AP AEWEN MATOPH PARADOX DESIGN

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AP AEWEN MATOPH PARADOX DESIGN

A AEWEN MATOPH / P PARADOX DESIGN
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2026年9月11日(金)に発売となった、<PARADOX DESIGN(パラドックス デザイン)>とのコラボレーションアイテム。スウェットとフーディー2型の制作背景からアナログの良さ、興味の行方まで、<AEWEN MATOPH(イウエン マトフ)>ディレクター・二ノ宮和佳子と、フランクフルト&ベルリンを拠点に活動する<PARADOX DESIGN> 堀川祥宏(ほりかわ よしひろ)さんのクロストークをお届けします。

<AEWEN MATOPH(イウエン マトフ)>ディレクター・二ノ宮和佳子と、フランクフルト&ベルリンを拠点に活動する<PARADOX DESIGN> 堀川祥宏(ほりかわ よしひろ)さん

堀川さんはフランクフルトとベルリンでデザイン集団<PARADOX DESIGN>の活動をされていますが、なぜドイツを拠点に選ばれたのですか?

堀川 ハンドボールが盛んなドイツに移り住みたくて、たまたま紹介してもらった語学学校がフランクフルトだったんです。ドイツ国内では、ハンドボールはサッカーに次いで人気スポーツ。クラブチームがたくさんあり、僕も現地のアマチュアリーグで10年ぐらいプレイしていました。

ハンドボール選手からご自身のデザイン集団<PARADOX DESIGN>を立ち上げた経緯は?

堀川 そもそも洋服が好きだったのでアパレル会社で経験を積み、2年前に自身のブランドを始めました。現在も別の仕事と並行して働いていますが、<PARADOX DESIGN>は楽しくやりたいという思いが一番ですね。プリントは、日本人2人でやっているベルリンのシルクスクリーンスタジオHakkodo printにお願いしています。撮影は毎回さまざまな写真家にお願いしています。

コラボレーションのきっかけを伺いたいのですが、そもそもおふたりの出会いは?

堀川 Instagramで二ノ宮さんの旦那さんと知り合い、「近々東京に行くのでお会いしませんか?」という話になって。その時に初めてお会いしたんですよね。

二ノ宮 そうそう。私がベルリンに一人で訪れた時に、ヨシくん(堀川さん)とベルリン在住の友人も紹介してもらい、みんなが市内を案内してくれましたよね。バウハウス行きのチケットを取ってもらったり。それが2年前ぐらいかな。

2年前にベルリンの街を一緒に観光されて、なぜ今回コラボレーションしようという話になったのですか?

二ノ宮 私からお願いしました。<PARADOX DESIGN>は年に2回日本でポップアップを開催していて、そこで洋服は拝見していたのですが、ヨシくんのデザインは着やすくて主張がある。ロゴやグラフィックが目立ちすぎず、ユニセックスでメンズ寄りのデザインは女性も着られるなと思っていて。実際に私が着ていると、友人やチームの女の子たちから「それどこの?」とよく聞かれるんです。ありそうでない<PARADOX DESIGN>のグラフィックがもっと広まったらいいなと思い、コラボのお話をさせてもらって。

堀川 お話を聞いて、もう本当にうれしくて。ドイツに15年いると、クリエイティブな人たちとたくさん出会うんです。でも発信する場所を持っていないと、何か一緒にやりたくてもすぐにはできない。なので、他の方とコラボレーションするために、<PARADOX DESIGN>を立ち上げたぐらいで。だから本当にうれしくて、快諾させていただきました。

<PARADOX DESIGN> 堀川祥宏(ほりかわ よしひろ)さん

デザインはどのように進めていったのですか?

二ノ宮 まず、2026年秋冬の<AEWEN MATOPH>のインスピレーション源のひとつでもあるのですが、「YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)」が念頭にあって。私が一番ファッションの影響を受けたのも1990年代でしたし、ラフ・シモンズなど華美じゃないストリート感がすごく好きだったんですよね。当時夢中になった<A.P.C.>もこの頃で、まさに私の青春という感じで。ちょうど昨年ロンドンに行き、博物館で昔の資料を見たり、ヴォルフガング・ティルマンスのエキシビションがパリのポンピドゥーセンターで開催されていたりといったことが重なり、この時代がやっぱり好きだなと再認識しました。若いアーティストたちが元気な時代で、当時の空気感や、ちょっと怖いけどかっこいい人たちの話をヨシくんともしていて。ロンドンとベルリンを繋ぐと考えた時、ティルマンスはドイツ人でイギリスだよね、という話から、彼がやっているアートプロジェクトをヒントにアイデアを広げていきました。

堀川 ティルマンスのプロジェクトには、SNS全盛のいま、どれが真実なのかをテーマに展示するシリーズがあるんです。現代は情報にあふれ、AIの出現もあり、何が本当なのかを見極めるのが難しい。そういった発想から膨らませていきました。

二ノ宮 二人で「真実ってなんだろうね?」と話しましたね。私たちの出会いはSNSだけれど、こうやってフィジカルに会っていろいろな話をし、一緒にものを作ることができた。そのより深く、フィジカルなところもファッションだと若い人たちにも知ってほしくて。

堀川 アナログ感ですよね。<PARADOX DESIGN>は基本的に決まったコンセプトはないのですが、いつもプロダクトを作る際に、どこかユニフォームっぽさを意識してデザインしています。そこを意識しながら、“FACT STUDY CENTER”=真実研究所のユニフォームといった意味合いも込めてデザインしました。

スウェットやフーディにプリントされているフレーズですね。

堀川 例えばクラブに行って踊っていると、バックプリントを自然と見てしまいますよね。僕は文字が書かれているとつい読んでしまうのですが、その時に「これ何?」と思うような言葉やデザインがあると面白いかなって。なので、バックプリントも大きめにデザインしています。FACT STUDY CENTERって、実在するのかわからないけど、そういったフックも狙って。背景にはちゃんとストーリーはあるけど、なさそうに見える。

二ノ宮 ファッションは、背景を聞くと面白いくらいでいいと思っています。気軽にあ!可愛いって大事。

堀川 直感で手に取ってほしいですね。今は誰がデザインしたとか、前知識があって買うことが多いですが、昔はSNSも無いし、かっこいいデザインだから買おう。そこから、色々掘って調べていくうちにデザインの意図や意味を知る、という流れがあった。僕はそれが好きで、そこもデザインで意識したところです。ジャケ買いみたいな。

二ノ宮 男性の方がより強い発想かもしれませんね。<AEWEN MATOPH>の服は刺繍や素材感で女性が好きなディテールを取り入れているので、デザインが可愛いから好き、でもいいし、背景を知っていただき、それで好きになってもらうのもいい。どちらもあっていいよね。

スウェット

お気に入りポイントは?

堀川 その日の服装に迷ったらつい手に取ってしまう感じで着られるところです。スウェットもフーディもレストランや公園にも行けるし、汎用性がある気がしますね。

二ノ宮 ウィメンズとしては身幅や肩など全体的に大きいのですが、裾リブがしっかりしているので、シルエットがだらしなく見えないんです。そして袖が長いので、バランスがポイント。袖まくりをしたら私の好きなパワーショルダーにも見えますし。薄手だけどヘビーウェイトなので、しっかりハリも出る。一度着ていただくと、ボディの良さを感じていただけると思います。男性にもぜひ着ていただきたいですね。

堀川 そうですね。

二ノ宮 展開色も気に入っています。真っ白ではない杢白(ライトグレー)、バーガンディ(ワイン)、黒の3色。杢白は顔映りがすごくいい。バーガンディは女性らしくもあるし、男性が着てもかわいい。黒はベーシックの基本として。

堀川 僕は黒を選びがちですが、グレーだけど白に近いので、すごく着やすいと思う。飛行機や電車に乗る時のちょっといい移動着にもいいですよね。あと、ロゴの色は何色か試したんですが、結局なじませた色味に落ち着きました。光の加減によっては結構目立ってきますよ。

二ノ宮 撮影時も日に当たって綺麗に見えていたよね。

撮影について聞かせてください。

二ノ宮 モデルはベルリン在住の方9名にお願いしました。

堀川 事前に依頼したモデルは3人ですね。あとはベルリンの街をひたすら歩いて、ストリートハントです。良さそうな人を見つけたら声をかけて。

二ノ宮 ね、すごく歩いて。写真家の原田教正さんも積極的にロケハンしてくださって。エリアを熟知している方だったから、この辺にはこういうタイプの人がいるとか教えていただいて。あと、ヨシくんがドイツ語を話せるのと、コミュ力も高いし、なんでもやってくれたよね。

堀川 みんなすごく好意的でしたよね。

二ノ宮 声をかけたら、ほぼみなさん、いいよ、みたいな。ブランドの説明をしてInstagramを交換して。

堀川 みんな優しいですよね。多分、時間に余裕のある人が多いんですよ。ベルリンという土地柄がよかったのかもしれない。

プロのモデルだけではなく、リアルな人に着てもらおうというアイデアはどちらから?

堀川 二ノ宮さんからですよね。

二ノ宮 そうだったかも。ブランドのルック撮影できちんと世界観を表現しているので、リアルな撮影をしたいという願望があった。それで、ヨシくんはそういう撮影をしているイメージがあったからお願いしました。

堀川 写真家の原田さんが撮るのが速くて。1人30分かかってないですよね。

二ノ宮 かかってないね。多分画が頭の中にあるから。モデルはほぼ一般の方ですが、それぞれの素敵なところを切り取ってくださっていますよね。

堀川 僕、この日2万歩歩いています(笑)。13時ぐらいに集合して、休憩を挟みながら、19時半ぐらいまで歩いて。途中でビールを飲むのを我慢して(笑)

二ノ宮 結局2日間撮影しましたね。2日目は途中にリサーチや各々の予定も入れて。撮影クルーは堀川さん、原田さん、私の3人のみ。ヘアメイクも彼らの素のまま。出てくれた方たちはみんないい人で、撮影後レコードバーのお兄さんにはビールをご馳走になりました。本当にいい出会いに恵まれて、楽しかった!

堀川 事前にお願いしたモデルさんとストリートハントした方々がうまくまとまるか不安でしたが、全体的にすごくいい感じにまとまりましたよね。プロジェクト感もありましたし、楽しかったです。

二ノ宮 アナログ、フィジカルじゃないけれど、人のあたたかさが伝わるといいなあと。いまは便利な時代ですが、国、性別、年代が違っていても、心が熱くなるもの、人の熱量に対しての想いはあまり変わらないのかなと思って。そういったものを発信できるといいな。

堀川 あとは2日間ひたすら撮影したので、この質量が伝わればうれしいです。

<AEWEN MATOPH(イウエン マトフ)>ディレクター・二ノ宮和佳子

おふたりがいま興味あることは何ですか?

堀川 奄美大島にカンムラ染色という染色家の友人がいて、以前<PARADOX DESIGN>のポップアップに藍染めと泥染めをお願いしたら、お客さんからの反応が結構良くて。なので、染物に興味がありますね。

二ノ宮 私は陶器がすごく好きで、ベルリンで気になっていた作家さんのアトリエに伺ったんです。Saeam Kwonさんというセラミックアーティストなのですが、いつか彼女とご一緒できたらいいなと勝手に思っています。やっぱりコラボレーションは広がりがすごく大きいなと、今回ヨシくんとご一緒して実感しました。私にとってもすごくインスパイアされることが多いので、続けていけたらなと考えています。ようやく<AEWEN MATOPH>らしさが確立できた気がするので、化学反応を楽しみたい。ものを作る人たちってユニークですし、違う考え方に触れるのも刺激的。新しい人との出会いも面白い。いろいろなチャンスをもらえているので、私を含め関わるチームの全員が楽しまないと意味がない。その結果、お客様が喜んでくれるのがベストだと考えています。だから面白そうなことを探すのも私の仕事のひとつかなと思っています。

堀川 ですね、ぜひ機会があれば第2弾よろしくお願いします!

堀川祥宏

Yoshihiro Horikawa

1987年愛知県生まれ。2010年に渡独。10年以上にわたりドイツのアパレル業界に従事。2024年にフランクフルトとベルリンをベースにデザイン集団<PARADOX DESIGN>を立ち上げる。

Photographer_ Kazumasa Harada
Writer_ Mika Koyanagi