アイボリーの誘惑。

善き大人のためのニット。

レザーメッシュバッグという工芸品。

もみほぐされたチェックパンツ。

靴べらとなったスケートボード。

働く男のきれいなパンツ。

オーダーシャツの愉悦。

ゆるゆるのデニムトラウザーズ。

レースのニットの美と実用。

スウェットシャツの伏兵。

ハンドメイド、ケンタッキー・ラブ。

ジャケットらしくは着ない。

こうもバラバラなシャツコレクション。

レザーコートの二面性。

透ける男の美学。

本当のインドマドラス。

ぺたんこは気持ちいい。

ニューヨーク帰りの野良着生地。

趣味のよいスリッポン。

革のバッグの隙間。

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FEATURE

About SA Issue

「SA / ISSUE」はスティーブンアランが毎月のトピックスを今シーズンのムードに乗せてお届けする連載ウェブコンテンツです。
捻りのきいたSteven Alan(SA/エスエー)らしい世界観をぜひお楽しみください。

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アイボリーの誘惑。

アイボリーの誘惑。

白でもベージュでもなくアイボリー。白ほど強くなく、ベージュよりもちょっと繊細。太めの糸を規則正しく織ったメッシュ状の通気感とメランジ感が、着ていてとても気持ちのいいジャケットのようなオーバーシャツ。襟のステッチもぷくぷくと。生地の存在感、佇まいが成せるアーリーサマーのスタイルで、白いTシャツと白いパンツに羽織るだけ。ファッション好きというよりも、民藝好きがよく似合いそうな一着。

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善き大人のためのニット。

善き大人のためのニット。

世界一ロマンチックなオリエント急行をパリあたりから乗ることができるのなら、こういうスキッパーニットを着てみたいと思う。バカンスで日焼けした素肌にそのまま着たら、ちょっとキザかもしれないが、それはひとつオリエント急行に免じて許してもらいたい。きれいすぎるとむず痒いので、少し肉感のあるきれいなニットを、製品染めからのストーンバイオ加工で退色させてみた。特別な日の服を持つという、小さな喜びを。

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レザーメッシュバッグという工芸品。

レザーメッシュバッグという工芸品。

いいメッシュベルトがないものかと探していたときに見つけた〈DRAGON DIFFUSION〉のレザーメッシュバッグ。ベルギー・ブリュッセルのブランドで、ウィメンズでは有名だが、メンズでは知らない人も多い。細い革をクロスに編み上げるのはインドの職人の手仕事で、使ううちにテカりは抜け、籐のカゴのような雰囲気になってくるのだが、見た目に反してものすごくやわらかくて使いやすい。鞄ひとつで、外に出るのが楽しくなる。

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もみほぐされたチェックパンツ。

もみほぐされたチェックパンツ。

〈Tangent〉のチェックパンツをロングとショートで。ロングタイプが〈Steven Alan〉別注で、イギリス軍のオフィサーパンツをベースに、イギリスっぽくも、リゾートっぽくも、子供っぽくもない一本に。ツープリーツのフロントは端正に見えるが、ウエストまわりはゴムとドローコードのイージー仕様。生地は、芯からもみほぐされたコットンリネンで、ふっくらとしたはき心地。チェックパンツとは縁遠かった人のためのチェックパンツだ。

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靴べらとなったスケートボード。

靴べらとなったスケートボード。

使い古されたスケートボードのデッキを使い、アートのような靴べらをつくる〈TAMILAB〉。グラフィックや滑り傷、キックの反りといった素材の形状を生かしながら板を削り出し、元来持つプライウッドの強度のあるしなやかさという機能性を靴べらに落とし込む。仕上げのコーディング塗装は町工場で。スケートボードといえば、アートのようなグラフィックがふつうだが、〈Steven Alan〉からは無地のものをストイックにオーダー。

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働く男のきれいなパンツ。

働く男のきれいなパンツ。

いつもチノパンばかりをはいている人がいたら、そんな人におすすめしたいのが、チノ素材ではなく、コットンの強撚糸生地を使ったオーバーダイの一本。2プリーツ、マーベルト、後ろポケットは両玉縁というドレス仕様がベースだが、脇縫いはワークパンツ仕様の2本針。つまり、ドレスとワークが出会ってしまった、合縁奇縁なパンツスタイル。この頃合いはアメリカの日常着にはない、〈Steven Alan〉が得意とする様式美。

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オーダーシャツの愉悦。

オーダーシャツの愉悦。

何を隠そう、〈LOBS Adventure Clothing〉のシャツはオーダーができる。ということで、〈Steven Alan〉のドレスシャツのパターンをベースに、コットン100%の真面目そうなチェックのものから、コットンレーヨンの開襟オンブレチェック、生粋の天邪鬼だけが着るであろうレーヨン100%のオンブレストライプをオーダー。襟型もポケットもばらばら。ほかではまずつくらない、〈LOBS〉と〈Steven Alan〉だけの特別なシャツとなった。

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ゆるゆるのデニムトラウザーズ。

ゆるゆるのデニムトラウザーズ。

いま、デニムパンツをはくとしたら、どんなものがいいか? このデニムパンツはゆるいけど、薄くはない。12.5オンスと軽くもない。想像する以上に、頭抜けてふわっとやわらかいはき心地は、デニムの織りをゆるくすることで生まれている。ゆるいからだらしないかというとそうではなく、形はエルポケット仕様の程よいストレートシルエットのスラックス型。〈Steven Alan〉の新しいデザインで、このゆるさが人格をもつくりあげる。

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レースのニットの美と実用。

レースのニットの美と実用。

いつか男ものでつくりたかったクロシェ(かぎ針編み)のようなニットを念願叶い編んでもらった。〈BATONER〉のウィメンズで見つけたもので、どこか手の匂いのする、いわゆるフランスのレースを思わせるような透けた編み柄がとても気に入っている。男の世界にはこれまでなかったちょうどいい具合に抜けた編み地に、コットン、レーヨン、リネン、ラミーを混紡した、肌も喜ぶ植物由来素材。こういうニットを夏にも着たい。

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スウェットシャツの伏兵。

スウェットシャツの伏兵。

クセのある人、天邪鬼な人が着るのがショートスリーブのスウェットシャツ。ヴィンテージのものも希少だが、新品のものになるとさらに数は少なく、無地のものとなるとなおさらない。少し褪せた生地の加工感とラグランスリーブのフラットシーマの縫製にときめいた〈tone〉の長袖のものを、ちょうど肘まで来るか来ないかくらいの袖丈の半袖で別注。さほど流行っていないものを、首にスカーフを巻いたりしながら趣味よく着るのが好み。

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ハンドメイド、ケンタッキー・ラブ。

ハンドメイド、ケンタッキー・ラブ。

2022年に、アメリカ・ケンタッキー州のひとりの大学生が自宅のガレージに工房をつくり、レザーベルトをつくりはじめる。ぶ厚いベジタブルタンニンの革を仕入れ、ハンドカットし、手で染め、ミシンで縫って仕上げる。この春から日本初上陸で(実店舗での販売は〈Steven Alan〉が世界初)、ブランド名は彼の名前から〈William Burke〉。ターコイズブルーは〈Steven Alan〉からのリクエスト。スタイルはベルトで決まる時代だ。

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ジャケットらしくは着ない。

ジャケットらしくは着ない。

テーラードのルールを忘却することで生まれる〈Pelemele〉のジャケット。シングルもダブルも基本の概念は引き算で、その世界観では使われない生地柄を選ぶことで、服の持つ雰囲気や抑揚を表す。シャツ以上ジャケット未満、カバーオールのようなカタさの抜けたシャツジャケットは、ラペルは程よく硬く、気持ちのいいシルエットをダーツで描く。〈Steven Alan〉だけのこのイナたいチェック柄は手触りのいいコットンで。

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こうもバラバラなシャツコレクション。

こうもバラバラなシャツコレクション。

キャラクターのかぶらないシャツを、いかに自分のスタイルで持てるか。世界屈指のプリント工場で刷ってもらった絵柄のかわいさに反した繊細すぎるプリントシャツに、よく見るといろんなドット柄が入ったシャツ、それと生真面目なピンストライプのシャツの3枚はコットンキュプラブロード生地で。コットンシルクリネンのオンブレチェックシャツは、〈Steven Alan〉の真骨頂である、流行りに媚びないスタンダードナンバー。

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レザーコートの二面性。

レザーコートの二面性。

よく見てほしい。それは、襟裏、袖裏、ベルト裏の3カ所にある。〈ARDENNES〉は、1着に対して2色の革を使うのがシグネチャーで、黒の裏にダークグリーンが〈Steven Alan〉からのリクエスト。襟を立てずとも見える2色目にモデリストの矜持が現れる。イタリアのレザーファクトリーブランドならではのラムナッパレザーのやさしいテリとしなやかさに、革ではないような軽さのベルテッドコート。制作はほぼ手作業だそうだ。

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透ける男の美学。

透ける男の美学。

透け感のあるシャツには今まで縁もゆかりもない方々に、よく使う器のように身近に手慣れ、いつくしんでもらいたいと思うようになる、気だるい夏はすぐにやってくる。生地はコットンすぎない落ち感のあるシアーブロードストライプ。素材感としての“薄さ”は、ふとした空気の揺らぎで肌から離れるほどふわりとかるい着心地に。いつものクラシックなスタイルで、透ける快感を覚えてしまうと、もう戻っては来られない。かも。

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本当のインドマドラス。

本当のインドマドラス。

コットン100%で糸染め、平織りで最低2色の不均一な柄、何より重要なのは、南インドのマドラス(現在のチェンナイ)で織られたインディアンコットンのものを、マドラスチェックと呼ぶ。今も昔も、最上のマドラス生地は手織りである。そんなマドラス生地を扱うニューヨークの〈ORIGINAL MADRAS COMPANY〉に別注したのが、アイビーにもパジャマにも見えない適度に太いトラウザー。触るとわかる未踏のやわらかさが本物の証し。

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ぺたんこは気持ちいい。

ぺたんこは気持ちいい。

キャンプモカシンではなく、ボートモカシン。つまり、素足で履けるモカシンを求めて、スペインの〈ARTESANOS〉に、できるだけ薄く、やわらかく、スエードのような履き心地のものを、Palomares社のヌメ革を使ってつくってもらった。今もちゃんとスペインのピノソというワインと手縫いのモカシンで知られる小さな街でつくられている。どこからどう見ても、ぺったんこ。ぺたんこの革靴って気持ちいいのね。

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ニューヨーク帰りの野良着生地。

ニューヨーク帰りの野良着生地。

糸染めから織りまでを唯一行う会津木綿の織元の生地をマテリアルとしてデザインし、主にニューヨークで展開する〈YAMMAMAN〉。野良着として使われてきた会津木綿をコンテンポラリーなデイリーウェアとするセンスと技術は、いい意味で現代ファッションに染まらず。夏は涼しく冬は温かく、繰り返し着ることでゴワゴワがトロトロになるので、タンクトップに羽織れば、夏も気持ちよし。フードの落ち着き、ネックの上がり方も完璧。

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趣味のよいスリッポン。

趣味のよいスリッポン。

靴を見れば人格がわかるとアメリカ・カンザス大学の研究結果で出ているそうだ。同じ靴を長く履くような人は誠実だったり、靴にこだわりを持っていない人はリベラルだったり。まあ、でも、気にせずにいつでも趣味のよさそうな靴を履いていたいので、〈VERGINIA〉のボリューム感のあるスリッポンをスエードで別注。落ち着いたサンドベージュに、ラバーソールのカジュアルな履き心地。長く大事に履けば、「誠実」という称号も得られる。

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革のバッグの隙間。

革のバッグの隙間。

イタリアらしい質の高い床革スエードの鞣しに、機能と洒落が拮抗したイタリアンデザイン。このクオリティで、この価格。物理的にも精神的にも気楽なレザーバッグをつくっているのは、フィレンツェの〈AULENTTI〉。〈Steven Alan〉からのオーダーは、もとのウィメンズのデザインをメンズに置き換え、付属をシルバーメタルに。近年、色は金茶に傾倒していたが、チョコレートを。夏は白いTシャツにこんなチョコレート。

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