
スーツのときのベルトの選び方と合わせ方|ベルトの種類とおしゃれに着こなすコツ
フォーマル/カジュアルそれぞれのベルトの種類、見落としがちな“正しい選び方”や取り入れる際の注意点を、着こなし別にわかりやすくご紹介します。仕事でも休日でも、つい同じベルトばかりという方はいませんか。スーツの着こなしではおざなりにされがちなベルトですが、腰の中心で締めるため意外と目に留まるアイテムです。靴や鞄との合わせなど、今日から実践できる基本をおさえていきましょう。
INDEX
スーツにおけるベルトの役割とは?

ベルトの第一の役割は、パンツのウエストをきちんとホールドすること。だからこそ、正しいサイズのものを選ぶことが重要となり、先端が長く余りすぎたり短すぎたりすると、だらしない印象になります。理想は複数ある穴のうち真ん中の穴で留められるサイズ感。正しい長さを選び、清潔感のある身だしなみを意識しましょう。また、ベルトは装いのアクセントにもなります。シーンや着こなしに合わせて、適切な色・素材・バックルのデザインを選ぶことが大切です。
“ベルトをしない”のはあり?

一般的なビジネスシーンではベルト着用が基本です。一方で、近年はベルトなしでも着られる「イージースーツ」も増えています。ウエストが伸縮し、ドローコードで絞れるタイプは、Tシャツやニットの裾を出してリラックスして着たい日に便利。ドレスコードが緩い職場やオフの着こなしでは“しない”選択もすっきり見えますが、かしこまった場ではベルトを着用しましょう。

また、ベルトループのないクラシックな仕様のパンツは、そもそもベルトを通せません。その場合は「ブレイシーズ(サスペンダー)」を使用し、パンツを吊ることでズレを防ぎます。ウエスト位置が安定し、シルエットもきれいに見えるため、フォーマル寄りの装いで活躍します。
フォーマルな装いに合わせるベルトの種類
レザーベルト

ビジネスや冠婚葬祭などフォーマルな場では、装飾の少ないレザーベルトが基本です。幅は約3〜4cmの細め〜標準を選び、過度なステッチや金具は避けると上品にまとまります。

シルバーのバックルと組み合わされた「スムースレザーの黒ベルト」は、最もベーシックでどのような場でも着用可能。普段のビジネスから、弔事まで使用することができます。最初の一本目なら、このタイプがおすすめです。

同じ黒のスムースレザーでも、この写真のように「型押し」の表情が入るとわずかに華やかさが加わります。無地のスーツに合わせると程よいアクセントになり、結婚式などパーティシーンでのスーツスタイルとも好相性です。
スエードベルト

「スエードベルト」は柔らかな印象を添えます。フランネル、コーデュロイ、ツイードなど表情のある生地のスーツと好相性で、秋冬の装いにあたたかみを出したいときにも活躍します。
カジュアルな装いに合わせるベルトの種類

スーツをノータイで着るときや、そもそもスーツ自体が休日でも着用できるようなカジュアルな仕立てになっているときは、ベルトもカジュアルなデザインのものを。メッシュの作りになっているものや、化繊素材を使ったエラスティックなベルトなどは、カジュアルなスーツの着こなしとマッチします。


今どきのビジカジスタイルや、休日のきれいめカジュアルでも着用できるような、軽やかな仕立てのコンフォートスーツには、「ナイロンメッシュベルト」が相性抜群。逆にこのようなスーツにかっちりとしたスムースレザーの黒ベルトを合わせると、チグハグな印象になることがあるので注意が必要です。


スムースレザーのベルトでも、カジュアル感のあるバックルなら、コットンスーツなど軽快な生地のセットアップにもよく合います。
ベルトと靴をおしゃれに組み合わせるコツ
ベルトと靴の色合わせを心掛けよう

ベルトを選ぶときの基本となるルールが、“靴とベルトとの色合わせ”。黒靴を履くならベルトも黒、茶靴を履くならベルトも茶色というように、靴とベルトは基本セットでコーディネートを考えましょう。着こなしの統一感が生まれ、グッと洗練された印象になります。
ベルトと靴の革の質感にも気を配る


色だけでなく気を配っていただきたいのが、ベルトと靴の素材感。カジュアルなスエード靴を履くときは、ベルトも同じくスエードにすると、より統一感があるおしゃれな着こなしになります。


足元をスニーカーにする際には、ナイロンのエラスティックベルトを合わせると相性抜群。このように、色や素材を見極め、靴のカジュアルさに合わせて、ベルトもカジュアルダウンしたものを選ぶことが、上手なベルト選びのポイントとなります。厳密に色や素材を合わせることは難しくとも、“カジュアル度”を合わせるだけでも、着こなしにまとまりが生まれます。
バッグとも色や質感を合わせるべき?

ベルトと靴の相性を考えていると気になってくるのが、鞄との組み合わせ。しかし、鞄まではきっちりと色や素材感を揃える必要はありません。靴とベルトの整合を優先し、鞄は“離れて見える色の調和”を意識すると自然に装いの統一感が生まれます。
ベルト選びに気を配ると装いが格上げされる
蔑ろにされがちなベルト選びですが、実は着こなしのなかでも視線が集まりやすいアイテム。だからこそ、ベルト選びに気を配れるようになれば、普段のスーツスタイルがグッと洗練された印象になります。その日のスーツの着こなしによってベルト使い分けられるように、手持ちのベルトのバリエーションを少しずつ増やしていきましょう。

橋本慎司
フリーエディター
1989年生まれ、沖縄県出身。ドレスファッション雑誌『MEN’S EX』の編集部を経たのちフリーランスとして独立。ビジネススーツやオン・オフのジャケットスタイルなどを紹介する誌面やWEB記事を手がける。1950〜60年代米国のアイビーファッションを好み、学生時代よりスーツをビスポークオーダーし愛用する。
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