京都は世界有数の観光の街である前に、学生の街であり、奥ゆかしくも一本筋の通った京都人の街。4月7日のグランドオープン以降、まさしく、そんな若者から旦那衆に支えられているのが、このお店。コロナ禍の只中において、地元のお客さんたちに励まされているのを感じるとはスタッフ全員の思いである。
大阪出身で4年前から京都で働くビューティ&ユースのリーダー、松山晃大。’80〜90年代のスポーツウェアがモチーフとなった発色のいい〈パサデナレジャークラブ〉のパーカに、〈スティーブン アラン〉のネイビーのナイロンパンツ、足元にはラグジュアリースポーツ感のある〈アシックス〉の「GEL-KINSEI」。総じて、ブルーを意識したコーディネートは、8年ほどやっているサーフィンのせいか。サーフィンは車で1時間半の和歌山に行くか、2時間半かけて伊勢志摩の国府の浜(国府白浜)へ。
かたや、〈ビューティ&ユース〉の品よく、真面目で、人に不快感を与えない、ハイゲージコットンニットにストライプシャツ、セルヴィッジデニムを合わせたBYスタンダードスタイル。ニットは上質なエジプトのギザコットンを使用し、セルヴィッジデニムも作りの丁寧なメイド・イン・ジャパン。ブルーグレーのストライプシャツは、グレーが入っているのが秋冬のトレンド感あり。このようなキレイな格好で、最近藤井大丸に入った京都の名店『喫茶マドラグ』のタマゴサンドを食べにいく。押小路通西洞院の本店と違って、まだこちらは空いているそうだ。



今季のビューティ&ユースのテーマは「コンサバとラグジュアリースポーツ」だ。いつでも男らしく自然体でいられるような人物像「Mr.BEAUTY&YOUTH」をディレクションの軸に、国内外からトラディショナルな香り漂う正統でセンスを感じる社交的な服を揃えた。オリジナルレーベル〈ビューティ&ユース〉は、シンプルで洗練された定番感覚で着られるのはもちろん、今の気分を十分に取り込んだ服を提案する。
UAはフレンチ気分。黒を効果的に使いつつ、アンニュイな色を差し込む。見る限りは重厚なダブルフェイスだが、着るととても軽いダークグレーの〈ユナイテッドアローズ〉のカバーオールに、山形のニットファクトリーが手がける〈バトナー〉のウールのロングスリーブTを。パンツはよくはくという〈リーバイス〉のブラックデニム。大人っぽくシックな色合わせを楽しむ。
一方のコーディネートも、同じダブルフェイスの素材を使ったモカブラウンの〈ユナイテッドアローズ〉のジャケットを。曖昧な色をうまく使うのが秋の洒落たスタイルである。ジャケットはダブルだが4つボタンでノッチドラペルになっているので重厚すぎずに羽織り感覚で楽しめる。中に着た〈インペリアルメジャー〉のバティック柄半袖ボタンダウンシャツは、イージーパンツタイプの〈セラードアー〉の太畝コーデュロイとも相性がいい。
着るのは大阪出身の入社3年目、齊藤匠。冬の趣味であるスノーボードはわざわざ新潟の石打丸山まで行くことも。近所のお昼ごはんをよく食べに行く、田舎そばが美味しい『永正亭』の女将さんには、猫舌ゆえにいつもぬるめで頼むので、“ぬるくん”と呼ばれている。

今季のユナイテッドアローズのテーマは「NEW STANDARD」。長く続く定番と呼ばれるもののよさにあらためて注目。華美なデザイン性のあるものやトレンドを追い求めるのではなく、もともと昔からあるベーシックなデザインのアイテムを、今の時代感にあったサイジングや、素材感、フィット感、フォルムなどで2020年らしく表現。上品、上質で高いクオリティのアイテムをベースに、ユナイテッドアローズとして捉えるニュー・スタンダードを構築する。
