熱するヒーティングシステムを搭載するなど、ダウンウェアの新時代を感じさせるプロダクトが展開されています。このように、実にさまざまなタイプが拡充されている今でも、インナーダウンに特化する姿勢は変わりません。

いいこと尽くめでロングシーズン活躍

ボリューム満点のダウンアウターは、一着で防寒対策をまかなえる最上級の保温性が魅力。ただ値段も相応に高くなる反面、実際に着られる時季は意外と短いのが現実です。また暖房の効いた施設や電車内などでは暑くなり、脱いでもかさばって荷物になったり。

その点でインナーダウンは、街着として必要十分な防寒性を確保しながら薄さと軽さを徹底的に追求しているのが強み。晩秋&春先、冬でも過ごしやすい麗らかな日、室内や車内ではライトに羽織れるメインアウターとして、真冬の屋外ではミドラー(中間着)にとフレキシブルに着回せてロングシーズン活躍します。レイヤード次第で段階的に暖かさを調節でき、その日の気温に応じて、また外出先でも体温調節しやすく、着太りしにくく動きやすく、価格も手を伸ばしやすい。手持ちのコートやジャケットと組み合わせれば新たにヘビーアウターを購入する必要がないので、少ない投資で冬を越えられるのも経済的と、いいこと尽くめです。
【別注】<TAION>GLR リバーシブル ダウンベスト

大きめのダイヤ型キルトが目を惹くポリエステル素材と、品のよいウール調の生地を表裏にしたリバーシブル仕様。フロントジップ式で、適度にゆとりのあるシルエット。

事実、近年は保温性の高い機能的なアンダーウェアの普及もあって、そこまで厚手ではないアウター&インナーダウンのコンビが世間全体の大きな流れになっています。もちろん個人個人の好みがあり、トレンドとしてモコモコの本格ダウンがフィーチャーされることもあると思いますが、温暖化や暖冬傾向の昨今を考えるとインナーダウンは賢くおしゃれを楽しむうえで間違いない選択肢。そうした時代と完全にフィットし、まだまだ伸びているこのカテゴリーを牽引しているリーダーが<タイオン>なのです。
ファッションライター いくら直幸

ファッションライター いくら直幸

人気アパレルメーカーのPRを経て、1990~2000年代に絶大な影響力を誇ったストリートファッション誌『Boon』の編集者に。現在はメンズ雑誌&ウェブマガジンをはじめ、有名ブランドや大手セレクトショップのオウンドメディアにも寄稿。近年はYouTube番組への出演、テレビ番組のコーディネート対決コーナーで審査員を務めるなど活動の幅を広げている。

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